【指導上の参考事項】
水稲の施肥改善事業に関する成績について(そのⅢ)

北海道立農業試験場上川支場

 

普及上の注意
 南空知地区で、水稲に対する肥料の経済効果を知るために試験を行ったが、その結果は類似地区の施肥改善に資するところが少なくないものと思われる。

 1) 試験地名     佐藤試験地
   適用範囲     長沼地区Ib土壌区(千歳川沿岸泥炭土)
              長沼町南長沼18区、21区、22区、27区、28区
   土壌の特徴    地表下30cm以内に泥炭層が現れしかもその厚さが50cm以上でありかつこの泥炭層の上部に火山砂層が5~10cmの厚さで存在する。
   供試品種     「石狩白毛」
   窒素の適量    a当375g(反当1貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
元肥(a当g) 備考
要素量
N P2O5 K2O
推定適量区 75  375 563  375 昭和31、32,33年は全層施肥とした。
昭和34年はNPは2/3、表層1/3全層施肥し、
Kは全層施肥とした。

a当沖積土1.8m3客土
a当113kgベントナイト施用

窒素増肥区 75 488 563 375
窒素減肥区 75 263 563 375
無窒素区 75 0 563 375
客土区 75 375 563 375
ベントナイト区 75   375   563   375

  玄米収量比
試験区名 昭和31 昭和32 昭和33 昭和34
推定適量区 100.0 100.0 100.0 10.0
窒素増施区 92.0 98.6 100.4 97.6
窒素減施区 105.4 100.6 92.1 88.6
無窒素区 138.5 87.4 78.2 78.4
客土区 83.9 99.1 77.8 93.4
ベントナイト区 87.5 99.0 98.4 99.5
  昭和31年は冷害年で考察対象とせず。

  経済効果に関する表(昭32~34年、3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
推定適量区 34.7 60.43 2202 2142
窒素増施区 39.9 86.54 2532 2445
窒素減施区 42.8 97.66 2717 2619
無窒素区 42.3 108.88 2685 2576
客土区 41.3 97.66 2621 2523
ベントナイト区 42.4 97.66 2691 2593

 要約
 当試験地の窒素適量は推定適量区のa当375g(反当1貫)が妥当と考えられる。客土およびベントナイト施用の効果は判然としない。

 

 2) 試験地名     伝庄試験地
   適用範囲     長沼地区26土壌区
              長沼町中央長沼9区、11区、14区、15区、26区、29区。南長沼20区、27区。西長沼28区、30区、北長沼5区、10区
   土壌の特徴    地表より30cm以下に泥炭層が現れ、その厚さが50cmで、しかも地表下30cm以内に火山砂層を有しないもの。
   供試品種     「豊光」
   窒素の適量    a当731g

 試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
元肥(a当g) 備考
要素量 珪カル
(kg)
N P2O5 K2O
推定適量区 75  563  563  375 昭和31、32、33年は全量、全層施肥
とした。昭34年はNPは2/3全層、
1/3表層とし、Kは全量全層施肥とした。



18cm深耕

窒素増肥区 75 731 563 375
窒素減肥区 75 394 563 375
無窒素区 75 0 563 375
客土区 75 563 563 375 20
ベントナイト区 75   563   563   375

 玄米収量比
試験区名 昭和32 昭和33 昭和34
推定適量区 100.0 100.0 100.0
窒素増施区 110.3 104.7 102.9
窒素減施区 97.1 93.6 96.9
無窒素区 79.5 76.7 78.1
珪カル区 109.7 96.0 102.9
深耕区 113.2 108.4 105.6

 経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 31.0 60.43 1968 1908
窒素減施区 38.1 99.55 2418 2318
推定適量区 39.8 116.33 2526 2410
窒素増施区 42.0 133.01 2666 2533
珪カル区 40.8 209.73 2590 2380
深耕区 43.2 116.33 2742 2626

 要約
 本試験地の窒素適量は窒素増施区のa当731g(反当1.95貫)で充分の安全性が認められる。深耕の効果も期待できよう。珪カル使用の効果は認めにくい。

 

 3) 試験地名     福島試験地
   摘要範囲     長沼地区 第4a土壌区
              長沼町南長沼21区、22区、23区
   土壌の特徴    下層が灰褐色を呈し、地表下30cm以内に10~15cmの火山砂層を有している。
   供試品種     「豊光」
   窒素の適量    a当750g

 試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
元肥(a当g) 備考
要素量 分肥
堆肥 珪カル N P2O5 K2O N
推定適量区 75  750  563  375 昭和31、32、33年は全量、全層施肥
とす。昭34年はNPは1/3表層、2/3全層
とし、Kは全量全層とする。

30cm混層


幼穂形成期分施

窒素増肥区 75 900 563 375
窒素減肥区 75   600 563   375
無窒素区 75 0   563 375
混層耕区 75 750 563 375
珪カル区 75 19 750 563 375
窒素分施区 75 525 563 375   225

  玄米収量比
試験区名 昭31 昭32 昭33 昭34
推定適量区  100.0  100.0  100.0  100.0
窒素増施区 103.8 102.6 100.6 103.1
窒素減施区 118.9 99.1 91.5 97.9
無窒素区 109.0 82.1 70.1 74.2
混層耕区 120.3 101.4 97.6 108.0
珪カル区 118.9 93.6 90.0 95.3
窒素分施区 116.0 97.6 111.0 108.4
 註 昭和31年は冷害であり考察より除外。

 経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 40.3 60.43 2558 2498
窒素減施区 47.1 120.00 3028 2908
推定適量区 49.6 134.90 3148 3013
窒素増施区 50.7 149.79 3218 3068
混層耕区 51.0 134.90 3237 3102
珪カル区 45.2 223.63 2932 2708
窒素分施区 52.7 134.90 3345 3210

 要約
 窒素増施区が肥料代を差し引いて最も増収したが、当試験地の窒素適量は安全性を考慮して推定適量区a当750g(反当2.0貫)が妥当と考えられる。
 推定適量区の窒素量を分施した場合の効果はかなり期待できる。混層耕の効果は顕著には認められない。珪カルの効果はほとんどなかった。

 

 4) 試験地名     山田A試験地
   適用範囲     長沼町第3b土壌区
              長沼町南長沼南5号以北
   土壌の特徴    下層が明緑味灰を呈し、地表下30cm以内に火山砂層を有しない。
   供試品種     「豊光」
   窒素の適量    a当750g(反当2貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
元肥(a当g) 備考
要素量
堆肥 珪カル N P2O5 K2O
推定適量区 75  750  563 375 昭和31、32、33年はN、P、K共に全層施肥
とする。昭34年はNPは1/3表層、2/3全層
肥とする。

30cm混層


深耕は18cm

窒素増施区 75 900 563 375
窒素減施区 75   600 563 375
無窒素区 75 0   563 375
珪カル区 75 19 750 563 375
深耕区 75 750 563 375

  玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区  100.0  100.0  100.0
窒素増施区 103.0 96.3 100.0
窒素減施区 92.0 91.0 95.4
無窒素区 71.1 76.4 70.0
珪カル区 93.0 92.1 94.7
深耕区 109.7 96.5 99.7

  経済効果に関する表(昭32~34 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 30.4 60.43 1929 1869
窒素減施区 38.7 120.00 2456 2336
推定適量区 41.8 134.90 2653 2518
窒素増施区 41.6 149.79 2640 2490
珪カル区 38.9 223.63 2469 2745
深耕区 42.5 134.90 2697 2562

 要約
 当試験地の窒素適量は推定適量区のa当750g(反当2貫)が妥当と考えられる。深耕の効果は充分期待できる。珪カル施用の効果は認められない。

 

 5) 試験地名     田中試験地
   摘要範囲     長沼地区第3d土壌区
              長沼町北長沼2区
   土壌の特徴    下層が明緑味灰を呈し、中間層30~70cmに腐植に富む層を有する。
   供試品種     「豊光」
   窒素の適量    a当750g(反当2貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量(a当g) 備考
基肥 分肥
N P2O5 K2O N
推定適量区 75  750  563  375 昭和31、32、33年はN、P、K共に
全層施肥とした。昭34年はNPは
2/3全層、1/3表層とし、Kは
全量全層施肥とした。

幼穂形成期追肥

18cm深耕

窒素増施区 75 900 563 375
窒素減施区 75   600 563   375
無窒素区 75 0   563 375
窒素追肥区 75 750 563 375
深耕区 75 525 563 375   225

  玄米収量比
試験区名 昭31 昭32 昭33 昭34
窒素増施区  102.4  106.6  105.5 99.6
窒素減施区 100.0 91.3 89.0 90.4
無窒素区 92.9 63.5 60.3 67.5
窒素追肥区 81.4 104.2 109.2  107.5
深耕区 104.8 100.3 98.5 104.5

  経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 25.6 60.43 1625 1565
窒素減施区 36.1 120.00 2291 2171
推定適量区 40.1 134.90 2545 2410
窒素増施区 41.5 149.79 2634 2493
窒素追肥区 42.9 149.79 2723 2573
深耕区 40.6 134.90 2577 2442

 要約
 当試験地の窒素適量は全量基肥とする場合は充分の安全性を考慮しa当750g(反当2貫)が妥当であり、これ以上使用の場合はa当り900gを限度として、その一部150gを幼穂形成時に追肥するとよい。深耕の効果は認めにくい。

 

 6) 試験地名     山上試験地
   適用範囲     長沼地区第3c土壌区
              長沼町南長沼19区、26区、28区、中央長沼8区、10区
   土壌の特徴    下層が明緑味灰を呈し、30cm以下が砂層
   供試品種     「豊光」
   窒素の適量    a当750g (反当2貫)

 試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
元肥(a当g) 備考
要素量
堆肥 珪カル N P2O5 K2O
推定適量区 75  750  563 375 昭和31、32、33年はN、P、K共に全層施肥
とする。昭34年はNPは1/3表層、2/3全層
施肥とした。




18cm深耕

窒素増施区 75 900 563 375
窒素減施区 75   600 563 375
無窒素区 75 0   563 375
珪カル区 75 19 750 563 375
深耕区 75 750 563 375

 玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区  100.0  100.0  100.0
窒素増施区 98.0 96.0 108.6
窒素減施区 95.1 93.2 95.0
無窒素区 72.4 67.4 75.6
珪カル区 96.2 95.7 101.4
深耕区 101.1 93.7 98.3

 経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 28.9 60.43 1834 1774
窒素減施区 38.0 120.00 2412 2292
推定適量区 40.2 134.90 2551 2416
窒素増施区 40.4 149.79 2564 2414
珪カル区 39.3 223.63 2494 2270
深耕区 39.4 134.90 2501 2366

 要約
 以上の成績から本試験地の窒素適量は推定適量区のa当750g(反当2貫)が妥当と考えられる。珪カル施用、深耕の効果はほとんど認められない。

 

 7) 試験地名     佐川試験地
   適用範囲     由仁地区第3b土壌区
              由仁町岩内、東三川
   土壌の特徴    表層に30cm以上の火山灰層を有し下層が灰褐色を呈するもの。
   供試品種     「照錦」
   窒素の適量    a当731g(反当1.95貫)

 試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量(a当g) 備考
基肥 分肥
N P2O5 K2O N
推定適量区 95  563  563  563 - 昭和32、33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭34年はN、Pは1/3表層
2/3全層施肥とし、Kは全量全層施肥
とした。


幼穂形成期分施

窒素増肥区 95 731 563 563 -
窒素減施区 95 394 563 563 -
無窒素区 95 0 563 563 -
尿素区 95 563 563 563 -
分施区 95 450 565 563  113

 玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区  100.0  100.0  100.0
窒素増施区 95.1 109.7 08.5
窒素減施区 108.0 98.7 91.5
無窒素区 99.5 78.6 81.1
尿素区 107.3 110.6 113.5
分施区 92.7 107.5 114.2

 経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 34.1 80.73 2164 2083
窒素減施区 39.4 117.85 2501 2381
推定適量区 39.4 136.63 2501 2364
窒素増施区 41.1 153.31 2609 2459
尿素区 43.5 134.63 2761 2626
分施区 41.1 136.63 2609 3472

 要約
 当試験地の窒素適量は窒素増施区のa当731g(反当1.95貫)で充分の安全性があるものと考えられる。尿素施用、窒素分施の効果も充分認められる。

 

 8) 試験地名     東頭試験地
   適用範囲     由仁地区第a土壌区
              由仁町山桝及び下古山
   土壌の特徴    表層に15cm以内の火山灰を有し、下層が灰~青灰色を呈する。
   供試品種     「照錦」
   窒素の適量    a当731g(反当1.95貫)

  試験区名及び内容 
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量(a当g) 備考
基肥 分肥
N P2O5 K2O N
推定適量区 75  563   563   563 - 昭和32、33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭34年はN、Pは1/3表層
2/3全層施肥とし、Kは全量全層施肥
とした。


幼穂形成期分施

窒素増肥区 75 731 563 563 -
窒素減施区 75 394 563 563 -
無窒素区 75 0 563 563 -
尿素区 75 563 563 563 -
分施区 75 450 563 563  113

 玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区   100.0   100.0   100.0
窒素増施区 112.3 94.9 114.5
窒素減施区 88.0 90.6 96.8
無窒素区 57.4 67.1 61.1
尿素区 99.0 104.8 109.0
分施区 99.7 99.1 106.8

  経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 23.8 69.47 1511 1442
窒素減施区 35.1 108.59 2228 2119
推定適量区 38.2 125.37 2425 2300
窒素増施区 40.9 142.05 2596 2454
尿素区 39.9 123.37 2532 2409
分施区 38.9 125.37 2469 2344

 要約 
 当試験地の窒素適量は窒素増施区のa当731g(反当1.95貫)で充分の安全性があると考えられる。a当窒素563g使用の場合は硫安より尿素を使用した方がよいように思われる。窒素分施の効果はほとんど認められない。

 

 9) 試験地名     酒井試験地
   適用範囲     栗山地区第2土壌区
              栗山町旭台、共和、富士、中の国
   土壌の特徴    下層が灰~青灰色を呈し、全層がグライである。
   供試品種     「栄光」
   窒素の適量    a当563~731g(反当1.5~1.95貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量(a当g) 備考
基肥 分肥
N P2O5 K2O N
推定適量区 75  563   563   450 - 昭和32、33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭34年はN、Pは1/3表層
2/3全層施肥とし、Kは全量全層施肥
とした。


幼穂形成期分施

窒素増肥区 75 731 563 450 -
窒素減施区 75 394 563 450 -
無窒素区 75 0 563 450 -
尿素区 75 563 563 450 -
分施区 75 450 563 450  113

  玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区   100.0   100.0   100.0
窒素増施区 102.0 102.9 105.1
窒素減施区 93.8 83.3 91.6
無窒素区 74.3 65.4 71.9
尿素区 96.0 90.2 95.9
分施区 100.0 97.5 118.2

  経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 30.0 64.04 1904 1840
窒素減施区 38.1 103.16 2418 2315
推定適量区 42.5 119.94 2697 2577
窒素増施区 44.0 136.62 2793 2656
尿素区 40.0 117.94 2539 2421
分施区 45.0 119.94 2856 2736

 要約
 当試験地の窒素適量は窒素増施区のa当731g(反当1.95貫)を限度として、推定適量区のa当563g(反当1.5貫)以上の施用によって、最も増収が来たいできる。尿素の施用はほとんど効果はない。分施はその年の気象条件によって差が認められるが、通覧するとやや有利のように思われる。

 

 10) 試験地名     西野試験地
    適用範囲     栗山地区第6b土壌区
               栗山町北学田、杵臼、富士、三日月、共和、旭台、角田、継立、南学田
    土壌の特徴    下層が灰褐色を呈し、上層が腐植を含む。
    供試品種     「栄光」
    窒素の適量    a当750g(反当2貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量・基肥(a当g) 備考
N P2O5 K2O
推定適量区 75  750  563  375 昭和32,33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭和34年はN、Pは、1/3表層1/3、
2/3全層施肥とし、Kは全量全層施肥とした。

窒素増施区 75 900 563 375
窒素減施区 75 600 563 375
無窒素区 75 0 563 375
尿素区 75 750 563 375

 玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区   100.0   100.0   100.0
窒素増施区 100.3 102.1 106.3
窒素減施区 93.6 84.8 90.2
無窒素区 68.8 57.3 56.5
尿素区 105.2 97.5 92.7

 経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 27.1 60.43 1720 1660
窒素減施区 40.1 120.00 2545 2425
推定適量区 44.9 134.90 2850 2715
窒素増施区 46.3 149.79 2939 2789
尿素区 44.0 132.23 2793 2661

 要約
 当試験地では窒素増施の効果は僅少であり、安定性を考慮して推定適量のa当750g(反当2貫)が妥当と考えられる。尿素施用の効果はほとんど認められない。

 

 11) 試験地名     高田試験地
    適用範囲     栗山地区第一土壌区
               栗山町湯池、中の里、南学田
    土壌の特徴    地表下30cm以下に泥炭層が出現しその厚さが50cm以上
    供試品種     「栄光」
    窒素の適量    a当731g (反当1.95貫)

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量基肥(a当g) 備考
N P2O5 K2O
推定適量区 75   563   563   563 昭和32,33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭和34年はN、Pは、1/3
表層1/3、2/3全層施肥とし、Kは全量
全層施肥とした。

窒素増施区 75 731 563 563
窒素減施区 75 394 563 563
無窒素区 75 0 563 563
尿素区 75 563 563 563

  玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区   100.0   100.0   100.0
窒素増施区 99.0 108.3 109.1
窒素減施区 93.9 93.5 101.9
無窒素区 82.1 73.3 90.7
尿素区 96.6 99.1 106.0

  経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 34.9 69.47 2215 2146
窒素減施区 41.1 108.59 2609 2500
推定適量区 42.6 125.37 2704 2579
窒素増施区 44.9 142.05 2850 2708
尿素区 42.8 123.37 2717 2594

 要約
 当試験地の窒素適量は窒素増施区のa当731g(反当1.95貫)で充分の安全性があると考えられる。尿素施用の効果はない。

 

 12) 試験区名     中島試験地
    適用範囲     栗山地区第3b土壌区
               栗山町富士、三日月、共和、阿野呂、南学田
    土壌の特徴    下層が灰、~灰褐色を呈し、グライを呈しない。
    供試品種     「栄光」
    窒素の適量

  試験区名及び内容
試験区名 堆肥
(a当kg)
要素量(a当g) 備考
基肥 分肥
N P2O5 K2O N
推定適量区 75   563   563   563 - 昭和32、33年はN、P、K共に全層
施肥とした。昭34年はN、Pは1/3表層
2/3全層施肥とし、Kは全量全層とした。


幼穂形成期分施

窒素増肥区 75 731 563 563 -
窒素減施区 75 394 563 563 -
無窒素区 75 0 563 563 -
尿素区 75 563 563 563 -
分施区 75 450 563 563  113

  玄米収量比
試験区名 昭32 昭33 昭34
推定適量区   100.0   100.0   100.0
窒素増施区 87.1 101.3 104.5
窒素減施区 92.3 87.0 91.7
無窒素区 63.3 57.2 58.7
尿素区 81.6 85.1 96.0
分施区 87.7 95.2 98.5

  経済効果に関する表(昭32~34年 3ヶ年平均)
試験区名 玄米重
(a当kg)
a当肥料
投資代金(円)
各区の生産せら
れた玄米代金(円)
肥料代を差引
いた収益(円)
無窒素区 22.7 69.47 1441 1372
窒素減施区 34.4 108.59 2183 2074
推定適量区 38.1 125.37 2418 2293
窒素増施区 37.3 142.05 2367 2225
尿素区 33.4 123.37 2120 1997
分施区 35.8 125.37 2272 2147

 要約
 当試験地では窒素増施によっての増収率が低く、また年によって種々の障害が認められ、不安定な収量を示すので窒素適量は、充分の安全性を考慮して推定適量区のa当563g(反当1.5貫)が妥当であると考える。尿素及び窒素分施の効果は認められない。