【普及奨励事項】

ルーサン(アルファルファ)品種ウィリアムスバーゲ(Williams burg)に関する試験成績

北海道農試畜産部

 

(1) 特性ならびに奨励態度
 a. 特性概要
 Williams burg は直立型で密な叢性を有し、茎はやや太く、草丈は比較的高く伸長する品種である。早春の生育は Du puits に比し、緩慢であるが2~3番草はきわめて旺盛な生育をする。
 播種当年の開花は7月下旬頃であるが、2年目以降は1番草6月下旬~7月下旬、2番草8月上旬~中旬に開花に達するが、3番草はほとんど開花をみるにいたらない。
  班葉病は他品種同様開花始の頃からその発生を認めるが、本病害は開花始の刈取りを適確に行うことにより十分回避できる。しかし旺盛な再生力を考えれば、この点はほとんど品種的欠陥とはなり得ないと思われる。
 また輪紋病は近時発生が認められるようになったが他品種との比較においては少ないと認められる。

 b. 奨励態度
  (イ) 本道中部以南地域の長期利用
 すでにDu puits は昭和32年優良品種の指定をうけているが、播種後3年目までの収量は多収であるが、4~6年目になるとむしろ生産性の減退が著しいと認められる。
 これに反しWilliams burgは播種初期ではDu puitsについで多収性を示し、播種後期ではもっとも多収であった。その年次の経過に伴う収量減少率は比較的小さく、生産力の持続性は他品種に比し高い品種であると認められたので、ルーサンの長期利用を考慮するばあいは、Du puitsより一層有利であると考えられる。
  (ロ) ルーサンの青刈利用
 Williams burgは2.3番草の再生収量は他品種に比し多収であるから、作付面積がせまく多くの飼料作物の作付困難なばあい、または夏期間青刈利用による家畜飼料を主体とする場合などには、本品種は有利と考えられる。さらに盛夏の候、青刈飼料の不足を補い、できるだけ年間粗飼料平衡を維持するためには、かかる品種は有利と考えられるが、青刈主体の地域には積極的に奨励したい。