【指導参考事項】
トラックに積載されたサイレージの降ろし装置(アンローダー)に関する試験 北海道立新得畜産試験場 |
1. 試験目的
フオレージハーベスターの導入に伴い圃場の作業は、非常に機械化され、ほとんど運転手のみで作業ができるようにになつたが、圃場で細切されたデントコーン又は、牧草がサイロの処に運搬され、ブロアーにそれをおろす作業は人力でなければならず、しかも作業も非常に重労働である。
これが解決のため、アンローダーを試作、昭和35年9月より構造使用法、性能に関し試験を行った。
2. アンローダーの概況
運搬車からサイレージを降ろす方法にはコンベアによるものダンプ式のものもあるが、簡易な方法として、引張りだす方法を用いた。動力はトラックを使用したのでトラックの後輪シャフトから取った。
サイレージ積込前にトラックの荷台前部の床上に型台を置き、ワイヤを荷台後部までつけておく、L型台はローラーで床の上を移動できる。
サイレージを積んだトラックはブロアーに後部を接するように停止する、片側の後輪は空転装置の上に乗る(後輪空転装置は2本のローラーからなる)
荷台後の木枠と煽りを取り出す。
次に滑車を用いた定置されたワイヤーロープの一端をL型台のワイヤに連結、一端は後輪シャフト外側に装置した巻き取りドラムに連結する。トラックのギヤはロー又はバックで静かにワイヤーを巻き取る。L型台はサイレージを荷台後方にワイヤーで引出しながら動き荷台後部で1人がホークでかきだせばサイレージは、ブロアーの上に適度に落とされる。
3. 試験結果
(1) 作業労力
荷台でホークで おろす人 |
ブロアー側で送り込みを 調節する人 |
計 | |
人力でする場合 | 4人 (交代要員1人) |
2人 | 6~7人 |
アンローダ-使用の場合 | 1人 | 1人 | 2人 |
人力でする場合の男の労力は極めて重労働で交代要員として1人は必要である。しかし、アンローダーを使用すれば男の1人は女2人と取替えてできる程軽い作業になる。
(2) 所要時間(トラック1台分を降ろす所要時間
全時間 | |
人力でする場合 | 15分 |
アンローダーでする場合 | 7分 |
機械の損傷箇所もなく労力節減の目的を達した。
当場において実施した作業量は次のとおりである。
デントコーン | グラス | |
35年 | 165屯 | - |
36年 | 198屯 | 205屯 |
37年 | 254屯 | 210屯 |