【指導奨励事項】
自給飼料利用による肉豚育成法に関する試験
北海道立農業試験場根室支場

 馬鈴薯は最も安定した作物の一つで、比較的安価な澱粉質飼料なので、これの合理的利用によって飼料費を軽減することが期待できる。一方、馬鈴薯は蛋白質が著しく不足なので、放牧可能期間は、これも非常に安価な自給飼料であるラデイノクローバーを蛋白質飼料として組み合わせ
 完配+馬鈴薯+放牧
それ以外の時期には
 完配+馬鈴薯+大豆粕
の方式を取ることとし、年間を通じて馬鈴薯を利用する肉豚育成法が、子豚の発育、経済性、屠体の性状等に及ぼす影響について試験紙、これと併行して雑種の能力についても検討した。

試験方法
 試験Ⅰ デユーロック4頭、バークシャー2頭、F1(中ヨーク♀×デユーロック♂以下Y×D)2頭、F2(バーク♀×デユーロック♂以下B×D)2頭を用い、デユーロック2頭を対照として、完全配合のみによる飼育、他は完全配合+馬鈴薯+大豆粕による飼育とした。(第1表)
 13週令より試験開始し、体重90㎏前後に達した個体は試験終了とした。完全配合はN社のものを同社の標準給与量に準じて与え*、馬鈴薯群は、馬鈴薯4㎏で完全配合1㎏に相当するとして、風乾飼料量で対照群と等量になるようにした。
 馬鈴薯は煮沸給与とし、給与量は体重の5~8%、大豆粕は最初馬鈴薯の5%、以後比率を減じ日量180gを最高限度とした。給与日量は第1票の通りである。
 なお、1豚房2頭飼育とし、1日の飼料給与回数は3回、体重は毎週1回以上午前9時30分に測定した。

第1表 飼料給与日量 (試験Ⅰ、Y×D)
週令 体重*
(㎏)
肉豚用
(㎏)
馬鈴薯
(㎏)
大豆粕
(㎏)
風乾飼換算
日料量
(㎏)
体重に対する
風乾飼料の比率
(%)
飼料要求率
13 23.0 0.75 1.5 0.075 1.20 4.8  
14 27.4 4.2 13~15週
2.3
15 30.4 0.90 1.35  
16 33.6 1.8 0.090 1.44 4.1  
17 37.0 2.4 0.120 1.62 15~18
2.6
18 42.2 3.0 0.150 1.80  
19 45.3 3.6 0.180 1.98 18~21
3.3
20 51.0 0.75 4.2 3.7  
21 54.9 3.5  
22 58.0 0.60 4.8 3.3 21~24
3.7
23 63.1 5.1 2.06 3.2  
24 66.3 3.0  
25 70.2 5.7 2.21 3.1 24~27
3.9
26 74.3 6.0 2.28 3.0  
27 77.9 2.9  
28 81.5 0.75 5.4 2.7 27~30
4.0
29 85.1 6.0 2.43 2.8  
  注 体重はそれぞれ各週令より1日前のものである。

 試験Ⅱ 供試豚は中ヨークシャー、バークシャー、F1(バーク♀×中ヨーク♂、以下B×Y)、3元雑種〔(中ヨーク×バーク)♀×デユーロック♂、以下(Y×B)×D〕各4頭づつを用い、各品種(便宜上、雑種も品種として取扱う。以下同称)毎に2頭づつ馬鈴薯の多給群と少給群に分けた。試験機関は11週令より体重90㎏前後までとした。飼料給与日量は中ヨークの多給群39号と、少給群35号について示すと第2表の如くであり、他もこれに準じている。

第2表 飼料給与日量 ㎏(試験Ⅱ、中ヨーク)
週令 多給群39号♂ 少給群35号♂
体重 完全配給 馬鈴薯 大豆粕 体重 完全配給 馬鈴薯 大豆粕
11 27.2 0.90 1.5 0.075 27.6 1.35    
13 35.4 2.4 0.120 33.4 1.56    
15 43.3 0.81 3.0 0.150 41.5 1.11 1.8 0.090
17 51.1 0.72 4.0 0.180 48.6 1.14 3.0 0.114
19 60.1 0.66 5.4 0.210 56.6 1.35 0.090
21 68.7 0.63 6.0 65.1 1.32 3.6
23 75.3 0.75 72.1 1.50 0.060
25 84.9 6.6 81.7 1.56 3.9 0.030
  注 15週令までは同一豚房で2頭飼育したため平均を示す。

 ガレイ書は多給群に対して体重の7~10%、少給群に対して4~6%を煮沸して与えるとともに、若干の大豆粕を添加して両郡間の蛋白水準をあまり差のないようにした。なお、少給群に対する馬鈴薯給与は14週令より行った。
 体重測定は試験Ⅰと同様に行った。なお、15週令までは1豚房2頭飼育、それ以後は1頭飼育とした。

試験Ⅲ F1(Y×D)6頭、3元雑種〔(Y×B)×D〕4頭を用い、F1の2頭を対照として完全配合のみによる舎飼飼育とし、残りについて各品種毎に2頭づつ放牧A(完配+放牧)、放牧B(完配+馬鈴薯+放牧)とした。なお、各区とも♂1、♀1づつとした(第1表)
 放牧期間は、F1は6月25日より9月27日(66~160日令)3元雑種は5月27日より9月27日(77~200日令)までであり、放牧方法は午前、午後の2回1~2時間づつラデイノクローバー草地へ放牧した後、豚舎へ戻し飼料給与した。飼料給与日量は3元雑種について第3表に示すが、F1も略同様であり、放牧期間中、放牧A群は栄養分(乾物)の約2/3を完配、残りの約1/3を放牧、放牧B群は完配、馬鈴薯、放牧よりそれぞれ約1/3づつを摂段せしめるように計画した。

第3表 飼料給与日量 ㎏(試験Ⅲ(Y×B)×Dについて)
群月日週令 放牧A 放牧B
体重 幼豚用 肉豚前期用 肉豚後期用 体重 幼豚用 肉豚前期用 肉豚後期用 馬鈴薯
5.27 11~ 17.5~ 0.98     18.6~ 0.98      
6.10 13~ 24.7~ 0.45 0.45   25.9~ 0.60     1.2
24 15~ 29.2~   0.90   31.8~ 0.23 0.23   1.8
7.8 17~ 35.6~   1.20   36.1~ 0.30 0.30   2.4
22 19~ 41.0~     44.3~   0.45   3.0
8.5 21~ 45.5~     1.27 50.1~   0.23 0.23 3.3
19 23~ 53.6~     1.35 55.5~     0.60 3.0
9.3 25~ 59.7~     1.50 60.6~     0.90 2.4
16 27~ 69.1~     70.4~     0.60 3.0
30 29~ 78.6~     2.40 78.1~      
10.14 31~ 86.0~     83.8~      
  注 9月5日(178日令)より新馬鈴薯給与 9月27日(201日令)より舎飼

 馬鈴薯は貯蔵前にクロロIPC処理を加えた物をよく水洗いし、生で給与した。なお、8月18日(F1、130日令、3元雑170日令)までは1豚房2頭飼育、以後は1頭飼育とした。体重測定は試験Ⅰと同様に行った。1頭当たり所要放牧地面積は、最初1~2アール、8月以降4アールであった。
 なお、試験Ⅰ、Ⅱにおいて、馬鈴薯1㎏について食塩1g、コロイカル2g、試験Ⅲにおいて放牧Aは放牧期間中、体重10㎏につき1g、放牧Bは、この他に馬鈴薯1㎏について1gの食塩を給与した。

結果及び論議
 発育成績は第4表、発育曲線は第1~4図に示す。

第4表 発育成績
試験 品種 給与飼料の種類 試験終
了日令
試験
開始時
*体重(㎏)
試験
終了時
体重(㎏)
1日増体量
±標準偏差(㎏)
デユーロック 完     配 231.5 23.2 88.0 0.468±0.087
完配+馬鈴薯+大豆粕 235.0 20.0 89.9 0.486±0.019
バークシャー 241.5 19.5 83.5 0.430±0.098
Y×D 210.5 23.4 90.5 0.562±0.018
B×D 214.0 23.2 89.4 0.539±0.004
中ヨークシャー 完配(多)+馬鈴薯+大豆粕 181.5 26.7 90.5 0.611±0.023
完配(少)+馬鈴薯+大豆粕 189.5 27.3 90.3 0.561±0.006
平     均 185.5 27.0 20.4 0.586±0.032
バークシャー 完配(多)+馬鈴薯+大豆粕 215.5 20.8 90.3 0.502±0.014
完配(少)+馬鈴薯+大豆粕 213.5 20.2 90.1 0.513±0.030
平     均 214.5 20.5 90.2 0.508±0.021
B×Y 完配(多)+馬鈴薯+大豆粕 184.0 25.9 89.6 0.596±0.006
完配(少)+馬鈴薯+大豆粕 180.0 26.1 89.4 0.615±0.011
平     均 182.0 26.0 89.5 0.605±0.013
(B×Y)×D 完配(多)+馬鈴薯+大豆粕 204.5 19.4 90.2 0.556±0.012
完配(少)+馬鈴薯+大豆粕 203.0 20.8 90.1 0.550±0.018
平     均 203.8 20.1 90.1 0.553±0.013
  馬鈴薯多結群平均 196.4 23.2 90.1 0.566±0.046
馬鈴薯少給群平均 196.5 13.6 90.0 0.560±0.042
Y×D 完     配 188.0 19.6 90.2 0.538±0.062
完配+放牧 201.5 17.3 90.5 0.503±0.003
完配+馬鈴薯+放牧 204.0 17.9 90.0 0.487±0.003
(Y×B)×D 完配+放牧 225.0 11.1 89.0 0.461±0.016
完配+馬鈴薯+放牧 225.5 10.8 89.3 0.468±0.001
  *試験開始時 試験Ⅰ 91日令
            試験Ⅱ 77 〃
            試験Ⅲ 56 〃

 試験Ⅰについてみると、デューロックを使った完配群と馬鈴薯群の比較ではむしろ馬鈴薯群の方が優れていた。
 本試験では給飼時に金属製たらいで微温湯を与えたが、完配のみの場合は一度に大量に飲水するとか、或いは飲水の不足といった障害が、馬鈴薯のようにそれ自体の中に相当量の水分を含んでいると飼料と一緒に与えられる場合より起き易いとも考えられ、凍結のおそれのため不断給水のできないような農家においては、馬鈴薯を加える方がむしろ安全といえよう。
 いずれにせよ、馬鈴薯給与飼育によって、完配群と同程度の発育は期待できると思われる。


第1図 発育曲線(試験Ⅰ)

 試験Ⅱの馬鈴薯の多給群と少給群の比較についてみると、中ヨーク以外は皆少給群の方が優れていたが、全体としては相殺され、差は殆どなくなっている。
 品種差は非常に大きく、F1は試験Ⅰと同様いずれもヘテローシスの効果が充分に認められる。また、雑種は発育の斉度が高く、これはF1については当然装うされることであるが、3元雑種も予想に反して非常に均一に発育した。
 また、品種差といっても、各品種1腹づつを用いているので、実際には母親の個体差がかなり大きく入りこんでおり、母親の産次、分娩頭数、離乳時同腹数、離乳時体重等が子豚のその後の発育に大きな影響をもっている。


第2図 発育曲線(試験Ⅱ品種別)


第3図 発育曲線(試験Ⅱ群別)

 試験Ⅲについてみると、放牧群は完配群より、発育はF1で2週間程度遅れている。放牧の両群間には殆ど差はなく、F1は3元雑より約3週間発育が早かった。発育曲線(第4図)についてみると、3元雑の放牧Bは、始めAを上廻っていたが、8月に入ってから増体が緩慢になり、これは生馬鈴薯の嗜好性が急に悪くなった時期と一致しているが、F1については判然としない。
 舎飼期に入ってから、F1、は3元雑ともA、B略同量の増体を示している。なお、♀と♂の発育差は虫しても差し支えないものであった。
 試験Ⅰと同様、完配群の1日増体量の標準偏差に非常に大きいが、これは群飼育、制限給飼の場合、馬鈴薯、牧草といった比較的かさばって採食に長時間を要するものより、完全配合の方が採食時の競争が激しく、強弱の差がつき易いことを推定させる。


第4図 発育曲線(試験Ⅲ)

所要飼料量及び飼料費
 試験Ⅰにおいて、デユーロックの完配群と馬鈴薯群は、飼料要求率は殆ど変わらず、馬鈴薯を給与することにより、飼料費を約1,200円節減しており、この中には燃料費を含んでいないが、それを含めても充分に有利な飼養法といえる。

第5表 離乳(56日令)より試験開始時*までに要した飼料量及び飼料費
  品種 離乳時体重(㎏) 完全配合(㎏) 飼料価格(円) 飼料要求率
試験Ⅰ デユーロック 11.7 27.7 1,103 2.4
バークシャー 11.0 24.6 976 2.7
Y×D 13.7 31.4 1,179 3.2
B×D 10.9 30.8 1,152 2.5
試験Ⅱ 中ヨークシャー 17.6 21.7 940 2.3
バークシャー 14.4 14.7 739 2.4
B×Y 17.1 22.4 1,044 2.5
(Y×B)×D 12.5 16.9 834 2.2
  *試験Ⅰ 13週令
   試験Ⅱ 11 〃

 試験Ⅱにおいても、飼料要求率は群間に殆ど差がなく、馬鈴薯を多給することによって、少給群より飼料費で約700円の節減をみている。しかし、多給群に与えられた量(体重の7~10%)は、豚の嗜好性からいって、沸騰馬鈴薯の最高給与限度と思われ、個体によっては、たまに残食した。
 当場試験成績によれば、冬期間の生馬鈴薯採食量は煮沸馬鈴薯の80%となっているので、少給群に与えられた程度の量であれば、生で与えてもよいと思われる。
 試験ⅢにおけるF1の成績から、もし豚の生体価格が等しいとすれば、6月下旬から9月下旬にかけて2~4アールの放牧地の使用により、舎飼と放牧Aの飼料の差額、約1,200円を、更に澱粉質飼料である馬鈴薯と蛋白質飼料であるラデイノクローバーを組み合わせることにより、約2,000円を粗収入として得たことになる。又、新馬鈴薯は9月5日より給与しその嗜好性は高かったが、もし、早堀りにより旧馬鈴薯の嗜好性の落ちる前に与えるようにすればもっと多くの馬鈴薯を利用できると思われる。

第6表 食草量調査 (㎏)
品種 群別 放牧前体重 放牧後体重 増減 放牧中排糞量 放牧中排尿量 糞尿量計 推定食草量
F1 放牧A 70.6 70.6 ±0 0.65 1.35 2.0 2.0以上
 〃 B 73.4 74.7 +1.3 0.80 0.70 1.5 2.8〃
3元雑 放牧A 60.5 61.7 +1.2 0.50 0.30 0.8 2.0〃
 〃 B 60.6 60.4 -0.2 0.50 0.50 1.0 0.8〃
  平均 66.3 66.9 +0.6 0.6 0.7 1.3 1.9〃
  日時 9月20日 午後2時30分-4時10分
  気温           17℃    16℃
  天候 晴れたり曇ったり

 F1の飼料要求率は、完配群が3.6、放牧群の草以外の飼料について3.1であるから、両者の要求率が等しいとしても、放牧豚は全試験期間を通じて、必要栄養分の約1/6を草からとったことになる。
 しかし、放牧豚の運動量とか、粗繊維の多い飼料を摂食していること等を考えると、実際の要求率は完配群よりかなり高いと思われる。当場の試験成績によれば、放牧豚の食草量は体重の7~10%であり、本試験における食草量調査(第6表)でも66㎏の豚で100分間に1.9㎏以上となっている。
 屠体成績は第7表のとおりで、試験Ⅱにおいて、馬鈴薯の給与量が多いと脂肪が厚くなることが観察された。また、バークシャー馬鈴薯少給群の屠体は、非常に脂肪が薄く、肥育期間があまり短すぎず、馬鈴薯の給与量が適度であれば厚脂肪とはならないこと示している。
 試験Ⅲにおいても、完配群は肥育期間が短すぎるため厚脂肪であった。放牧豚はA・B共、枝肉歩留は低くなったが、脂肪の薄い屠体を生産した。放牧Aは放牧Bよりやや枝肉歩留が高く、僅かに脂肪の薄い屠体を生産した。
 3元雑種は放牧期間が長く、肥育期間も適度であったため、F1より枝肉歩留は更に低くなったが、非常に脂肪の薄い屠体を試算した。これは試験Ⅱにおいて、3元雑の脂肪が厚かったのと比較して、脂肪の厚さは飼育方法によって大きな影響を受けることを推定させる。

第7表 屠体成績
試験 品  種 群  別 絶食体重
(㎏)
枝肉重量
(㎏)
枝肉歩留
(㎏)
皮下脂肪層の厚さ(㎝)
平均
   中ヨークシャー 馬鈴薯多給 90.1 62.5 69.3 4.30 2.40 2.90 3.20
  〃 少給 86.8 59.3 68.4 4.55 2.80 3.20 3.52
平  均 88.9 60.9 68.8 4.40 2.60 3.05 3.36
バークシャー 馬鈴薯多給 87.2 62.8 72.0 4.25 3.15 3.25 3.55
  〃 少給 87.4 60.3 69.0 3.55 2.00 2.80 2.78
平  均 87.3 61.6 70.5 3.90 2.58 3.03 3.17
B×Y 馬鈴薯多給 87.7 60.5 69.0 4.25 2.45 3.30 3.30
  〃 少給 87.8 61.6 70.2 4.30 2.50 3.50 3.40
平  均 87.7 61.0 69.6 4.28 2.48 3.40 3.35
(Y×B)×D 馬鈴薯多給 90.0 61.6 68.4 4.25 3.30 4.10 3.88
  〃 少給 92.1 62.5 67.9 4.30 2.45 3.60 3.42
平  均 91.0 62.0 68.2 4.28 2.88 3.85 3.65
  多給群平均 89.1 61.8 69.7 4.25 2.83 3.39 3.48
少給群平均 88.5 60.9 68.8 4.20 2.44 3.28 3.28
Y×D 舎  飼 87.1 58.4 67.0 4.50 2.40 3.25 3.38
放牧A 86.0 56.3 65.5 4.00 2.25 3.05 3.10
 〃 B 86.8 54.7 63.0 4.10 2.20 3.10 3.13
(Y×B)×D 放牧A 84.6 54.0 63.8 3.25 2.05 3.00 2.77
 〃 B 84.4 52.5 62.2 3.70 2.05 2.70 2.82

要約
 中ヨークシャー、バークシャー、デユーロック及びこれらの雑種の子豚を用いて馬鈴薯の通年利用による肉豚育成試験を行った。その結果は次のとおりである。
1.舎飼馬鈴薯給与飼育により完全配合飼育と同程度の発育が期待できる。
2.煮沸馬鈴薯を体重の7~10%給与することにより、飼料費を大巾に節減できるが、屠体は厚脂肪になる。
3.舎飼馬鈴薯飼育においても、馬鈴薯の給与量が適度(体重の4~6%)で肥育期間も適度であれば薄脂肪の屠体を作ることができる。
4.放牧豚は舎飼豚より発育は2週間遅れ、枝肉歩留は低くなるが、脂肪は薄くなる。
5.放牧豚に生馬鈴薯を給与することにより、放牧地1アール当りの収益を大巾に増大することができる。
6.F1の発育は非常に良好で均一性が高い。3元雑種の発育はF1より劣るが均一性が高く、母親であるF1の繁殖能力をも考慮すれば、3元雑の利用性は高いと思われる。