てんさい導入品種「H116」(アレグロ)
【 要約 】てんさい導入品種「H116」は、根重が「モノホワイト」より多く、根中糖分は「モノホワイト」に近い高糖性を示し、糖量は「モノホワイト」より多く、地域によっては「モノホマレ」より多い。品質も良好である。
 以上の特性を生かして「H116」を全道の低糖分地帯を中心に栽培し、当該地域 の収量、糖分の向上を図る
北海道立十勝農業試験場・研究部・てん菜特産作物科連絡先 0155ー62ー2431
部会名畑作専門育種対象工芸作物類分類普及

【 背景・ねらい 】

 てんさいに糖分取引制度が導入され7カ 年が経過したが、この間のてんさい生産は、全道的には根重、根中糖分とも、年次変動があるもののやや高くなる傾向にある。
 しかし、地域的には根中糖分がきわめて低く、基準糖度を下回る地域がある。このことは、農家の収益性向上とてんさい糖業のコスト低減を進める上で問題である。
 全道の低糖分地帯を中心に奨励された「モノホワイト」は、根中糖分は現行品種中最も高いが、根重が少なかったため、高糖性を維持し、かつ収量性を改善した品種が切望されていた。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 根重は「モノホワイト」より多い。
  2. 根中糖分は「モノホワイト」に近い高糖性を示す。
  3. 糖量では「モノホワイト」より多く、地域により「モノホマレ」並かやや多い。
  4. 品質も良好である。
  5. 以上の特性を生かして、[H 116」を全道の低糖分地帯を中心に、「モノホワイト」、「モノホマレ」の一部に代えて栽培し、当該地域の収量、糖分の向上を図る。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 褐斑病に対する抵抗性は弱なので、適期防除に留意する。
  2. 多肥栽培は、根中糖分の低下や、有害性非糖分の増加を招くので、北海道施肥基 準を守る。
  3. その他の栽培法は「モノホワイト」、「モノホマレ」に準ずる。

【 その他 】

研究課題名:てんさい輸入品種検定試験
予算区分 :受託
研究期間 :平成4年(平成2〜4年)
研究担当者:大槌勝彦、阿部春記、手塚光明、吉村康弘、吉田俊幸、吉澤 晃、
        梶山 努、大波正寿、今 友親、松崎康範、三浦豊雄、土屋俊雄、
        沢口敦史、堤 光昭、鳥越昌隆、増谷哲雄、
発表論文等:なし

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.22