リーキ及びトレビスの栽培法
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〔要約〕リーキ及びトレビスについて、品種特性、出芽適温、初期生育温度・好適pH及び施肥法を明らかにした。導入するに当たっての栽培指針とする。
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北海道立十勝農業試験場 研究部 園芸科 | 連絡先 |
0155-62-2431 |
部会名 | 園芸 | 専門 | 育種・生理・栽培 | 対象 | 葉茎菜類 | 分類 | 指導
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〔背景・ねらい〕
国内外ではすでに栽培されているが、道内ではまだ経験が少なく、将来の需要拡大
が期待されるリーキとトレビスについて標準的な栽培法を確立し、産地形成するにあ
たっての参考に供する。
〔成果の内容・特徴〕
リーキ
- 供試した5品種では、品質・抽苔及び病害抵抗性については明確な品種間差は得
られなかったが、葉鞘部の生育・肥大は「雪印№4」が高い値を示した。
- 出芽適温は25.0゚C、初期生育での生育適温(夜温:15.0゚C)は24.0゚Cであった。
- 初期生育に関してはpH7.0での生育がもっとも良好であったが、pH7.0以上ではリ
ン酸やカリの吸収抑制の危険があるため、目標値は6.5〜7.0とするのが望ましい。
- 本試験で行った栽植密度の範囲では、株当たりの生育量はもっとも疎植であった9
0cm×15cm区が最高値を示した。
- 総窒素施肥量は2.0kg/a程度で、追肥及び土寄せ回数は2回が適当であった。
- リン酸欠乏の火山性土壌ではP2O5で20kg/a以上を施用し、土壌の有効態リン酸
含量で20mg/100gを確保する必要があった。
トレビス
- 出芽適温は22.5〜25.0゚C、初期生育での生育適温(夜温:15.0゚C)は24.0゚Cであっ
た。
- 初期生育ではpH6.0での生育がもっとも良好であり、目標値は6.0〜6.5である。
- 各品種特性項目でよい結果を示した品種には、平均一球重では「ビター」、「SB
20」「SB13」、「SB16」が、結球性では「SB19」、「ルビン」、「SB13」、「SB11
」が、晩抽性では「SB19」、「SB17」、「SB20」、「T-603」、「ビター」、「SB1
2」が、病害(軟腐及びすそ枯病)抵抗性では「SB14」、「SB20」、「SB16」があった。
- は種期が同じであっても、栽培年次によって発生する障害やその程度には違いが
あったが、一般的には、4月は種では抽苔と結球不良、5月は種では結球不良と病
害、6月は種では結球不良と病害の発生が問題であった。
〔成果の活用面・留意点〕
リーキ
- 株当たりの生育、土寄せの際の作業性を考慮すると、畦幅及び株間はできるだけ
広くとることが望ましい。
- リン酸肥沃度の高い沖積土での栽培が望ましい。
トレビス
- は種期別に、規格内率の低下要因を考慮して適品種の栽培に努める。
〔その他〕
研究課題名:新規作物の導入と栽培法の確立
予算区分 :受託
研究期間 :平成4年度(平成2年〜平成4年)
研究担当者:西田忠志、佐藤達雄、越智弘明
「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.123