カーネーション品種の特性
[要約]道内におけるカーネーションの主要品種について,草勢,早晩性及び切花品質の特性を明かにし,品種選定及び栽培上の資料とする。
北海道立中央農業試験場・園芸部・野菜花き第二科連絡先01237-2-4220
部会名園芸専門育種対象花き類分類指導

[背景・ねらい]

 スプレーカーネーションの品種比較は昭和60年〜62年に道南農試と現地4カ所で実 施された。このとき供試された品種34品種の内,現在もカタログに記載のあるものは 8品種と,カーネーションは品種の遷移が早い。スタンダード品種についてはいまだ に検討されていない。そこで本試験は道内で作付上位の主要な品種の特性を調査し, 普及指導上の資料とする。

[成果の内容・特徴]

  1. スタンダード品種ではシム系品種(ノラ,ユーコンホワイト)が草勢が強く切花 長,切花重とも高い傾向を示した。しかし草勢が強い分,節で曲がりやすく,枝が 暴れやすい傾向であった。葉もシム系品種が厚く長いように観察された。
  2. シム系品種の欠点であるガク割れは最終年の調査のみであるがノラが多い傾向に あった。地中海系品種であるタンガでは3年間を通じほとんどガク割れは発生しな かった。同じく地中海系品種であるフランセスコ,ピンクフランセスコは最終年度 にややガク割れが発生した。シム系品種の蕾は卵型であるのに対して地中海系品種 は円柱状となっていて蕾が割れにくい形態となっていた。
  3. スプレー品種ではバーバラを中心に栽培したが,バーバラタイプの品種の特徴と しては草勢が強い点が上げられる。バーバラの枝変わり品種についてはどれも性質 が似通っていた。その分えき芽の発生が他の品種より多い傾向であった。

[成果の活用面・留意点]

 本試験は中央農業試験場で実施され,無加温(ハウス栽培)作型で評価しているこ とを考慮すること。

[その他]

研究課題名:寒地・寒冷地におけるカーネーションと球根花きの組合せ生産システム
        技術の確立 予算区分 :補助(地域重要)
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
研究担当者:生方雅男
発表論文等:なし

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.108