ストック及びキンギョソウの作型と栽培法
【 要約 】  ストックは3〜7月は種、キンギョソウは2〜7月は種で高温期の生育は不安定な がら栽培可能である。また、育苗の方法、マルチ及び遮光の効果等と適土壌pH及び 窒素施肥量・施肥法を明らかにし、栽培の指針とする。
北海道立道南農業試験場・研究部・園芸科、土壌肥料科連絡先0138-77-8116
部会名園芸、土肥・環保専門栽培対象花き類分類指導

【 背景・ねらい 】

 道内での花き栽培の伸びは著しく、今後さらに発展させるためにも、従来の重要品 目である宿根カスミソウ、カーネーション、スターチス以外の栽培も拡大していく必 要がある。そこで、本道の気候条件を生かし、府県の端境期である夏秋期に採花が可 能な、ストックとキンギョソウの作型と栽培法を検討した。

【 成果の内容・特徴 】

ストック

  1. 作型は無加温栽培で、3月から7月は種で栽培可能であるが、条件によって収量 、品質は変化し、5〜7月は種は高温の影響か不安定であった。
  2. 品種は白系極早生種の、「高波」「雪波」「ホワイトワンダー2号」が安定して いた。
  3. 栽培法では、ポット育苗の可能性、地温に応じてのマルチ法の効果、適密度、遮 光の効果、コナガ対策の防虫資材被覆、温度管理、は種限界、八重率向上を検討 した。
  4. 栽培土壌のpHは 6.0前後が好適と思われ、窒素施用量は初夏採花(6〜7月採 花)作型では 1.5〜 2.0kg/a、夏採花(8月採花)は 1.5kg/aの全量基肥が適 当と思われた。
キンギョソウ
  1. 作型は無加温栽培で、「ライトピンクバタフライ」を用いれば、2月から7月中 旬までのは種が可能だったが、は種期によって生育日数(80〜 120日)、生育量 (2〜4月、7月は種安定)に差がみられた。
  2. 品種は、普通咲系、バタフライ系、八重咲系に分けられ、タイプによる差がみら れた。
  3. 栽培法では、マルチ法、ポット育苗の可能性、側枝の仕立法、夜温管理法、遮光 の効果、側枝利用の連続採花の可能性、花成への日長(長日)の影響を検討した。
  4. 栽培土壌のpHは 6.0〜 6.5が適当と思われ、窒素施用量は初夏採花(7月採花 )の作型では 1.5kg/a、夏採花(8月採花)は 1.0kg/aの全量基肥が適当と思 われた。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 作型のは種期、マルチ法については道南での結果であることを考慮する。
  2. ストックは土壌pHの影響が大きいので 7.0以上には絶対にしないこと。
  3. 土壌管理法は全て褐色低地土で実施したものである。

【 その他 】

研究課題名:施設利用による一、二年性草花の高収益作型開発試験
予算区分 :道費
研究期間 :平成四年度(平元〜4年)
研究担当者:塩沢耕二、澤田一夫、加藤俊介、稲川裕、立川さやか、下野勝昭、元木征治

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.118