養液栽培システムの性能
【 要約 】 毛管水耕方式による養液栽培システムの本道における適応性について、ミニトマト とスプレーカーネーションを栽培して実証し、導入指導上の参考とする。
北海道立道南農業試験場・研究部・園芸科連絡先 0138-77-8116
部会名園芸専門栽培対象果菜類、花き類分類指導

【 背景・ねらい 】
 道内でも目的に応じて養液栽培が取り入れられ、その方式もいくつかありそれぞれ 長・短所を共有している。本試験で取り上げた毛管水耕方式は、果菜システムと花き システムがあり、その特徴は根の酸素吸収が容易なため、生育が良好で長期栽培に適 し、コストも安いといわれているので、本道での栽培面からの適応性を検討し、導入 指導上の参考とする。

【 成果の内容・特徴 】

 果菜システム(ミニトマト)

  1. 収穫は無加温で6月中旬から11月中旬まで可能であった。
  2. 収量は規格品(6g以上)で株当り4.1〜5.9kg、a当り 980〜1410kgであった。
  3. 品質的には、平均一果重10〜11g、平均糖度8.0〜8.2%であった。
  4. 養液管理はマニュアルに従い、EC値はやや変動したが、pH値はほぼ目標値内で 推移した。
  5. 液温、根圏部温度は室温前後(平均気温15〜20゚C)で経過した。

 花きシステム
  1. 収穫は8月下旬から11月中旬まで続いたが、年度、栽培法(定植期、仕立数)によ って早晩があった。
  2. 採花数は、年度、栽培法によって多少があったが、目標の 94〜100%は可能であっ た。
  3. 品質的には、切花長(50cm以上80〜90%)、着蕾数(6〜7個)等問題はなかった 。

【 成果の活用面・留意点 】
 本システムは、ミニトマト及びスプレーカーネーションに適用する。

【 その他 】

研究課題名:養液培養システム(果菜及び花卉)の性能試験
予算区分 :受託
研究期間 :平成4年度(平成3〜4年)
研究担当者:澤田一夫、加藤俊介

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.134