カーネーションに対する液肥(N,K)施用法
【 要約 】  ハウス内の未熟火山性土壌に栽培したカーネーションに対する液肥施用は生育も良 好で施肥効率も優れ,施肥法として有効であることが明かとなった。
北海道立中央農業試験場・園芸部・野菜花き第二科連絡先01237-2-4220
部会名土地管理,園芸専門施肥法対象花き類分類指導

【 背景・ねらい 】
 近年カーネーション栽培圃場における塩類集積が進行し,合理的な施肥法が求めら れている。液肥は潅水と同時に施肥ができ生育ステージや土壌中の残存肥料に応じて きめの細かい施肥が可能である。そこで本試験では液肥施用がカーネーションの生育 ,切花品質に及ぼす影響を検討した。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 未熟火山性土における生育時期別の最適液肥窒素施用濃度を検討したところ生育初 期は200ppm(土壌中の無機態窒素7mg/100g),整枝後は400ppm(土壌中の無機態窒 素10mg/100g)とした区が良好であった。
  2. 液肥施用量が高まるにつれて生育が早まり,切花重が増加する傾向であった。しか し茎は軟弱化する傾向であった。未熟火山性土における液肥窒素施用量は5kg/aが 適当であると推定された。
  3. 液肥のNK比と切花重の間には一定の傾向はみられなかった。

【 成果の活用面・留意点 】
 本試験成績は無加温ハウス栽培(夏秋切り)に適応する。液肥施用回数は10回程度 とし,潅水と兼ねて行う。液肥施用間隔は定植から整枝まで10〜14日,整枝時以降は 7〜10日とする。液肥加里濃度は液肥窒素濃度と同程度とする。

【 その他 】

研究課題名:寒地・寒冷地におけるカーネーションと球根花きの組合せ生産システム
        技術の確立
予算区分 :補助(地域重要)
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
研究担当者:生方雅男
発表論文等:なし

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.298