岩宇地域における露地栽培メロンの施肥法
【 要約 】  岩宇地域で露地栽培(トンネル・マルチ)されているメロン(キングナイン)につ いて窒素,カリの施用量を当地域の代表的な土壌別に検討し、カリはどの土壌も12kg 程度とし、基肥窒素は低地土が6〜8、台地土 8〜10、人工土 6kg/10aで安定した収量 を得た。窒素追肥の効果は人工土の2番果で大きかった。
北海道原子力環境センター・農業研究科連絡先0135-74-3131
部会名土地管理,園芸専門肥料対象果菜類分類指導

【 背景・ねらい 】
 岩宇地域はメロン栽培が盛ん(約 270ha)である。その栽培法は主にトンネル・マ ルチによる露地栽培で、熟期の異なる3品種(キングナイン、サッポロレッド、キン グメルテイ− ,表1ではそれぞれナイン、レッド、メルテイ と略)が栽培されている 。3品種の中でも、スイカとの労働競合を避ける面から、8月中旬以降に収穫の盛期 を迎える熟期の遅い「キングナイン」が約7割を占めている。  そこで、熟期の遅い「キングナイン」について、窒素、カリの施用量を土壌別に検 討し、岩宇地域における施肥対応を明かにしようとした。

【 成果の内容・特徴 】

  1. メロンの根域は品種間、土壌間で異なった。このことは施肥反応に影響を与えるも のと考える。
  2. カリの施肥量は3土壌とも基肥12kg前後で収量、品質に大きな影響を与えなかっ た。
  3. 適正な基肥窒素量は収量および糖度から、低地土6〜8kg,台地土8〜10kg,人 工土(粗粒客土)は6kgと考えられる。
  4. 追肥の効果は2番果で大きい傾向にあり、土壌別では、低地土で効果なく、台地土 では基肥窒素の少ない場合に認められ、人工土では基肥窒素量の多少にかかわらず 認められた。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 対象品種を「キングナイン」に限定する。
  2. 砂質な人工土での基肥(化学肥料)は控えめにし、堆厩肥等や追肥を重点に肥培管 理をする。
  3. 窒素、カリの持出量が施肥量を上回るので、有機物等による地力の培養を図る。

【 その他 】

研究課題名:メロンの土壌別三要素用量試験
予算区分 :道 費
研究期間 :平成4年度(平成元〜4年)
研究担当者:山上良明,川原祥司,成田保三郎,加藤俊介,谷井敦,日下孝人,
        熊谷秀行
発表論文等:岩宇地域の園芸作物に関する研究、第16報、メロンにおける窒素施肥
        反応の品種間差異,土肥学会講要,第38集,1992。

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.289