はくさい・キャベツの収穫機械化
【 要約 】  はくさい・キャベツの輸入ハ−ベスタ2機種の現地実証を行い、その実用性が確認 された。収穫後の外葉処理を要するが、損傷はほとんど無く、作業能率ははくさいで 4.4a/h、キャベツで1.7a/hであった。
北海道立中央農業試験場・農業機械部・機械科連絡先01237-2-4220
部会名農業物理専門機械対象葉茎菜類分類指 導

【 背景・ねらい 】
 道産野菜の道外移出量が増加する中、はくさい、キャベツなどは人手収穫によって 行われている。これらは重量野菜のため特に多労働であり、機械化が強く要望されて いる。このため、海外で利用されている収穫機の性能を調査し、実用性を検「する。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 供試はくさいは、畦幅61〜63cm、株間52〜54cm、平畦で、結球部の高さが26.8〜34 .2cm、幅14.2〜20.2cm、球重は1.50〜2.92kgであった。また、圃場の土壌硬度は畦 間位置で深さが 5cmでは 4.2kg/cm2以上と硬く、作業条件としては良好であった。
  2. はくさい収穫機は、トラクタ直装式 1畦用で、茎葉切断装置がついている。 作業 速度0.33m/sで外葉枚数が9〜11枚に切断され、損傷、汚れがなく、補助作業者 3人 、トラクタオペレ−タ 1人 の計 4人で連続作業した能率は 4.5a/hであった。また 供試機で収穫したはくさいを、施設に搬入後、調製から箱詰めを行った作業能率は 約0.2a/hであった。
  3. 供試キャベツは畦幅61〜66cm、株間38〜44cm、14〜17cmの高畦(2箇所)と平畦( 1箇所)で球径が14.6〜18.1cm、球重は1.14〜1.66kgであった。圃場の土壌硬度は 畦間位置、深さ5cmで 5kg/cm2以上と硬く、作業条件としては良好であった。
  4. キャベツ収穫機は、トラクタ直装式1畦用で、茎葉切断は機上で手切りで行う。作 業速度 0.08m/sで、機械損傷球はなく、後部作業台に補助作業者 2人が乗り、連続 作業を行った結果作業能率は1.7a/hであった。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 適応トラクタは、はくさいが70PS以上、キャベツは60PS以上の4輪駆動が望ましい
  2. 畦幅は60cm以上が望ましい。
  3. マルチ栽培ではフィルムを除去する。

【 その他 】

研究課題名:結球野菜の収穫機械化システムの実用化
予算区分 :道単
研究期間 :平成4年(平成4〜5年)
研究担当者:笹島克己、竹中秀行

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.349