トルコギキョウのアブラムシ発生抑制とウイルス感染防止
【 要約 】  トルコギキョウのマルチ栽培に光反射性フィルムである「地温抑制近紫外線反射特 殊ポリオレフィン系フィルム」及び「白黒ダブルフィルム」を使用すると,アブラム シの飛来を抑制し,ウイルス病(CMV)の感染防止効果が高まる。
北海道病害虫防除所予察課連絡先 01237-2-7166
部会名病害虫専門作物害虫対象花き類分類指導

【 背景・ねらい 】
 北海道におけるトルコギキョウの栽培面積は急速に増加している。しかし,トルコ ギキョウにはアブラムシによって媒介されるウイルス病(CMV)が広域的に発生し ており,本病は生産安定の大きな阻害要因の一つとなっている。そこで本病の感染を 回避するため,トルコギキョウのマルチ資材として,2種類の光反射性フィルムを用 いてアブラムシ類の発生抑制とウイルス病(CMV)の感染防止効果について検討す る。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 長沼町におけるトルコギキョウのウイルス病発生株率は1989年以降50% 以上である(表1)。
  2. トルコギキョウにはモモアカアブラムシとワタアブラムシの2種類が寄生した
  3. 光反射性フィルム(地温抑制近紫外線反射特殊ポリオレフィン系フィルム及び 白黒ダブルフィルム)をトルコギキョウのマルチ栽培に使用すると,アブラム シ有翅虫の飛来を抑制するとともに,ウイルス病(CMV)の感染防止効果も 高かった(表2,図1)。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. ハウス周辺に自生するクローバはアブラムシ類のウイルス保毒源となるので除去する。

【 その他 】

研究課題名:主要花き類の病害虫の発生実態と防除対策
予算区分 :道費
研究期間 :平成3〜4年
研究担当者:奥山七郎
発表論文等:平成4年度農業試験会議提出
        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.198