アカクローバ導入品種「SB-R-8603」(マキミドリ)
【 要約 】  アカクローバ「SB−R−8603」は、全道に適した二倍体の早生品種である。 うどんこ病抵抗性が強で、多収である。
北海道農業試験場・飼料資源部・マメ科牧草育種研究室
中央農業試験場・畜産科、    北見農業試験場・牧草科
根釧農業試験場・作物科、    天北農業試験場・牧草科
滝川畜産試験場・草地飼料作物科、新得畜産試験場・草地科
連絡先011-857-9272
部会名草地専門育種対象牧草類分類普及

【 背景・ねらい 】
 現在、道内に流通しているアカクローバ二倍体の北海道優良品種の主たるものは「 サッポロ」など2品種である。これらはいずれも育成以来20年以上を経過し、新優 良品種が望まれている。チモシーの混播相手マメ科牧草として、永続性・収量性・混 播適性に優れるアカクローバ品種に対する期待は大きい。

【 成果の内容・特徴 】
 本品種は民間種苗会社により育種されたものであり、主な特性は以下の通りである

  1. 開花期は、「サッポロ」より0〜2日遅く、早生に属する。
  2. 収量性は、「サッポロ」に比べ多収である。とくに2番草割合が高い傾向にある。 永続性は、「サッポロ」並である。
  3. 再生程度は、「サッポロ」並かやや旺盛で、競合力は「サッポロ」並である。
  4. 萌芽は、「サッポロ」に比べ並かやや優れ、越冬性も並かやや優れる。
  5. 耐倒伏性は、「サッポロ」並かやや弱い。
  6. 病害抵抗性は、「サッポロ」に比べ、うどんこ病では強、茎割病では「サッポロ」 と同程度の強である。菌核病では、「サッポロ」並である。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 「SB−R−8603」は、現在の主たる品種の一つである「サッポロ」に比較し、多収で、うどんこ病抵抗性に優れているので、北海道優良品種として認定し、普及する。
    普及対象地域は全道、普及見込み面積は15万haである。
  2. 採草用として利用する。

【 その他 】

研究課題名:牧草導入品種の適応性検定試験
予算区分 :受託
研究期間 :平成4年度(平成2〜4年)
研究担当者:山口秀和(北海道農試)、上出 純(中央農試)、中島和彦(根釧農試)、
        古谷政道・藤井弘毅(北見農試)、佐藤公一・蒔田秀夫(天北農試)、
        出口健三郎(新得畜試)、佐藤尚親・井内浩幸(滝川畜試)
発表論文等:なし

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.35