とうもろこし導入品種(サイレージ)「3477」
【 要約 】 サイレージ用とうもろこし「3477」は中生の中に属し、北海道の道央(北部を 除く)、道南地域に適応する。「キタユタカ」に比べて多収である。耐倒伏性は「キ タユタカ」並である。
農水省北海道農業試験場・飼料作物育種研究室
道立中央農業試験場・畜産科
道立道南農業試験場・作物科
連絡先 011-857-9317
部会名草地専門育種対象雑穀類分類普及

【 背景・ねらい 】
 とうもろこしサイレージの良質原料の安定確保は、北海道の各栽培地帯において重 要な課題である。道央、道南地域では比較的気象条件に恵まれていることから作付け に占める割合は北海道における熟期区分での中、晩生品種が多いが、これらの熟期区 分に属する品種についても早生品種と同様生産コスト低減のために既存品種より多収 、耐倒伏性の品種の要望が強い。

【 成果の内容・特性 】
 比較品種には昭和63年に北海道の優良品種に認定された国産の中生品種「キタ ユタカ」を用いた。「キタユタカ」は育成当時、耐倒伏性はやや不十分であるが収 量性その他の特性は標準なみの品種とされた。

  1. 熟期
     絹糸抽出期は「キタユタカ」と同程度である。収穫時熟度は「キタユタカ」並 である。総体の乾物率は「キタユタカ」より高い。中生の中に属する。
  2. 耐倒伏性
     耐倒伏性は「キタユタカ」並である。
  3. 発芽および初期生育
     発芽は「キタユタカ」並で、初期生育は「キタユタカ」並かやや劣る。
  4. 収量性および乾物特性
     乾物収量、TDN収量は「キタユタカ」より多い。乾雌穂重割合、乾物中TD Nは「キタユタカ」より高い。
  5. 形態的特性
     稈長は「キタユタカ」より高く、着雌穂高は「キタユタカ」並かやや高い。
  6. 耐病性
     すす紋病抵抗性は「キタユタカ」より強い。ごま葉枯病抵抗性は「キタユタカ 」より弱い。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 普及対象 地域は北海道の道央(北部を除く)及び道南地域で、普及見込み面 積は1000ha である。
  2. 一般栽培基準に準ずる。

【 その他 】

研究課題名:サイレージ用とうもろこし導入品種の品種特性に関する研究
予算区分 :受託
研究期間 :平成4年(平成2年〜平成4年)
研究担当者:三浦康男・佐藤 尚・重盛 勳(北海道農試)、吉田 悟(中央農試)
        手塚光明、萩原誠司(道南農試)
発表論文等:なし

        「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.45