ELISA法を用いた牛乳房炎の診断法と泌乳期治療 | |||||||
【 要約 】 モノクローナル抗体を用いたELISA法により108 個/ml以上の濃度の黄色ブドウ球菌を検出することが可能となった。また、乳汁中の特異抗体を定期的に測定することにより黄色ブドウ球菌による乳房炎牛を診断できることが明かとなった。 | |||||||
新得畜産試験場研究部衛生科、酪農科 | 連絡先 | 01566-4-5321 | |||||
部会名 | 畜産・草地部会 | 専門 | 診断予防 | 対象 | 乳用牛 | 分類 | 指導 |
【 背景・ねらい 】
乳房炎の原因菌を検出する方法としては寒天平板を用いた乳汁培養法が最も一般的で
あるが、培養から出現した細菌の同定までに時間がかかり、多検体処理にもあまり適し
ていない。原因菌のなかでも黄色ブドウ球菌は最も多く検出され、慢性になると治癒し
にくくなるため、同菌の簡易で正確な検出法の開発が待たれている。そこで、本研究で
は黄色ブドウ球菌に対するモノクローナル抗体を作製し、これを用いた同菌の検出法の
開発を試みた。また、近年アメリカ合衆国で乳汁中の黄色ブドウ球菌に対する抗体測定
用ELISA キットが開発、市販された。この方法は乳汁を無菌的に採取する必要がなく、
短時間で多検体処理が可能という利点を持っている。そこで、このキットを用いた黄色
ブドウ球菌感染牛診断の有効性について検討した。
さらに、細菌検査、体細胞数などの結果を基に行った乳房炎の泌乳期治療の治癒率に
ついても検討した。
【 成果の内容・特徴 】
【 成果の活用面・留意点 】
【 その他 】
研究課題名:モノクローナル抗体を応用した家畜の疾病診断および防除技術の開発
1.乳房局所免疫能解明と簡易乳汁内細菌検出法の開発
予算区分 :道 単
研究期間 :平成元年〜 5年
研究担当者:平井綱雄、恒光 裕、櫻井辰壽、篠原靖彦、森 清一、遠谷良樹、工藤卓二、
米道裕彌、小倉紀美、塚本 達、所 和暢
発表論文等:北海道獣医師会雑誌, 37, 77-81 (1993)
「平成6年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.408