木炭粉の農業資材としての特性 | |||||||
【 要約 】 カラマツを原料とした木炭粉の理化学的特徴は、炭化条件の差で異なること、更に、 木炭粉施用により土壌の物理性は改善されるが、2t/10a以上施用する必要があること を明らかにした。また、淡色黒ボク土への木炭粉の施用は、菜豆及び大豆をやや増収さ せたが、多腐植質黒ボク土では効果は判然としなかった。 | |||||||
北海道立中央農業試験場・環境化学部・土壌生態科 | 連絡先 | 01237-2-4220 | |||||
部会名 | 生産環境部会 | 専門 | 対象 | 分類 |
【 背景・ねらい 】
本道の人工林の樹種はトドマツとカラマツが約9割を占め、これらの人工林から生産される間伐材の伐採量は年間約140万m3(昭和62年度)におよぶ。これは、天然林を含めた本道での針葉樹伐採量の3分の1を占め、更に、今後間伐が必要になる人工林が増えることから、間伐材生産量と加工の際に産出される鋸屑や樹皮の産出量は増加すると考えられる。従ってこれらを有効に活用する方策が、林産振興の観点から求められており、農業分野に於いてもこれに連動して昭和61年に地力増進法が改正され、透水性改善の項目で木炭が土壌改良資材に指定された。しかし、木炭(木炭粉)にはこの他にも多くの機能があることが指摘されており、農業分野に対してもこれらの効果についての検討と実証が求められている。そこで、本試験ではカラマツを原料とした木炭粉の農業資材としての特性を検討した。
【 成果の内容・特徴 】
【 成果の活用面・留意点 】
本試験で用いた原料の樹種はカラマツのみであり他の樹種については未検討である。
【 その他 】
研究課題名:A,低コスト木炭粉製造技術の開発とその農産物に与える有効効果の研究
B,木質系炭化物の農・水産業への利用
予算区分 :道単(共同研究、道立相互)
研究期間 :平成5年度(A:平成元〜2年 B:3年〜5年)
研究担当者:元木征治、今野一男、奥村正敏、中村隆一、梶山 努、美濃健一、
発表論文等:炭化条件の異なる各種木炭粉の施用が畑作物の生育・養分吸収に及ぼす
「平成5年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.363