ごぼうの品種特性
【 要約 】 ごぼうの民間育成品種・系統について、3ヶ所の試験地で、2作期について品種特性調査を実施し、それぞれの作期毎に総合評価を与えた。その結果、標準品種と同等あるいはそれ以上の総合評価を得た品種は、作期I(春まき)では5、II(晩春まき)では8品種である。
北海道立十勝農業試験場・研究部・園芸科 連絡先 0155-62-2431
部会名 作物専門 育種対象 根菜類分類 指導

【 背景・ねらい 】
 ごぼうには、数多くの種苗業者が育成、あるいは導入し、販売している幾多の品種があふれている。さらに多くの育成系統がそのあとに続いている。それぞれの品種にはそれぞれの特長があるはずで、各産地ではどの品種を選んで栽培すればよいのかが大問題である。そこで、地域農業技術センターとタイアップして、優良な品種を産地で速やかに導入・普及できるよう、それらの品種・系統の作期毎の特性を明らかにしようとした。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 2作期、31品種・系統について調査した。作期Iは7月下旬から8月の出荷を目的とした作型で、透明マルチにべたがけ資材を併用して生育の促進を図った。作期IIは北海道で最も一般的な10月から11月の出荷を目的とした「晩春まき」に相当する。2作期間で品種特性に大きな差異はなかった。
  2. 各作期において標準品種に対して同等以上の総合評価を示したものは次の通りである。
    1. 作期I:「柳川中生」、「常豊」、「薫風」、「大作」、「直輝」、「改良魁大長白」
    2. 作期II:「柳川中生」、「常豊」、「大作」、「直輝」、「改良魁大長白」、「三年子滝の川」、「アサヒ魁白肌」、「滝の川No.100」

【 成果の活用面・留意点 】

  1. ごぼうの移出向け栽培における作型別の品種選定の資料とする。

【 具体的データ 】

表1 ごぼうの品種特性
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品種名       肥大の 根先の 生育の ス入り  根長
系統名        早晩  肥大  そろい
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柳川理想       ○  ◎〜○  ○   ○  ◎〜○
柳川中生      ◎〜○  ◎   ◎  ◎〜○  ◎
常豊         ◎   ○  ◎〜○ ◎〜○  ◎
薫風        ◎〜○  ○   ○   ○  ◎〜○
大作         ○   ○   ○  ◎〜○ ◎〜○
改良魁大長白     ○   ○   ○   ○   ○
直輝        ◎〜○  ○   ○   ○   ○
滝の川 No.100    ○   ○  ◎〜○  ○   ○
三年子滝の川     ○   ○   ○   ○   ○
アサヒ魁白肌     ○   ○   ○   ○   ○
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 備  考      ◎:晩 ◎:良 ◎:良 ◎:晩 ◎:長
          ×:早 ×:否 ×:否 ×:早 ×:短
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註)標準品種:「柳川理想」

【 その他 】

研究課題名:移出野菜の品種特性調査
予算区分 :道単
研究期間 :平成6年度(平成5〜6年)
研究担当者:西田忠志・越智弘明

        「平成7年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.65