ハイブリッド・スターチスの秋切り栽培法
【 要約 】 ハイブリッド・スターチスで秋期に高品質の切花を生産するためには抽台茎を整枝(弱小枝除去)することが望ましい。電照の効果は明らかではない。遮光は夏季の株の衰弱を防止するが、抽台本数の減少、茎の軟弱化などのデメリットもある。秋期の加温温度は12゜Cが適当と思われる。
北海道立中央農業試験場 園芸部 野菜花き第二科 連絡先 01238-9-2001
部会名 作物 専門 栽培 対象 花き類 分類 指導

【 背景・ねらい 】
 ハイブリッド・スターチスは近年栽培面積が増加しているものの、夏期の高温により株が衰弱し、秋期の切花品質が劣化する事例が多い。
 そこでハイブリッド・スターチスの抽台茎の摘心、整枝、遮光、電照が秋切り栽培における生育、切花品質に及ぼす影響を明らかにする。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 抽台茎の摘心により採花始めが25〜35日遅れたが、切花品質に大きな差は認められず、開花調節の手段として有効であると思われる(表1)。摘心時期としては定植株の抽台が揃った、茎長15〜20cm程度の時期が良い。
  2. 整枝を強めるにつれて採花本数は減少するが、切花品質は高まる(表2)。
  3. 本試験条件下で電照の効果は明らかではない。
  4. 本試験条件下での遮光はメリット(夏季の株の衰弱防止)とデメリット(抽台本数の減少、茎の軟弱化)がある(表3)。
  5. 秋期の加温温度は12゜C、加温開始時期は9月下旬〜10月上旬が適当と思われる。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 抽台茎の整枝法、遮光法、電照法については加温作型で検討されていることを考慮する。
  2. 抽台茎の摘心法については無加温作型で検討されていることを考慮する。

【 その他 】

研究課題名:スターチス類の開花調節と品質向上試験
予算区分:道費
研究期間 :平成6年度(平成3〜6年度)
研究担当者:生方雅男
発表論文等:なし
        「平成7年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.97