切花用カンパニュラの導入
【 要約 】 切花用カンパニュラ6種17品種の特性を調査した。定植時の苗質、越冬率、越冬後の生育、開花時期、採花期間、収量を播種時期別に明らかにした。切花の鮮度保持方法を検討した。
道立中央農業試験場・園芸部・野菜花き第二科 連絡先 01238-9-2001
部会名 作物 専門 栽培 対象 花き類 分類 指導

【 背景・ねらい 】
 切花用特産花きの品目を拡大するため、これまで本道では栽培されていないカンパニュラの特性を調査し、栽培のための基礎資料を得る。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 品種特性を検討した。
    1. 1991年播種・定植苗の越冬率は80〜100%、1992年播種・定植苗では90%以上で、越冬株は翌年概ね順調に生育した。
    2. メジュウム、ペルシキフォリア、グロメラータ、ラクチフローラ、ラティフォリアは7月上中旬に開花が集中し、採花期間は1〜2週間であった。ピラミダリスは8月中下旬に開花し、採花期間は2〜3週間であった。
  2. 播種時期別に収量・品質を明らかにした。
    1. 8月播種ではラティフォリアが発芽しなかった。9月播種ではメジュウム以外の5種は発芽せず、メジュウムの発芽も著しく遅れ、降霜前に定植できなかった。
    2. 播種期が早いほど定植時の苗は大きく、越冬後の生育も旺盛だった。
    3. 播種が可能な期間は以下のとおりであった。メシュウム「セルレア」=4〜7月(開花盛期は7月上旬、1株当6〜8本採花できた):クロメラータ「スーヘルハ」=4〜5月(同6月下旬〜7月中旬、4〜5本):ヒラミタリス「青」=4〜5月(同月上旬〜中旬、9〜10本):ヘルシキフォリア「紫」=3〜7月(同6月下旬、5〜12本:ラクチフローラ(混合)=2〜5月(同7月上旬〜中旬、8〜10本)
  3. 切花の鮮度保持適温を明らかにした。
    1. 採花当日出荷の場合は、7℃保管では水挿しだけでよく、20℃保管ではSTSを含む保鮮剤処理が必要であった。翌日出荷の場合は、7℃、20℃保管のいずれの場合においても保鮮剤処理が必要であった。
    2. 鮮度保持適温は5〜10℃であった。
    3. 低温、常温輸送のいずれにおいても段ボール箱輸送が可能と考えられた。

【 その他 】

研究課題名:切花用カンパニュラ・アスチルベの導入試験
予算区分 :道単
研究期間 :平成6年度(平成3〜5年)
研究担当者:鈴木亮子・筒井佐喜雄・印東照彦
発表論文等:

        「平成7年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.103