複色のラークスパー新品種「CO−1」
【 要約 】 ラークスパー「CO−1」は白地に紫色の刷毛目の入った新花色の品種である。刷毛目の入り方には濃淡があり、刷毛目の濃い個体が5%程度ある。品種は晩生で、切花品質の揃いは良く、切花の製品歩留まりが高い。対照品種に比較して花穂長は「CO−1」の方がやや長く、着花密度もやや低い。その他の切花品質、耐病性は対照品種と比較して同程度である。
北海道立中央農業試験場 園芸部 野菜花き第二科 連絡先 01238-9-2001
部会名 作物 専門 育種 対象 花き類 分類 普及

【 背景・ねらい 】
 ラークスパーはキンポウゲ科の一年草で和名は千鳥草である。添え花としての需要は根強く、定植から採花まで 2ヶ月程度と短いため、他の品目との組み合わせが容易で、栽培が伸びている。花色は紫、藤、桃、赤、白の単色で主であるが、近年複色(覆輪咲き)品種が発表され注目を浴びているた。このため新花色品種の育成によりさらに需要の拡大が期待できる。

【 成果の内容・特徴 】
 1990年に当場で実施したラークスパーの品種特性調査で「ブルースパイヤー」(日本の種苗会社が外国からの導入した品種)という紫色の品種中(40株供試)に従来にない花色(白地に紫色の刷毛目の入った)個体を1個体発見し、その個体から自殖により採種し、花色を固定を開始した。
 94年から93年産の種子(約1000個体の集団より採種)をもって系統名「CO−1」を付け生産力検定試験、地域適応性試験、地域適応性現地試験を実施した。  「CO−1」の特性を要約すると以下のとおり

  1. 花色は全て白地に紫色の刷毛目の入った複色であった。
  2. 刷毛目の入り方の濃い個体が5%程度あった。
  3. 対照品種と比較して晩生であった。
  4. 耐病性は対照品種と比較して同程度であった。
  5. 切花長、切花重、花蕾数、花径とも対照品種並であった。
  6. 花穂長は「CO−1」の方がやや長く、着花密度もやや低くなった。
  7. 対照品種に比べ切花形質の変異は小さかった。

【 成果の活用面・留意点 】

  1. 普及対象地域は全道一円(雨除け、ハウス栽培)
  2. 栽培は慣行に準ずる。

【 その他 】

研究課題名:ラークスパー育成系統の生産力並びに地域適応性試験
予算区分 :道費
研究期間 :平成6〜7年度
研究担当者:生方雅男
発表論文等:なし

        「平成8年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.22