三倍体キンギョソウの定植期と仕立法
【 要約 】 栄養系三倍体キンギョソウの無加温ハウス栽培における定植期は、4〜7月の間では4〜5月に定植するのが適する。仕立法では定植時に摘心を行い、仕立数は1番花を3本、それ以降は5本程度にすると規格内採花数が増加する。
北海道立道南農業試験場・研究部・園芸科 連絡先 0138-77-8116
部会名 作物 専門 栽培 対象 花き類 分類 指導

【 背景・ねらい 】
 近年、キンギョソウの三倍体品種が育成され、農水省に種苗登録された。これらの苗は栄養繁殖(挿し芽)によって増殖されている。三倍体の特徴として生育が旺盛になり、仕立法によっては茎が太くなり過ぎる傾向が認められ、切花栽培としては複数仕立がよいと考えられる。また、現在のところ府県での試作が主で、道内での栽培の適応性は検討されていない。そこで、道内における栄養系三倍体キンギョソウの良質多収のための定植期と仕立法を検討し、道内作型への適応性を探る。

【 成果の内容・特徴 】

  1. 無加温ハウスで4〜7月の間の定植期を検討した結果、夏季は切り花長が短く、6、7月に定植すると規格外が多くなり、秋季の生産も不安定であった。定植期は4〜5月が適し、保温条件を整えてなるべく早く定植した方が2L、L規格の割合が高くなると考えられた。
  2. セル成型苗の利用においては、摘心時期については定植後に行うより定植時に行う方が省力であり、また、採花始めが早くなるので適すると考えられた(表2)。1番花で3本の仕立数を最低確保するには本葉4枚残しで摘心を行う。
  3. 栽植密度が1975株/aの場合の仕立数は、1番花については3本とし、9月以降の採花に向けては5本程度にすると規格内採花数が増加すると考えられた(図1、2)。ただし、分枝発生、切り花品質等に品種間差があるので栽培する品種の特性を留意する。

【 成果の活用面・留意点 】
 セル成型苗利用の栄養系三倍体キンギョソウの無加温夏秋長期切り栽培の参考資料とする。

【 その他 】

研究課題名:三倍体キンギョソウの仕立法試験
予算区分:受託
研究期間:平成7年度(平成6年〜7年)
研究担当者:立川さやか、加藤俊介、川岸康司

        「平成8年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.103