カラーの採花率向上技術
【 要約 】 カラーの採花率は、球根を催芽処理前と定植前の2回、ジベレリン25ppm溶液に3秒間浸漬することにより向上する。また、加温ハウスで越冬させる据え置き栽培は、6〜7月切り作型として利用できる。
北海道立花・野菜技術センター・研究部・花き第二科 連絡先 0125-28-2800
部会名 作物 専門 栽培 対象 花き類 分類 指導

【 背景・ねらい 】
 カラーは高級花材として市場性が高く、冷涼な北海道においては良品の生産が可能であり、移出花きとして有望である。カラーの球根は高価であるにもかかわらず採花率が低いため、採花率を高める方法を検討し、カラーの安定栽培と作付け拡大に資する。

【 成果の内容・特徴 】

  1. ジベレリン溶液によるカラー球根浸漬処理は、開花球割合および一球当りの抽台数を増加させ採花率向上に有効である。一球当りの採花本数は、無処理球の1本前後にたいしジベレリン浸漬処理球では2〜5本である。奇形花率が高くなることはなく、切花品質は良好であった
  2. ジベレリン処理の効果は、催芽処理前と定植前の2回処理でもっとも安定した。その処理法としては、催芽処理前と定植前にそれぞれ25ppm 溶液に3秒間浸漬処理すればよい。1回処理では効果はやや不安定であったが、催芽処理前に25ppm 溶液に30秒間浸漬するか、または定植前に50ppm 溶液に3秒間浸漬すればよい。噴霧処理は効果がやや劣る。
  3. 催芽温度5〜20℃(3〜4週間処理)では採花率に大きな差はなかったが、30℃では著しく低下した。30℃処理球では形成された肉穂花序の褐変と萎縮がみられた。
  4. 試験条件の範囲では、植付深さ10cm、植え穴底部および覆土にピートモス施用、稲ワラまたはポリワラマルチ施用、適正な灌水(とくに定植後抽台までの生育初期)が採花率および切花品質向上に有益である。
  5. 加温ハウスで越冬させた「ブラックアイビューティー」の翌年の花立ちは極めて良好で、一球当り採花本数は6.5 本に達し、切花も極めて大型となった。据え置き栽培は、6月下旬〜7月下旬切りの作型として利用可能である。

【 成果の活用面・留意点 】
カラーの採花率向上の参考とする。

平成8年度北海道農業試験会議成績会議における課題名及び区分
課題名:カラーの採花率向上技術(指導参考)

        「平成9年度普及奨励ならびに指導参考事項」 P.64