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中央農業試験場

作物開発部 作物グループ(畑作)

業務と概要

  作物グループ(畑作)では、道央5振興局(石狩、後志、空知、胆振、日高)を対象とした畑作物(麦類、豆類、ばれいしょ、てんさい、そば等)の品種開発と栽培法改善に関係機関と協力、連携しながら取り組んでいます。

麦類



・春まき小麦の試験

  北見農試やホクレンで育成された系統の道央地帯への適応性を検定し、収量や品質が優れる系統を選定しています。また、初冬まき栽培での収量や品質について調査しています。春まき小麦で特に問題となる赤かび病や穂発芽耐性の試験を行い、これらの障害に強い系統を選抜・選定しています。


・秋まき小麦の試験

  北見農試や北農研センターで育成された系統の道央地帯における適応性を検定しています。赤さび病やコムギ縞萎縮病に関する試験も実施し、より優れる品種の開発を関連機関とともに取り組んでいます。

これまでの成果



豆類


  大豆や小豆は、寒さに弱い品種や秋が短いとうまく実が太らない品種があります。そのため、広い北海道では、寒い十勝やオホーツク地域と暖かい道央・道南地域で栽培できる大豆や小豆の品種が一部異なります。中央農試では、道内でも比較的暖かい地域であることを活かして、様々な試験を実施しています。

・大豆の試験

  大豆は、北海道では平成20年以降栽培面積が増加傾向にあり、38900ha(R02)が栽培され、道央、道南ではおよそ半分が作付けされています。また、全道の生産量は全国の約42.5%(R02)を占めています。中央農試では、十勝農試育成の有望系統について、道央地帯における適応性を調べるとともに、ウイルス病であるダイズわい化病や転換畑で深刻な問題である湿害に対する抵抗性を調査し、これらの障害に強い大豆系統を選抜しています。また、冷涼な十勝農試では栽培が難しい道南向け晩生品種の交配、選抜を行うなど、大豆品種開発の一翼を担っています。

・小豆の試験

  十勝農試で育成された系統の道央地帯における適応性を調査しています。また、夏が暑い道央地帯では、年によっては小豆の粒が小さくなったり(小粒化)、粒の色が濃くなりすぎる(濃赤化)ため、気温が高くても小粒化、濃赤化しない系統の選抜を行っています。

これまでの成果



ばれいしょ



  ばれいしょとは、ジャガイモのことです。道央地帯のばれいしょは、市場出荷用(生食用)と種いも用が主体です。作物グループでは、北海道農業研究センター、北見農試等で育成された系統および輸入品種等の道央地帯における適応性を調査しています。

てんさい



   てんさいは、根から砂糖をとる畑作物で、日本では北海道でしか栽培されていません。ホウレンソウの親せきですが、草丈50cm、根は約1kgのだいこんのようになる大きな植物です。作物グループでは、てんさいの根の病気である黒根病に対する抵抗性を調べています。

これまでの成果

作況報告


  当報告は、中央農業試験場のほ場において、小麦、豆類およびばれいしょの生育を調査し、公表しています。なお、調査時点における値を中央農業試験場の平年値と比較したものであり、当該管内の作況を代表するものではありません。

本年度の中央農試作況報告
・5月20日付けから掲載します。

全道の作況報告
・他の道立農試等の作況。



資料室


麦類資料過去の北海道優良品種一覧