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中央農業試験場

北海道道立農業試験場で育成した果樹品種



これまでに育成した果樹品種

※ 各品種の詳細については 知的財産 のページをご覧下さい。



りんご

ハックナイン

ハックナイン写真 

  1971年(昭和46年)に道立中央農試において国内栽培面積第一位で貯蔵性に優れる「ふじ」を母、良食味の「つがる」を父として人工交配が行われ育成された。1985年に優良品種に決定した。北海道育成リンゴ品種第1号となる。

樹勢は強く、樹体は「ふじ」より大きくなる。収穫期は10月下旬。生理落果は、早期、後期ともほとんど認められない。果実の大きさは、わい性台木に接いだ場合は350~400gであるが、大きいものは500gを超える。果実の形は長円形で、果実の色は黄緑色の地色に赤くしま状またはかすり状に着色する。貯蔵性は「ふじ」より劣り、冷蔵で12月末までで、年を越すと内部褐変が発生することもある。
  果肉は黄白色で、比較的軟らかいが、貯蔵後も粉質化しにくい。果汁が非常に多く、食味は甘酸適和しており、ジューシーである。道内で栽培されている品種の中では大果で、結実性も良く、収量は道央部で10aあたり3t前後と高い。
樹勢が非常に強いため、栽植距離を他の品種より広めにする。また、無理な切り詰め剪定や多窒素施肥は、強樹勢化して品質低下を招くので避けるようにする。過着果や摘果の遅れは、果実品質の低下だけでなく、隔年結果を招くので、4~5頂芽に1果の着果基準を守り、早期摘果に努める。


ノースクイーン

ノースクイーン写真


  1970年(昭和45年)に道立中央農試において「ふじ」を母、「つがる」を父に人工交配が行われ育成された。1987年に優良品種に決定した。北海道育成リンゴ品種第2号。
  熟期は10月中旬、果実は円~偏円形で260g前後、黄色りんごであるが陽光面は淡紅色に着色。甘酸適和で独特の甘い香りがある。開花が早く隔年結果しやすい。収穫前落果が多いという欠点がある。
  栽培のポイントとして隔年結果の傾向が強いため、早期摘果と適正着果量を守る必要がある。収穫前落果があるのですぐり収穫に努める。



マオイ

マオイ写真


  1982年(昭和57年)に道立中央農試において「マンテット」を母に「HAC6(ゴールデンデリシャス×エンパイア)」を父に交配して育成された。2000年(平成12年)に優良品種に決定した。北海道育成リンゴ品種第3号。
収穫期は9月上旬で、本道では最も早く収穫される品種でキャッチフレーズは“道産りんごのトップバッター”。果実は250~300gで、この時期のりんごとしては、果肉がしっかりしており、日持ち性が優れている。酸味がやや多いのが、さわやかな味である。収穫期が観光シーズンと重なるため観光農園の品種としても期待される。
  収穫の注意として、着色を待って収穫すると、果実が樹上で軟化し食味が低下してくるので、取り遅れないようにする。



オウトウ (さくらんぼ)



陽まり

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  2022年(令和4年)に優良品種認定された。大玉で食味に優れる「南陽」を母、大玉で食味が優れ、着色が良く果肉が硬い「紅てまり」を父に交配して育成された

 収穫始期が 7 月中下旬の晩生系統。「南陽」と比べて大玉で、 果皮の着色が良く、果肉が硬く、食味に優れる。

 S 遺伝子型は S1S3で、「佐藤錦」をはじめほとんどの栽培品種と交雑和合性である。



ジューンブライト

ジューンブライト写真

2007年(平成19年)に品種登録された。「南陽」を母に育成され、父である花粉親は不明。
収穫期は6月下旬と早く、その時期としては大玉であることが特徴。また、耐寒性が高いため、凍害発生年においても花芽の枯死が少ない。本道における主要品種の「佐藤錦」、「北光」、「南陽」をはじめ、ほとんど全ての栽培品種と交配親和性がある。




ブドウ

スイートレディ

スイートレディ写真 

  2016年(平成28年)に品種登録された生食用ぶどう品種である。交配組み合わせは「キャンベルアーリー」×「サフォークレッド」。

 糖度が高く酸度は低く、食味が優れる点に加え、ジベレリン処理をしなくても無核果で、しいなが極めて小さく食べやすいことが特徴。一方で裂果が発生しやすいという欠点もある。
果房果粒の大きさは「キャンベルアーリー」より小さく、「デラウェア」より大きい。収穫期は9月中下旬。




ハスカップ

ゆうふつ

ゆうふつ写真


道立中央農試において、苫小牧市から収集し、保存していた株及びそれらの実生株、約60株を1978年(昭和53年)から特性調査を行い、選抜育成した。1990年(平成2年)に優良品種に決定した。
果実は長形の濃い青色、生育旺盛で、自家結実性が高く、収量が普通の株の1.5~2倍ある。収穫期は6月下旬~7月中旬で早生に属する。果実が大きくて収穫しやすく、果汁色素が多く、種子が少ないなど加工適性にも優れている。


 

くり

オータムコロン
オータムポロン


昭和41年、道南の在来品種「銀太郎」の種子を約5000粒は種し、翌年得られた実生の中から、果実特性、耐寒性等で優良と思われたものを選抜した。
オータムコロンは果実重8.4gと小さいが、果実の比重は1.09と高く、オータムポロンは果実重12.2gと小さいが、果実の比重は1.06と高く、共に食味は非常によい。特徴としては、収穫期になると樹上でイガが裂開し果実が自然と落ちてくる。お互いの品種は結実親和性があり、両品種を混植することによって結実は良好となる。収穫期はオータムコロンは道南地方で9月下旬頃、オータムポロンは10月上旬で、観光果樹園や市民農園などで導入されている。

オータムコロン写真
オータムポロン写真