農業研究本部へ

畜産試験場

平成19年度研究成果

平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題

畜産試験場関係

課題名 判定 成績の要約
交雑牛を用いた黒毛和種種雄牛の能力評価法 指導参考 黒毛和種種雄牛の能力は黒毛和種種雄牛と黒毛和種雌牛との子の成績から評価するのですが、北海道ではこのような評価が十分行えない実態にあります。そこで、黒毛和種種雄牛とホルスタイン種雌牛の交雑牛の成績から、黒毛和種種雄牛の能力を評価する方法を作りました。これにより、種雄牛能力の評価精度が向上します。
スクレイピー感染抵抗性羊群の作出と生産性の評価 普及推進 めん羊のプリオン病であるスクレイピーはわが国では1980年代から散発しています。ここでは、スクレイピー抵抗性の遺伝子型で後継羊を選んでも繁殖・発育・肥育等の生産性は低下しないこと、この方法で選んだ種雄羊を継続的に交配すると、道内羊群のスクレイピー抵抗性が高まることを示しました。
生体捕獲したエゾシカの一時飼育管理および産肉特性 行政参考 野生エゾシカの個体数を適正に管理するため、生体捕獲・一時飼育・食肉加工・販売の取り組みが道東地域で進められています。ここでは2カ所のエゾシカ一時飼育場において飼育管理の実態を明らかにし、飼育の要点を整理しました。
タンパク質分解特性の違いがとうもろこしサイレージ多給時におけるルーメン微生物態窒素合成に及ぼす影響 研究参考 泌乳牛にとうもろこしサイレージを多給するときには、併給する濃厚飼料中の溶解性タンパク質含量を高めると、ルーメン内で微生物態窒素の合成効率が高くなることを明らかにしました。
乳牛における周産期病低減のためのモニタリングと現地実証 指導参考 乾乳後期における乳牛の腹囲の形状はその後の周産期病の発症リスクを予測するうえで有用なモニタリング項目であり、乾乳期の適切な群分け、十分な休息スペースの確保、適切な飼料設計と給与により、周産期病を低減できることを実証しました。
酪農場における牛サルモネラ症の実態解明と発生防止対策 指導参考 サルモネラ症はサルモネラ菌の感染によって起こる人獣共通感染症です。ここでは、成牛(搾乳牛)のサルモネラ症の発生を防止するためには、サルモネラ菌の酪農場内への持ち込みや牛への感染機会を減らすことはもとより、ルーメン機能を正常に維持する飼養管理が重要であることを示しました。
BSE脳内感染実験牛のプリオン体内分布 研究参考 実験的に脳内感染させてBSE(牛海綿状脳症)を発症させた牛について、その原因となるプリオンの体内分布を明らかにしました。BSEの発症機序を解明するための基礎知見です。
デオキシニバレノールの現地検出を目的とした簡易測定技術 研究参考 とうもろこしサイレージに見られるフザリウム属の赤カビはデオキシニバレノールというカビ毒を作ります。これまで、これを検出するには特別な操作や分析機器が必要でした。ここでは、デオキシニバレノールの抗体を作製し、この抗体が簡易な測定法に応用できることを明らかにしました。
LAMP法による生乳のエントロキシンA産生黄色ブドウ球菌検出技術 指導参考 LAMP(ランプ)法は遺伝子を簡便・迅速に検出する方法です。ここでは、食中毒の原因となる毒素(エンテロトキシンA)を作る細菌(黄色ブドウ球菌)の遺伝子を、生乳中から検出する技術を開発しました。
品質評価の基準となる生体回収ブタ初期胚の呼吸活性値 研究参考 生体から回収したブタの初期胚について呼吸量を測定し、発育ステージごとに標準となる呼吸活性値が得られました。今後はこの値をもとに、ブタ初期胚の品質を評価することが可能になります。
LAMP法による牛ヨーネ菌検出 研究参考 ヨーネ病はヨーネ菌の感染によって起こる反芻動物特有の慢性腸管感染症で、家畜法定伝染病の一つです。畜試ではLAMP法によるヨーネ菌遺伝子の検出技術を開発しましたが、ここでは、牛糞便を用いてLAMP法の検出感度の向上および検出時間を短縮する改良を行いました。
生ビートパルプ、スイートコーンパルプ、規格外ニンジンの飼料価値 指導参考 生ビートパルプ、スイートコーンパルプ、規格外ニンジンは、資源量は比較的多いのですが、これらをサイレージにしたときの飼料価値は不明でした。ここでは、サイレージ調製するときの水分調節剤の割合と製品の飼料価値を明らかにしました。
寒冷期における鶏死体発酵消毒法 行政参考 高病原性鳥インフルエンザが発生した場合に、鶏死体の処分法の一つとして鶏死体を発酵させて消毒する方法があるのですが、北海道の寒冷条件下においてそれを実施できるかは不明でした。ここでは、環境温度がマイナスであっても鶏死体の発酵消毒が可能であることを確認しました。
木質チップから製造されたアンモニア吸着材の畜産場面および土壌改良材としての利用 指導参考 中小径間伐材のチップ(木質チップ)を熱処理してアンモニア吸着材とする技術が開発されています。ここでは、このアンモニア吸着材が、実際に堆肥化槽からの排気や鶏舎内空気からアンモニアを捕集すること、そして、捕集後の吸着剤を圃場に施用すると土壌の物理性を改善する効果があることを明らかにしました。
寒冷地における肉牛ふん尿の通気式堆肥化過程から発生するアンモニアの腐熟堆肥への吸着・脱臭技術 指導参考 府県では、肉牛ふん尿の通気式堆肥処理法およびその際に発生するアンモニアを腐熟堆肥に吸着させる方法について実用化研究が進んでいます。ここでは、北海道の寒冷期においても低量通気と腐熟堆肥吸着の組み合わせが有効であることを明らかにしました。
近赤外分析による輸入アルファルファ乾草の飼料成分推定 普及推進 北海道では生産現場で使われる粗飼料について、近赤外分析法を用いた飼料成分の分析が行われています。これまで、近赤外分析法の基準となる、イネ科牧草用ととうもろこしサイレージ用の検量線を作ってきましたが、ここでは輸入アルファルファ乾草用の検量線を作りました。
簡易耕・初冬期播種による傾斜草地等不良条件草地の植生改善技術 指導参考 傾斜が著しい草地など不良条件の草地では、通常の更新・播種方法では干ばつ被害や表土流亡等の危険があり、安定した植生改善ができません。そこで、簡易更新と初冬季播種を組み合わせた植生の改善方法を示しました。
放牧地における牛の嗜好性を左右する要因 研究参考 放牧草に対する牛の嗜好性(牛が自ら選択して草を食べること)には様々な要因が影響を及ぼします。ここでは、それらの要因のうち、牧区の入り口からの距離と牧区内の起伏、肥料(窒素)の施用量、掃除刈り残渣について検討しました。