平成21年度研究成果
平成21年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題
畜産試験場関係
課題名 | 判定 | 成績の要約 |
---|---|---|
枝肉重量に関するDNAマーカーを利用した黒毛和種の選抜技術 | 指導参考 | 枝肉重量形質についてDNAマーカーを用いて黒毛和種の選抜が出来ることを明らかにした。また、脂肪壊死症は枝肉重量への負の影響が大きい要因であるが、遺伝率が比較的高く、育種選抜による低減の可能性があることを示した。 |
牛受精卵の多項目遺伝形質分析技術 | 指導参考 | 受精卵から採取した微量なDNAを全ゲノム増幅法によって予備増幅することで多数のQTL解析が可能となり、受精卵移植によってこれらのQTL解析精度を検証した。 |
ハマナスW2を用いた系統交雑母豚に対する授乳期間の飼料給与技術 | 指導参考 | 授乳頭数が多い初産および2産母豚では、体重と背脂肪厚の損失が大きくなり発情再帰日数が遅延する。この対策として授乳期間のタンパク質摂取量を高めることにより離乳後の繁殖性改善が期待できると考えられ、暫定的なCP含量推奨値を22%とした。 |
「北海地鶏Ⅱ」雌種鶏の素雛生産性向上技術 | 指導参考 | 北海地鶏Ⅱ雌種鶏に対して、量的制限給餌を行うことにより産卵率が改善したが、量的制限給餌が困難な場合は、育成期の質的制限給餌および産卵後期の誘導換羽によっても産卵率が改善することを示し、素雛生産性も向上すると試算された。 |
黒毛和種雌肥育牛への飼料給与技術 | 指導参考 | 未経産雌牛肥育では、穀類割合60%の濃厚飼料を毎月0.5kgづつ増給することによって、良好な肥育成績が得られることが明らかとなった。経産牛では、6か月以上肥育しても枝肉重量に顕著な増加はみられないが、BMS No.は9か月間肥育することにより改善された。 |
携帯型心電計による乳牛の低カルシウム血症の簡易判定法 | 指導参考 | 分娩前後の起立不能牛のうち約4割が低Ca血症に起因しない起立不能牛であり、早期看護を特に必要とし、この牛を特定するために携帯型心電計による低Ca血症の簡易判定法を示した。 |
酪農場における牛床管理と乾乳時の乳頭テーピングによる乳頭汚染の低減 | 指導参考 | カウトレーナーを用いた牛床管理により乳頭表面の付着菌数を低減できる。また、乾乳時の乳頭テーピングは、牛体を汚さない良好な牛床管理のもとでは乳頭表面の菌数を低減する効果があり、分娩直後の乳房炎低減が期待できることを示した。 |
SPF豚農場における無薬飼育の実証とワクチンによるボルデテラ感染の防止 | 指導参考 | SPF豚農場において抗菌性物質を含まない無薬飼料による離乳子豚の飼育が可能なことおよびBordetella bronchiseptica由来シアル酸結合性赤血球凝集素を主成分とするワクチンを子豚または母豚に接種することにより肥育期における同菌の感染を防御可能なことを示した。 |
BSE診断における磁性粒子BL法の検証と診断マーカーの探索 | 研究参考 | 磁性粒子BL法は、発症前のPrPSc蓄積初期段階でも検出でき、BSE診断に有効であることが検証された。またBSEプリオン感染牛の白血球解析結果から生前診断のための基礎知見を得た。 |
牛へのサイトカイン経口投与が免疫応答に及ぼす効果 | 研究参考 | サイトカイン(TNF-αおよびTGF-β)経口投与はBVDV持続感染牛の病態を改善できなかった。一方、ウイルス非感染牛については、TGF-β投与によりIL-17遺伝子の発現亢進と末梢血γδT細胞数の増加が認められ、牛の感染防御能を活性化できる可能性が示唆された。 |
近赤外分析による輸入イネ科乾草の飼料成分推定 | 普及推進 | 粗脂肪を除き、作成した検量線は未知試料の推定結果においてR2値が0.82以上、Biasの絶対値が0.14以下であり実用性の判定においてもAおよびBであった。 |
とうもろこし(サイレージ用)「39T13(X0823F)」 | 普及奨励 優良品種候補 |
早生-晩に属する。標準品種「ネオ85」に比べて初期生育が良く、すす紋病に強く、多収。 |
農業資材試験(除草剤) ・飼料用とうもろこしの1~2葉期における 一年生イネ科雑草に対する「BAS-656乳剤」処理 ・飼料用とうもろこしの3~5葉期における 一年生広葉雑草に対する「DPX-16顆粒水和剤」処理 ・飼料用とうもろこしの3~5葉期における ギシギシ類に対する「DPX-16顆粒水和剤」処理 ・飼料用とうもろこしの3~5葉期における 一年生雑草全般に対する「SL-950フロアブル」少水量処理 |
指導参考 | 飼料用とうもろこし向けの3剤・4試験について除草効果を明らかにした。 |