水産研究本部

アカボヤ:ほやけた網漁業

アカボヤ

漁業の情報

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域根室振興局管内別海町
取材地根室振興局管内別海町尾岱沼
漁場漁場は野付水道から根室湾沖合いの、ホタテガイやウニの漁場となっていない海域となっている。距岸は10~15Km前後で、水深は20~23m、底質は砂泥である。
漁具この地域のホタテガイけた網と同様な仕様であり、船により細部は異なるが、一般的には9本爪けた網(間口約2.7m、爪長さ約70cm)である。
底網(長さ約6m):鉄リング(径10~7cm)、鉄筋網(5寸目(15.1cm))
天井網(長さ約6m):ハイゼックス(5寸目(15.1cm))、鉄リング(径10~7cm)
脇網:鉄リング(径10~7cm)
漁期8~10月
漁船規模10トン未満船
出荷形態漁家でむき身加工を行い、全量漁協加工場へ出荷

対象魚の情報

標準和名アカボヤ
英名golden sea squirt、ascidian(ホヤ属総称)
科目マボヤ目マボヤ科
学名Halocythia aurantium Pallas
俗名、地方名ほや、どろぼや
混獲魚ヒトデ類
道内主産地根室振興局管内、オホーツク総合振興局管内 他道内各地

漁業のすがた

 野付漁協のアカボヤは、地域の特産品である「ほや塩辛」の原料として利用されています。ほたてがいけた網漁業の休漁期で、アカボヤの身入りの良い8~10月に操業しています。近年は2隻が操業しており、漁獲はむき身で20トン程度となっています。

漁具と操業方法はほたてがいけた網漁業と同様であり、両舷からけた網(八尺)を投網し、ワイヤー(80m程度伸ばす)で曳網します。一定時間曳網後、ワイヤーを巻き取り、油圧ドラムでけた網を船上へ取り上げ漁獲します。

増殖と管理

漁獲物の殆どが貝殻を付着基質としていることから、ホタテ貝殻を利用した新規漁場の底質改善事業が行われています。また、人工採苗試験も併せて行われています。

漁獲サイズ(体長90mm)になるのに4年を要することや、産卵盛期が 10月後半である等の知見が得られており、これらを基に更なる増殖対策が今後検討されています。

写真で見る

漁具

けた網:船上のけた網。間口約2.7メートル、爪長さ約70センチメートルの大きさです。

ドラム:曳網ワイヤーを巻き取るドラムです。

操業

けた網投入1:けた網を押し倒すように引っくり返して投入します。

けた網投入2:投網後ワイヤーを伸ばしているところです。

揚網1:数十分曳網した後、揚網のためけた網をボンブ(クレーン)で吊り始めます。

揚網2:けた網を船内へ取込んだところです。

揚網3:けた網を再度吊上げて漁獲物を甲板へ取り込みます。

揚網4:甲板へ取込んだ漁獲物です。

揚網5:次の投網のため、けた網を舷側へ乗せます。

漁獲物1:甲板上で選別前の漁獲物です。

漁獲物2:選別したアカボヤです。

加工・製品

加工:漁家加工場でむき身にする前のアカボヤです。

出荷:むき身にされたアカボヤ。これを漁協加工場へ出荷します。

製品:漁協加工場で製造されたアカボヤ製品です。

協力:根室振興局管内/野付漁業協同組合
取材:根室地区水産技術普及指導所 標津支所

 

最終更新日:2013年03月01日