水産研究本部

エゾバフンウニ:うに養殖漁業(エゾバフンウニ)

エゾバフンウニ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種区画漁業権漁業(内水面)
主な操業地域釧路総合振興局管内浜中町火散布(ひちりっぷ)
取材地釧路総合振興局管内浜中町
漁場釧路総合振興局管内浜中町
漁具カゴの素材はグラスポール製の枠を使用し、トリカルネット製の網を使用。
網の目合いは、育成種苗の成長に合わせて5ミリメートル、10ミリメートル、25ミリメートルの3種類を使用。
カゴの形状は直径60センチメートル、長さ3メートルの円筒型で、中は仕切ザルで6つに仕切られている。
カゴの耐用年数は10年程度。
1軒当たり、目合いが異なるカゴ漁具を約50カゴ所有している。
漁期9月~5月
漁船規模船外機船
出荷形態殻付き出荷

対象魚の情報

標準和名エゾバフンウニ
英名short-spined sea urchin
科目ホンウニ目オオバフンウニ科
学名Strongylocentrotus intermedius (A.Agassiz)
俗名、地方名ガゼ、ガンゼ、バフンウニ、バフン、アカ
混獲魚なし
道内主産地道南日本海を除く北海道沿岸

漁業のすがた

養殖の形態は、種苗搬入から2年目の秋に約7割を出荷し、残り3割を越年させて春までに出荷するほぼ2年1サイクルで行なわれています。
11月に釧路管内水産種苗センター産の9ミリメートル種苗を搬入し、5ミリメートル目合いの円筒カゴに1万個収容します。翌年春に約20ミリメートルまで成長した種苗を10ミリメートル目合いの円筒カゴに2千個に分散収容し、翌年の春まで育成します。
出荷年となる2年目の春に、約40ミリメートルまで成長した種苗を25ミリメートル目合いの円筒カゴに1千個に分散収容し、その年の秋から随時出荷しています。
 

増殖と管理

散布のエゾバフンウニ養殖は、外海放流種苗の中間育成技術から発展しました。当初は、中間育成用の角形カゴを使用していましたが、作業の効率化から現在の3メートル円筒カゴが発案され、2年1サイクルの養殖形態が定着し、現在に至っています。
長雨等の真水被害を防ぐため、塩分濃度計で塩分濃度を測定し、低いようであればカゴの垂下深度を下げる等、育成管理に努めています。
出荷サイズは殻径45ミリメートル以上で、身色も黄色で大きさも均一したウニを出荷しています。また、随時、需要に応じて出荷できるため、販売単価は外海ウニの約2倍の高値で取引されています。

写真で見る

漁具(養殖施設)

養殖サイクル・フロー図

養殖施設の模式図

養殖カゴの模式図

養殖カゴ:初期に使用する目合い5ミリメートルの養殖カゴ。

養殖カゴ:中期に使用する目合い10ミリメートルの養殖カゴ。

養殖カゴ:後期に使用する目合い25ミリメートル養殖カゴ。

養殖の流れ

収容1:秋にウニ種苗生産施設で種苗を受け取ります。

収容2:目合い5ミリメートルの養殖カゴに1万個を目安に収容します。

垂下:施設に養殖カゴを垂下します。

分散作業1:翌年の春に養殖カゴを引き上げ、1回目のカゴ換えと分散を行います。

分散作業2:10ミリメートル目合いの養殖カゴへは400個づつに小分けしたものを5回収容する方法で1カゴ2千個と定めている収容数を精度良く実施しています。

給餌:漁場に戻された養殖カゴは1年間コンブ類を中心とした餌を十分に与えます。

分散:2回目の春(2年目)に2回目のカゴ換えと分散を行います。(カゴ目合い25ミリメートル)

水揚げ1:丸2年の秋に出荷に向けた養殖カゴの引き上げを行います。

水揚げ2:養殖カゴは陸上へ引き上げて出荷に向けた選別作業を行います。

選別1:45ミリメートル以上(出荷基準)を選別して出荷します。

選別2:基準に満たないものは養殖カゴへ戻して再び施設へ垂下します。

身入り:身が詰まり、色も均一な養殖のウニです。

出荷

出荷:養殖ウニは殻付きで出荷しています。

協力:釧路総合振興局管内/散布漁業協同組合 散布うに養殖部会
取材:釧路地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日