水産研究本部

キアンコウ:あんこう刺し網漁業

キアンコウ

漁業の情報

漁業許可等の区分第二種共同漁業権漁業
主な操業地域日本海沿海支庁
取材地後志総合振興局管内島牧村
漁場水深40~100メートルの砂泥地
漁具あんこう刺し網
素(糸)の太さ6号、目合い8寸(24.2センチメートル)~1尺(30.3センチメートル)、縮結(いせ)4.7~5割、立ち18尺(5.45メートル)、浮子は弱めで網が潮で寝るようにする。
漁期11月~翌年1月
漁船規模4.9~9.9トン(20トン未満船)、ネットホ-ラ-装備
出荷形態鮮魚

対象魚の情報

標準和名キアンコウ
英名fishing-frog 、 yellow goosefish
科目アンコウ目アンコウ科
学名Lophius litulon (Jordan)
俗名、地方名アンコウ、アンコ、ホンアンコウ
混獲魚メガネカスベ、ドブカスベ等
道内主産地北海道では日本海側(石狩、後志、檜山、留萌)に多い

漁業のすがた

 当地域のあんこう刺し網漁業は、11月~翌年1月の冬期間に行なわれ、盛漁期は11~12月中旬です。鍋の王様は「アンコウ鍋」といわれる程、冬場のアンコウ(キアンコウ)は美味で、特にきも(肝臓)は「あんきも」として知られ、その深みとこくがある味わいは、フォアグラをしのぐ極上の一品とも言われています。その為、冬期間のアンコウはとても価格が良く、専門に行う漁業者も多いようです。
 操業は、一人または二人乗りで行い、夜中の2時頃出港し朝のセリに出荷する地域と、朝6時頃出航し昼のセリに出荷する地域があります。
 この時期、アンコウは沖から陸に移動してくるため、漁期始めは70~100メートルの水深帯、12月中旬には40~70メートルの浅い水深帯で漁獲されますが、それ以降は再び沖に移動するようです。 通常、投網から2~3日後に揚網し、すぐ予備の網を投網してから帰港しますが、この期間は時化が多く10日~2週間揚網できないこともあるため、年により出漁日数は大きく異なり、漁獲量は大きく変動します。また、毎年12月中旬には天敵であるトドが来遊し食害や漁具被害が多くなるため、それまでにどれくらい獲れるかが好不漁のカギとなります。
 

増殖と管理

 増殖等については、特に実施していませんが、管理については各漁協で時期・網の目合・反数や建数の制限を実施し、乱獲の防止や小さいアンコウの保護に努めています。

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操業

網さやめ1:網に付いたゴミを取ったり、破れたところを補修し、次の漁に向けて準備をしている様子。

網さやめ2:「かあさん」と仲良く共同作業です。

網さやめ3:沖で素早く投網出来るよう、網さやめは陸の重要な仕事です。

操業

漁場へ向かう1:いざ漁場へ向けて厳しい眼差しです。

漁場へ向かう2:一人の操業では、漁場近くになるとブリッジの外に出てリモコンで操船します。

漁場到着:網を揚げるため、操船しながら目印のボンデン(浮標)に向かいます。

揚網1:網はネットホーラー(揚網機)を使って揚げます。大漁の願いを込めて、網を握る手には自然と力が入ります。

揚網2:ねらい通り、アンコウ(キアンコウ)がかかりました。

揚網3:網にかかったアンコウを素早くはずします、傷付けないよう慎重且つ大胆に!

漁獲物1:アンコウを手に「にっこり!」

漁獲物2:どうです、この存在感。

投網1:揚網が終わると、網を仕掛けます。 海中で網が絡まないように、潮の流れを読み、操船しながら慎重に網を入れます。

投網2:船尾から次々海に流れ出る網の様子。

投網終了:網の両端には、自分の網だとわかるように目印のボンデン(浮標)を付けます。

出荷状況

出荷1:市場に並んだアンコウたち。

出荷2:この顔、美味しい証です。

協力:後志総合振興局管内/島牧漁業協同組合 刺し網部会
取材:後志南部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日