水産研究本部

ケガニ:かにかご漁業(ケガニ)

ケガニ

漁業の情報

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域宗谷、オホーツク、根室、釧路、十勝、日高、胆振、渡島 振興局管内
取材地宗谷総合振興局管内枝幸町
漁場水深60~130メートル以浅の砂または砂泥地(水温15度以下)
漁具けがにかご:網目合いは3寸8分(11.5センチメートル)
かご数=1,500かご以内/隻
放し(建て)数=6放し/隻 1放し=250かご
漁期3月15日~8月21日
漁船規模20トン未満船
出荷形態生鮮出荷

対象魚の情報

ケガニ

標準和名ケガニ
英名hair crab 、horsehair crab
科目十脚目クリガニ科
学名Erimacrus isenbeckii (Brandt)
俗名、地方名毛ガニ
混獲魚ツブ類、ヤナギダコ
道内主産地北海道周辺のオホーツク海と太平洋

漁業のすがた

 3月15日以降のオホーツク海の流氷がなくなる海明けを待って漁業が始まります。夜中の1時頃出港し、水深60~130メートルの漁場6ヵ所に設置したけがにかご合計1,500個を揚げ、再び設置して朝7時頃帰港します。
 一本ののしには10メートル間隔で250個のかごが付いており、長さは約3キロメートル、一度かごを設置した漁場は漁獲が少なくなるまで移動せず、船長を含め6名の乗組員で手際よくかご揚げ、餌替え、かごの再投入を行っています。ケガニは、スルメイカを餌にすると入籠率が良いのですが、高価であるためキュウリウオも併用しています。漁獲されたケガニは船上で甲長8~9センチメートル(小)、9センチメートル以上(大中)の雄の甲羅の堅い堅ガニだけを選別し、それ以外は全て放流します。
 漁期は3月中旬から8月下旬で、漁場は漁期当初の浅い水深帯から次第に深い水深帯へと移動していきます。
 

増殖と管理

 オホーツク海では漁終盤に毛がに密度調査を実施して水産試験場が漁獲許容範囲を算出し、北海道が「オホーツク海毛がに漁業協議会」に提案します。協議会ではその範囲内で漁獲許容量を選択し、それを受けて北海道が正式に決定します。その後、各漁協に配分が決まり、それを基に漁協では1隻毎のノルマを設定して漁業を行います。
 枝幸漁協では堅ガニだけを漁獲対象としていますが、漁獲ノルマに達しない場合は、20日間の休漁後(オホーツク海毛がに漁業協議会取り決め事項)に若ガニも対象に漁獲も行います。また、漁獲量が多い場合は価格調整のため水揚げ制限を実施しています。
 北海道海面漁業調整規則により、雌ガニ及び甲長8センチメートル未満の雄ガニの採捕が禁止されており、また、稚ガニ保護のためかご網の目合いも3寸8分(11.5センチメートル)以上としています。

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漁具

使用かご:かご網の目合いは3寸8分(11.5センチメートル)です。

漁業・漁獲の流れ

出漁:漁場に向かう船頭の真剣な顔。

かご揚げ1:設置したボンデン(浮標)をつかまえる。

かご揚げ2:操業風景。

かご揚げ3:かごの下網を絞っている紐を解き網を開けてケガニを出します。

選別:甲長8センチメートル以上の雄の堅ガニだけが出荷対象です。

放流:漁獲対象外のケガニ(雌ガニ、甲長8センチメートル未満のカニ、軟甲ガニ)は放流します。

餌入れ:スルメイカ・キュウリウオ等を餌とします。手際よく詰めないとかごの再投入に間に合いません。

再投入:かごを再投入します。

出荷状況

出荷:市場に水揚げされたケガニ。

市場での検品:市場では再度若ガニや小型ガニが入っていないか検品します。

協力:宗谷総合振興局管内/枝幸漁業協同組合 枝幸毛がに籠部会
取材:稚内地区水産技術普及指導所 枝幸支所

最終更新日:2013年03月01日