水産研究本部

ジンドウイカ:いかなご・いか(じんどういか)・さば・ほっけ小型定置網漁業

ジンドウイカ

漁業の情報

漁業許可等の区分第二種共同漁業権漁業
主な操業地域石狩湾海域各地先
取材地石狩振興局管内石狩市厚田区
漁場距岸:1,000メートル以内
水深:15メートル前後に設置
底質:砂
漁具小型定置網
長さ:150メートル以内、幅:32メートル以内、網立:22.5メートル以内
垣網の長さ:1,000メートル以内
漁期4月1日から8月31日
(内規)建網部分が網目2.5寸(7.6センチメートル)以上の場合は4月1日から操業開始
建網部分が網目2.5寸(7.6センチメートル)以下の場合は4月21日から操業開始
漁船規模船外機船数トン~動力船15トン未満
出荷形態鮮魚、直販(朝市)

対象魚の情報

標準和名ジンドウイカ
英名Japanese squid
科目ツツイカ目ジンドウイカ科(ヤリイカ科)
学名Loliolus japonica (Hoyle)
近年学名が変更となり科名にジンドウイカ科(2002土屋)またはヤリイカ科(2000奥谷)とする学者と併記(上記)(1994波部ら)する学者がいます。
俗名、地方名ヒイカ、マメイカ
混獲魚カレイ類、ヒラメ
道内主産地留萌、石狩、後志、檜山 振興局管内

漁業のすがた

 外套長10センチメートル前後の小型のイカで、日本全国に分布しているようです。北海道沿岸での主な産地は、石狩や留萌管内が知られています。
 当海域における主な漁期は、5月から6月でこの前後にはほとんど見られていません。また厚田海域では、漁獲されるジンドウイカには腹の中に卵が詰まっていて産卵に来ています。産卵実態調査から、砂浜の海底に房になった卵を生み着けているのが確認されています。
 小型定置網漁業により乗網したイカを漁獲しています。厚田海域での漁獲量は10~20数トンとバラツキが大きく地方消費が中心となっており、大漁に漁獲された時のみ札幌市場へ出荷されています。
 

増殖と管理

 増殖に関しては特に何も行われてはいませんが、小型定置網の操業期間、網の大きさ、目合い等は行使規則や内規により制限されています。

写真で見る

漁具

定置網の全景:陸から見た小定置網の全景です。沖と陸方向に見える手網と水平方向に二重線のように見えるイカや魚が乗る(入る)身網が確認できます。

漁業・漁獲の流れ

出漁準備:浅瀬の漁場へ向かうため、船外機に乗組員が一斉に乗船し出港します。

網起こし1:身網を船に引き寄せるため網綱をたぐります。

網起こし2:もう一息で身網に届きます。

網起こし3:たぐり寄せた身網を全員で引き寄せます。

網起こし4:網尻をたぐり寄せます。

網起こし5:もう一息で網尻が見えてきます。

網起こし6:全員で一気に網尻を引き揚げます。

選別1:網からあけた漁獲物を種類毎に選別します。

選別2:みんなで手分けして漁獲物を種類毎に選別します。

選別3:ジンドウイカがたくさん乗って上機嫌?かな。

選別4:乗組員総出の作業で歩く隙間もありません。

漁獲物:本日1つ目の定置網の漁獲物です。まだまだ起こさなければなりません。

選別5:漁獲対象にならないフグを集めて最後にレッコ(海に戻します)します。

帰港:本日は大漁の中、波しぶきを受けながら意気揚々と帰港します。

洗浄:漁獲したジンドウイカの雑物を取り除き、スミなどを海水で洗い流します。

出荷状況

出荷1:洗浄したイカを袋詰めにします。目切れがないように十分気をつけます。

出荷2:乗組員全員で袋詰めと出荷準備を行います。

小売り荷姿1:袋詰めにされたイカは発泡スチロール箱に入れて保管します。

小売り荷姿2:箱に収められた袋詰めは、氷をかけて冷蔵庫に保管します。

小売り:袋詰めされたイカは厚田の朝市で直販されます。売り子の母さんも照れ笑いです。

市場出荷1:大漁の時は市場に出荷します。1匹ずつ丁寧に並べられ箱詰めして出荷されます。

市場出荷2:箱詰めされたイカをフォークリフト用パレットに並べて出荷します。

協力:石狩振興局管内/石狩湾漁業協同組合 厚田小型動力船部会
取材:石狩地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日