水産研究本部

スケトウダラ:すけとうだらはえ縄漁業

スケトウダラ

漁業の情報

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域道西日本海檜山海域、後志南部海域
取材地檜山振興局管内八雲町(旧熊石町)、乙部町、江差町、上ノ国町
漁場水深200メートル~400メートルの大陸棚が急に深く落ち込む場所
漁具はえ縄、1隻当たり180鉢に制限
漁期11月~2月上旬
漁船規模19トンの大型船と10トン未満の小型船に区分
出荷形態生鮮(海洋深層水で洗浄後、発泡スチロール箱下氷)

対象魚の情報

標準和名スケトウダラ
英名walleye pollock、 Alaska pollack
科目タラ目タラ科
学名Theragra chalcogramma (Pallas)
俗名、地方名スケソ、スケトウ、ピンスケ(小型魚)
混獲魚特になし
道内主産地北海道日本海周辺、オホーツク海、噴火湾周辺、えりも以東・以西太平洋
備考雌雄は胸鰭の長さで判別します。長いのがオス(上方写真の上)、短いのがメス(同下)。

漁業のすがた

 はえ縄漁業は刺し網や底曳網と違い、魚体を痛めないので鮮度の良い魚の水揚げができるのが特徴です。
 漁場は水深200メートル~400メートルの大陸棚が急に深く落ち込む場所で、魚群探知機の反応を見てはえ縄を投入します。漁期は11月から翌年2月上旬まで操業します。
餌は冷凍イカと冷凍サンマで、胴の部分を1センチメートル幅に輪切りにして針にかけます。餌を付けた針は、作業効率と安全性を考慮してトタン製のサヤにセットして投入します。はえ縄を投入後、約1時間おいてからラインホーラーを使用して揚げます。
 水揚げされたスケトウダラは船上で、オス、メスに仕分けし、さらにメスは大サイズ、中サイズに選別します。計量後、海洋深層水で洗浄し、下氷をした発泡スチロール箱にスケトウダラの頭部を外側に向けて詰め、出荷します。
 通常の操業は、5時半頃に出港し、6時頃漁場に到着します。帰港は小型船が11時から12時、大型船は14時から15時(場合によって16時)となっています。
 

増殖と管理

 「檜山延縄漁業協議会」は、漁具数や漁期を制限、また、卵が水子になった段階で漁を切り上げる等の資源管理を徹底し、漁獲量の安定に努めています。
 スケトウダラはTAC(漁獲可能量)対象魚種として設定され、漁獲できる総量を定め、資源量の維持、回復を図る資源管理を行っています。
 (道総研)水産試験場では毎年、漁期前と漁期後に計量魚群探知機を用いてスケトウダラの来遊資源量予測調査を実施しています。役場、振興局水産課、指導所は、水産試験場が実施する漁期中の漁獲物調査に協力し、資源管理のための資料の蓄積を図っています。

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漁具

模式図:漁具設置状況模式図

はえ縄1:はえ縄をザルにさやめた状態です。ザル1枚分の縄には針が100本付いています。(江差支所)

はえ縄2:船上で投入を待つはえ縄。

操業

はえ縄投入1:長い仕掛けを絡まないように投入していきます。(江差支所)

はえ縄投入2:トタン製のサヤを使用することによって針及び縄の投入作業もスムーズです。

揚縄1:はえ縄の投入後、約1時間後にラインホーラーを使用して縄揚げを行います。

揚縄2:巻き揚げながらスケトウダラが揚がるのを待ちます。

揚縄3:仕掛けは一旦カゴへ回収します。

揚縄4:次々とスケトウダラが揚がってきます。船縁に見えるのは餌に使ったイカの輪切りです。

出荷

陸揚げ:魚箱をフォークリフトのパレットに並べます。(熊石支所)

計量:陸揚げされた魚箱は、銘柄別に計量します。

箱詰め1:計量後は、漁業者及び家族が海洋深層水による洗浄を行い、発泡スチロール箱に詰めます。(乙部支所)

箱詰め2

出荷:きれいに並べられ、箱詰めされたスケトウダラです。(乙部支所)

調査

調査1:丸で囲んだ部分が、(道総研)函館水産試験場金星丸の計量魚群探知機による乙部沖スケトウダラの反応です。

調査2:資源を管理するために、魚体測定、年齢を調べるための耳石採取、生殖巣の熟度等の漁獲物調査を行っています。

協力:檜山振興局管内/ひやま漁業協同組合 檜山スケトウダラ延縄漁業協議会
(道総研)函館水産試験場
江差町
取材:檜山南部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日