漁業の情報
漁業許可等の区分 | 第二種共同漁業権漁業 |
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主な操業地域 | 石狩、留萌、後志、宗谷 振興局管内海域 |
取材地 | 石狩振興局管内石狩市厚田区 |
漁場 | 水深3~15メートル程の岩礁地帯とその周辺 |
漁具 | 刺し網 網地目合い2.0寸(6.1センチメートル)以上に規制 |
漁期 | 1~3月 |
漁船規模 | 船外機船数トン~動力船15トン未満 |
出荷形態 | 鮮魚、自家加工品(飯寿司、糠漬け) |
対象魚の情報
標準和名 | ニシン |
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英名 | Herring、Pacific herring |
科目 | ニシン目ニシン科 |
学名 | Clupea pallasii Valenciennes |
俗名、地方名 | カド、カドイワシ、ハナグロ、ハナシロ、アブラニシン |
混獲魚 | カジカ類、ソイ類 |
道内主産地 | 日本海沿岸、オホーツク海沿岸、根室海峡、太平洋沿岸 |
漁業のすがた
しかし近年、北海道のニシン資源増大プロジェクトの研究成果などから、1999年に留萌市礼受でみられた45年ぶりの群来(くき)や2004年に石狩湾の漁獲量が750トンを超えるなど石狩湾系ニシンの資源に回復傾向がみられています。
ニシンの漁獲には、数の子をとるため沿岸で行われる刺し網漁業と小型定置網漁業のほか、沖合で漁獲される沖合底曳き網漁業があります。沿岸で行われる刺し網は日本海沿岸では1月10日頃から3月31日までの間、操業されています。
増殖と管理
特に厚岸や風蓮湖では早くから人工種苗の生産に取り組み、水産総合研究センター厚岸栽培漁業センターや別海町で種苗センターを持ち人工種苗の生産や稚魚の中間育成と放流を行っています。
また北海道周辺のニシン資源の激減を受け、北海道では1996年(平成8年)に「日本海沿岸性ニシン資源増大対策プロジェクト」を立ち上げ、現地の協議会と協力して資源の回復を目指し、試験研究や北海道栽培漁業振興公社羽幌事業所で人工種苗生産された稚魚の中間育成と放流(2005年現在192万尾を現地協議会に配布)を行っています。
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漁具
刺し網の投網前の姿:刺し網を籠に収めて漁場まで持って行きます。
刺し網の設置された概念図:投網された刺し網はこのような形で海中に設置されます。
操業
投網開始:投網のはじめにボンデン(浮標)を入れ網端の目印とします。
投網1:網を1反入れた後2反目をつないで投網していきます。
投網2:網の下端に「なつ石(沈子)」を付けて着底させます。
投網3:網の張り具合を確かめながら投網しています。
揚網1:水揚げのため、前日に投網した網端のボンデン(浮標)から回収します。
揚網2:網をドラムに掛け巻いていきます。大漁(ケラ掛かり)の時はこの時にわかります。さかなを見るときが一番、胸躍るときです。
揚網3:回収した刺し網を籠に入れ、ほかの網と絡まないようにして持ち帰ります。
陸揚げ・出荷
帰港:大漁に羅網(ケラ掛かりと言う)されたニシンを港に持ち帰り陸に揚げるところです。この船主が本日一番の大漁でした。
陸揚げ1:羅網したニシンを刺し網から外すため、陸にあげます。
陸揚げ2:羅網したニシンを刺し網から外すため 、出面(でめん:陸仕事担当のおばさんたち)さんの待っている作業場(番屋)へ移動します。
網はずし1:出面さんたちが羅網したニシンを上手に外していきます。
網はずし2:網にかかった山のようなニシンが手早く外され、選別に回されていきます。
箱詰め:雌は下氷された箱に腹を上にして1箱5キログラム詰めで1尾ずつきれいに並べられて出荷されます。雄は下氷は一緒ですが5キログラム入れで詰め込まれて出荷されます。この時1箱40尾以上入っているものは荷受けできません。
出荷:箱詰めされたニシンはきれいに段積みされて消費地市場への発送を待っています。
中間育成・種苗放流
中間育成1:ニシンの稚魚は北海道栽培漁業振興公社羽幌事業所から輸送され、3週間程度中間育成して大きくしてから放流します。
中間育成2:放流には生け簀ごと船で沖まで運んでいき、その場で生け簀網を解放して稚魚を放流します。
中間育成3:放流するときに、できるだけ稚魚の魚体にふれないよう中から追い払い、逃がす様にして放流します。
中間育成4:沖への運搬は1隻の船に生け簀2基を繋留して運んでいきます。波のあるときは歩み板を歩くのにも力が入ります。
中間育成5:人工種苗の放流をしてるところです。居心地がいいのか追い払ってもなかなか出て行ってくれません。
中間育成6:全ての作業が終了し、今年の生け簀の役割を終了し所定の位置に保管されます。また翌年までの間、一休みです。
協力:石狩振興局管内/石狩湾漁業協同組合 厚田小型動力船部会
取材:石狩地区水産技術普及指導所