水産研究本部

ハツメ:ほっけ・めばる刺し網漁業

ハツメ

漁業の情報

漁業許可等の区分第二種共同漁業権漁業
主な操業地域積丹半島沿岸
取材地後志総合振興局管内積丹町
漁場積丹町神威岬8~9マイル(約14~16キロメートル)沖の水深150~200メートルの岩礁地帯
漁具底刺し網(固定式)網はナイロンテグス4号、目合い2.5寸(7.6センチメートル)
漁期3月~10月
漁船規模10~19トン
出荷形態鮮魚、発泡スチロール魚箱下氷7キログラム詰め

対象魚の情報

標準和名ヤナギノマイ
英名yellow body rockfish
科目カサゴ目フサカサゴ科
学名Sebastes steindachneri Hilgendorf
俗名、地方名モイ(積丹)、モヨ、モンキ、ダック、ダッコ、キワダ、キズイ
混獲魚ホッケ、タラ、アイナメ、ソイ類、カジカ類
道内主産地日本海(後志海域で多い)
標準和名ハツメ
英名owston's rockfish
科目カサゴ目フサカサゴ科
学名Sebastes owstoni Jordan et Thompson
俗名、地方名オオバ(積丹)、オーバ、ウオズ、モンシャク
混獲魚ホッケ、タラ、アイナメ、ソイ類、カジカ類
道内主産地日本海(後志海域で多い)

漁業のすがた

 積丹半島沖の底刺し網漁は、春先の4~5月にホッケ、6~7月にヤナギノマイ、ハツメが盛漁期を迎えます。かつては、別に網を仕立てた漁業者もいましたが、今では、ほっけ刺し網漁の流れで、そのまま、ほっけ・めばる刺し網漁業を行っています。
 取材協力していただいた刺し網部会では、魚の鮮度を保つため留め網はせず、日網方式を採用しています。
 深夜から夜明け前に船団で出漁、東の空が白み始めるころに投網を開始し2人で1時間位かけて25~30反の網を3放し(建て)、刺します。
 日の出頃から揚網を始め、揚網機のドラムで網を巻き上げながら魚を外し、外した魚は種類毎に分け、冷却機で冷やした海水タンクへ収容します。
タンク内の海水はマイナス1℃に保たれ、生きたまま冷却海水で締められた魚の鮮度は抜群です。
 午後2時の入札に間に合わせるため正午過ぎ位までには帰港します。帰港後、ただちに陸揚げし、荷捌き所で家族の手で選別、箱詰めを行います。
 ヤナギノマイは道内スーパー等で目にすることができ、煮付け、塩焼き、汁物などで利用されています。また、大型魚の刺身は大変美味で知られています。
 一方、積丹で漁獲されたハツメは北陸、関西方面にメバルの代替品として出荷されることが多く、北海道では馴染みが薄いのですが、出荷先では塩焼き、煮付け、味噌漬け、粕漬けなどで利用されています。
 

増殖と管理

 限られた漁場での操業となるため、日網にすることで資源の枯渇を避けるようにしている。

写真で見る

漁具

網たき:網を整え、船に積み込む作業の様子。

漁業・漁獲の流れ

出漁準備:ねじり鉢巻きがよく似合う船頭さん、出漁準備に余念がありません。

魚群探知機:漁場に到着、魚探モニターには起伏の激しい漁場の地形が映し出されています。

投網1:目印のボンデンを投入、投網開始、作業はまだ暗いうちなので注意が必要です。

投網2:乗り子は網が絡まないよう長い竿を操り、船頭は投網状況に合わせて船を操ります。

揚網1:ボンデン(浮標)を引き上げ、揚網開始、大漁を期待します

揚網2:船頭が揚網機のドラム巻き上げ速度を調整しながら、二人で掛かった魚を外します。

網外し1:水深150メートルから一気に巻き上げられた魚の胃袋と目は飛び出てしまいますが、まだ生きています。

網外し2:網外しは手慣れたものですが、根魚を外すのは大変です。

漁獲物の冷却:外した魚は鮮度保持のため、冷却機で-1度に保たれた海水タンクに収容します。

網さやめ:外しの終わった網は、休む間もなく次の漁に向けて準備します。

出荷状況

陸揚げ:帰港後、家族総出で冷却タンクから魚を取りだし陸揚げです。

選別・箱詰め:箱詰めはかあさんの仕事、鮮度抜群で魚がピンとしているので箱詰めし易いです。

荷姿1:ヤナギノマイ荷姿、鮮度保持のため下氷してあります。

荷姿2:ハツメ荷姿、主に北陸、関西方面に出荷されます。

混獲:同じ網で獲れたマダラ、これより大物が掛かることもあります。

出荷・荷受け:箱詰めが終われば漁協職員の人に荷受けして貰います。

協力:後志総合振興局管内/東しゃこたん漁業協同組合 積丹支所(旧 積丹漁業協同組合 日司支所)刺し網部会
取材:後志北部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日