水産研究本部

ババカレイ:ばばがれいはえ縄漁業

バカガイ

漁業の情報

漁業許可等の区分自由漁業
主な操業地域渡島総合振興局管内函館市
取材地渡島総合振興局管内函館市釜谷町(旧戸井町)
漁場距岸2マイル、水深80メートルの砂底域
漁具はえ縄
漁期12月下旬~3月下旬、5~6月
漁船規模10トン未満
出荷形態鮮魚、ただし混獲魚のアイナメは活魚出荷

対象魚の情報

標準和名ババガレイ
英名slime flounder
科目カレイ目カレイ科
学名Microstomus achne (Jordan and Starks)
俗名、地方名ナメタ、アワフキ、ブタガレイ、バッコ、ヤナギガレイ
混獲魚アイナメ、ホッケ、ソイ類、カジカ類
道内主産地太平洋側(釧路~襟裳岬沿岸)

漁業のすがた

 ババガレイの肉質はしっとりとした絹のような白身で、加熱しても身が収縮せず、煮付けに向く高級魚であり、高値で取引されています。ババガレイは刺し網、はえ縄および沖合底曳き網などで漁獲され、北海道での漁獲量は1960年代には1,000トン以上ありましたが、近年は漁獲量の減少が著しくなっています。
 戸井漁業協同組合における平成15年のババガレイの漁獲量は136トン、金額1億4千万円であり、ほとんどがはえ縄で漁獲されています。ばばがれいはえ縄漁業は、まぐろはえ縄漁業の裏作として重要な位置を占め、主に津軽海峡からマグロの姿が消える冬に操業されます。ババガレイは人気が高く、毎年3月に開催される町内イベント「おさかな感謝デー」では、買い物客の長蛇の列ができ、飛ぶように売れます。
 

増殖の管理

 独立行政法人水産総合研究センター栽培漁業センターで種苗生産技術が開発され、厚岸および宮古事業場で年間約2万尾が生産されました。旧戸井町でも昭和60年から平成4年まで厚岸事業場から種苗の供給を受け、年間数千尾放流していましたが、現在は行われていません。
 戸井漁業協同組合でははえ縄の縄数などを厳しく規制してババガレイの資源管理に取り組んでいます。

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漁具

なわざる:なわざる1鉢(枚)に針が80本ついています。1放し(建て)は、なわざる30鉢分で長さは約1マイルあります。これを2放し使用して漁獲します。

針:針の種類はカレイ針4号で、餌にはホタテガイの外套膜(がいとうまく)を用います。

投入前のなわざる:えさを付け、なわざるを重ねて投入できる状態。

操業方法

出港:夜明け前の海へ出港します。

はえ縄投入準備:漁に備え、漁具の準備をしています。

はえ縄投入:航走しながら船尾からはえ縄を投入します。

縄揚げ:ドラムを使ってはえ縄を巻き上げます。釣れた魚は自動的に針から外れます。また、画面左側の人は海面上で針から外れた魚を網ですくいます。

帰港準備:はえ縄の末端にある浮標を回収しています。また、画面手前では魚を魚箱に移しています。

選別:出荷に備え船上で魚種毎に選別を行います。

漁獲物:本日の漁獲物です。画面奥はババガレイ、中央はホッケ、手前はソイ類やカジカ類などの雑魚です。

出荷

出荷1:漁獲されたババガレイは漁協の荷捌き所で洗浄後、銘柄毎に選別します。

出荷2:選別後、下氷した発泡スチロール容器に箱詰めされて出荷されます。

協力:渡島総合振興局管内/戸井漁業協同組合 本所(旧 戸井町漁業協同組合)
取材:渡島南部地区水産技術普及指導所(現 渡島中部地区水産技術普及指導所)

最終更新日:2013年03月01日