水産研究本部

ヒメエゾボラ:つぶかご漁業(ヒメエゾボラ)

ヒメエゾボラ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種共同漁業権漁業
主な操業地域檜山振興局管内
取材地檜山振興局管内奥尻町
漁場水深40メートル以浅の岩礁域
漁具つぶかご
かごの形態は、底面が円形となった半球形で、かごの頂部が開口。
底枠は直径約50センチメートル程度の円形で、太さが約10ミリメートルの鉄丸棒。
側枠は高さ25センチメートル程度の半円形の鉄丸棒が十字に2本、太さは約7ミリメートル。
網地の目合いは約1寸(3.0センチメートル)。かご内に餌を収容する網地の袋あり。
1建て(放し)の総延長は350メートル程度で、かご数は約30個。かごの間隔は9~10メートル程度。
アンカーは約6~7キログラムを使用。餌は冷凍ホッケ他。
漁期7月1日~8月20日
漁船規模1.5トン未満船外機船
出荷形態活貝、魚箱入れ
規格「大8センチメートル以上」、「中7センチメートル以上」、「小6センチメートル以上」

対象魚の情報

標準和名ヒメエゾボラ
英名sea snail、whelk
科目新復足目エゾバイ科
学名Neptunea arthritica (Bernardi)
俗名、地方名ホツブ、アオツブ、ネムリツブ、マツブ
混獲魚エゾボラ、エゾボラモドキ、アヤボラなどの各種つぶ類
道内主産地日高・十勝・釧路 振興局管内沿岸の漁獲量が多いが、ほぼ全道沿岸で漁獲される。

漁業のすがた

 奥尻島のつぶかご漁業は、餌を入れたかごをあらかじめ漁場に仕掛けておき、翌日、船に引き上げてツブを採取する漁法です。
 かごには、ツブ類の他、キタムラサキウニも多く入っていますが、ツブ以外は船上で選別して放流します。引き揚げたかごには餌を入れ、再び漁場へ投入します。
 帰港後は、3日程度ツブを蓄養して餌等のにおいを取ったあとで市場に出荷します。
 

増殖と管理

 ひやま漁協奥尻支所つぶかご部会では、1隻が使用できるかご数を150かご以内としたり、漁獲する貝の殻高を6センチメートル以上とする等、資源の保護を図るための漁獲制限を行っています。
 また、これまで6月~8月までの3ヶ月間としていた漁期を、近年は7月1日から8月20日までの2ヶ月弱に短縮するなど、更なる漁業者の自主的努力が行われています。

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漁具

つぶかご:底面が円形となった半球形で、かごの頂部が開口し、ここからツブ類が入り込みます。

漁業・漁獲の流れ

かご揚げ1:つぶかごを仕掛けておいた目印のボンデン(浮標)に向かいます。

かご揚げ2:ボンデンを引き上げ、巻き上げ開始、大漁を期待します。

かご揚げ3:船に引き上げられたつぶかご。

かご揚げ4:かごをひっくり返し、漁獲物を魚箱に移します。

餌付け1:次の漁に備え、餌を袋網に入れます。

餌付け2:餌はホッケや雑魚を使います。(写真は冷凍ホッケ)

かごの整理:かごは底網がたわみ、積み重ねやすくなっています。

選別:漁獲物を選別し、ウニや小さいつぶは海中へ戻します。

漁獲物1:採取されたヒメエゾボラ。

漁獲物2:大型でとても美味しそうです。

かご投入:漁獲後、積み重ねておいたつぶかごを順に海中に投入します。

終漁:最後にボンデンを投入し、一日の漁は終わりです。

出荷状況

出荷1:3日程度蓄養後、魚箱に入れて漁協の市場へ出荷します。

出荷2:出荷サイズは「大8センチメートル以上」、「中7センチメートル以上」、「小6センチメートル以上」です。

協力:檜山振興局管内/ひやま漁業協同組合 奥尻支所 つぶかご部会
取材:奥尻地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日