漁業の情報
漁業許可等の区分 | 海区承認漁業 ただし、太平洋海域は自由漁業 |
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主な操業地域 | 渡島、檜山、留萌、宗谷 振興局管内 |
取材地 | 渡島総合振興局管内松前町、福島町 |
漁場 | 距岸4マイル、水深100~150メートル地点 |
漁具 | はえ縄 幹縄(ナイロン120号)45メートル、 枝糸(ナイロン150号)10メートルに(ナイロン150号透明)5メートルを繋ぐ、 よりもどし(ステンレス)、双葉サルカン、釣り針(鉄製すずかけ)3寸2分(約9.7センチメートル)、 浮子綱(ナイロン200号)15メートル、浮子(ガラス又はナイロン樹脂)6寸(18.2センチメートル)、 浮標(竹竿)2メートル、浮標用浮子(ガラス)6寸、重り300匁(約1,125グラム) 浮標綱(ナイロン120号)4.5メートル |
漁期 | 7~12月 |
漁船規模 | 4.9~19.9トン |
出荷形態 | 鮮魚(氷詰め) |
対象魚の情報
標準和名 | クロマグロ |
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英名 | bluefin tuna |
科目 | スズキ目サバ科 |
学名 | Thunnus thynnus (Linnaeus) |
俗名、地方名 | マグロ、ホンマグロ、メジ、ゴンタ、ヨコワ、シビ |
混獲魚 | なし |
道内主産地 | 西部日本海、南部太平洋 |
漁業のすがた
未明から縄に取り付けた釣り針をスルメイカのひれ(通称ミミ)に掛けて投げ入れていきます。投縄を開始する漁場は水深約100~150メートルの地点です。全ての縄を入れ終わってから1時間半~2時間後(餌にまぐろが掛かるまで時間を置きます。縄待ちと言います)に、最初の地点よりラインホーラ(揚縄機)を使って縄を揚げていきます。
この地区での盛漁期は主に8~11月中旬です。大型のマグロが掛かった時は、枝糸を幹縄から外して捨て綱に結び、カギを口に入れて引き揚げます。(松前さくら漁業協同組合)
増殖と管理
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漁具
はえ縄:まぐろはえ縄漁で使う漁具です。はえ縄は幹綱と枝糸で作られ、幹綱に針を等間隔で取り付けた枝糸を取り付けてあります。
針:針の太さ約4ミリメートルもあります。大物が掛かった時は針が伸びてしまうこともあります。針と糸の結び方は漁業者によって違います。
操業
餌:夕方から深夜にかけて釣った生きたスルメイカを餌にします。漁場(距岸4マイル位)に着いたらスルメイカのひれ(通称ミミ)に針を掛けます。
投縄:針の付いた縄を45メートル間隔で投げ入れていきます。縄は陸側から沖側に向かって設置します。
ボンデン(浮標):縄を入れ終わると目印の浮標を投入します。設置した縄の総延長距離は8~10キロメートル位になります。
揚縄1:縄待ちを1時間半から2時間程した後、最初の地点からラインホーラー(揚縄機)で縄を揚げていきます。
揚縄2:マグロが掛かっていました。素早く船上に取り込みます。
揚縄3:船上に揚げられたクロマグロです。
活締め
活締め1:まず、漁獲直後に頭に穴を開けます。
活締め2:次に、ワイヤーを通して脊髄を破壊し、マグロを「締め」 ます。
活締め3:鰓を切り内臓も取り出します。
活締め4:体内に氷を詰めて、更に全体を氷で覆います。
出荷
陸揚げ1:帰港して陸揚げします。
陸揚げ2:大型のものは傷を付けないようにフォークリフトで静かに市場まで運びます。
尾部切断:丁寧に洗浄して尾部を切断します。肉質を尾の切れ目で判断する為です。
計量:重量を測定しています。
保管:出荷まで氷水で冷やします。出荷時には腹腔部に大量の氷を詰めます。
出荷1:小型のものは尾部を切断しない姿で出荷します。
出荷2:大型のものは切断した尾部を入れて出荷します。特大サイズの場合は大きさに合った木製の箱に入れて出荷することもあります。
出荷3:281キログラムを記録した特大のマグロは港で注目を浴びていました。
福島吉岡漁業協同組合 マグロ延縄部会
取材:渡島西部地区水産技術普及指導所