漁業の情報
漁業許可等の区分 | 自由漁業 |
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主な操業地域 | 渡島総合振興局管内函館市(旧恵山町および旧南茅部町)、桧山振興局管内奥尻町 |
取材地 | 渡島総合振興局管内函館市日浦町(旧恵山町) |
漁場 | 距岸7~12キロメートル、春は水深60~230メートル、秋は水深130~230メートルの海底に岩礁が突出している付近で、多少潮流のある場所が好漁場 |
漁具 | しゃくり棒 |
漁期 | 周年(盛漁期11月~翌2月) |
漁船規模 | 3~5トンの船内機船(1~2人乗り操業) |
出荷形態 | 鮮魚 |
対象魚の情報
標準和名 | マダラ |
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英名 | Pacific cod |
科目 | タラ目タラ科 |
学名 | Gadus macrocephalus Tilesius |
俗名、地方名 | タラ、ポンタラ(小型魚) |
混獲魚 | スケトウダラ、ホッケ、ミズダコ(ごく稀) |
道内主産地 | 全道周辺 |
漁業のすがた
津軽海峡東部でのまだら漁業は、函館市旧恵山町沖合を主漁場にして、はえ縄と一本釣りの二つの漁法で行われており、冬から春にかけて盛漁期となっています。
旧恵山町では、年間900~1,400トン(4~6億円)を水揚げし、数量ではホッケ、スルメイカに次いで、金額ではコンブに次いで重要な魚種として位置付けされています。一本釣りでは、多い時には一日に一隻400~500キログラムを水揚げすることもあります。
旧恵山町では、年間900~1,400トン(4~6億円)を水揚げし、数量ではホッケ、スルメイカに次いで、金額ではコンブに次いで重要な魚種として位置付けされています。一本釣りでは、多い時には一日に一隻400~500キログラムを水揚げすることもあります。
増殖と管理
漁協青年部を中心にして、平成2年から取り組んだ孵化放流事業を皮切りにして、平成5~14年までは、海中生け簀での中間育成や標識放流を行う等、マダラ増殖事業に積極的に取り組んでいます。
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漁具
漁場に着くと、漁具を海底から2~6メートルぐらい上げて上下させる(しゃくる)ことから、この漁具を「しゃくり棒」と呼んでいます。
昔はイタドリの茎に鉛を流して作成していましたが、最近では銅、ステンレス、パール製のパイプに鉛を流して作ったものが市販されていますので、針の部分だけ個々につけて仕立てています。
昔はイタドリの茎に鉛を流して作成していましたが、最近では銅、ステンレス、パール製のパイプに鉛を流して作ったものが市販されていますので、針の部分だけ個々につけて仕立てています。
模式図
しゃくり棒1:通称「パール」のしゃくり棒です(胴部長40~50センチメートル、径1.5センチメートル、重量1.0~1.3キログラム)。
しゃくり棒2:銅製のしゃくり棒は酸性洗剤をかけ、金属たわしでよく磨いてから使用します。
タイコ:手釣り用の巻き揚げ機です。
自動釣り機:船首、船尾にこの自動釣り機を装備し、漁獲効率の向上を図っている船もあります。仕掛けの棚降ろしから巻き上げまで全自動で行います。
操業
操業船:まだら一本釣り漁業は1~2人乗りで操業しています。また、潮の速い時や風の強い日は、船尾の小型のスパンカー(とも帆)を使用して船首を風上に保ちます。
出港:海峡に昇る朝日を目指して漁場へ向かいます。
釣り上げ1:熟練の腕が大物を釣りあげます。
釣り上げ2:本日の一本目。ちょっと小ぶりだ!
出荷
計量:日浦では漁獲物は、いったん漁家に持ち帰り、個々で計量し選別します。最近は、皆デジタル秤を使っています。
荷姿:選別されたタラは発泡スチロール箱に下氷をして収容されます。
出荷:発泡スチロール箱に収容されたマダラは漁協の集荷所に持ち込まれ出荷されます。一本釣りなので、小小小サイズはみられず、大大サイズでは15キログラムを超える大物もみられます。
資源管理
中間育成:青年部による海中中間育成(於:函館市(旧恵山町)山背泊漁港内)。
稚魚放流:中間育成後、水温が上がる夏前に放流します。
標識放流1:道総研 栽培水産試験場(旧道立栽培漁業総合センター)で越夏飼育し、大きくしたものに標識を装着して放流しています
標識放流2:標識放流後、456日ぶりに再会できました。
協力:渡島総合振興局管内/えさん漁業協同組合 日浦支所
取材:渡島南部地区水産技術普及指導所(現 渡島中部地区水産技術普及指導所)
取材:渡島南部地区水産技術普及指導所(現 渡島中部地区水産技術普及指導所)