水産研究本部

メガネカスベ:かすべ刺し網漁業

メガネカスベ

漁業の情報

漁業許可等の区分海区承認漁業及び第二種共同漁業権漁業
主な操業地域宗谷、留萌 振興局沿岸
取材地宗谷総合振興局管内利尻富士町
漁場利尻富士町鬼脇沖 距岸1.5~3.0キロメートル、水深70~80メートル 底質:砂泥
漁具底刺し網
網地:ナイロン網(ナイロン10~12号) 目合:1尺2寸(36.4センチメートル)
浮子:合成樹脂の棒浮子 沈子綱:鉛線入りロープ
瀬縄:PPトワイン(20~30グラム) 長さ90ヒロ(約135メートル)
アンカー:12キログラム
漁期10~6月
漁船規模4.9トンが主体
出荷形態主に剥きカスベとして出荷される。

対象魚の情報

標準和名メガネカスベ
英名mottled skate
科目エイ目カンギエイ科
学名Raja pulchra Liu
俗名、地方名マカスベ、カスベ、カスペ
混獲魚アンコウ、マダラ
道内主産地宗谷、留萌、渡島(噴火湾)、胆振 振興局管内

漁業のすがた

かすべ刺し網漁業は、水深70~80メートルの砂泥質の場所で行われ、1放し16~20反(800~1,000メートル)を使用し1週間程度留め置きしてメガネカスベの掛かるのを待ちます。
操業は早朝5時頃出漁し、前もって敷設しておいた刺し網をドラムで巻き揚げ、漁獲物を速やかに網から外して籠等に収容します。揚網が終了すると、事前に用意した代わりの刺し網を船尾から敷設して帰港します。通常、5トン未満船を使用し乗組員は1名で、1日の操業時間はおよそ4~6時間程度です。
 

増殖と管理

海区承認漁業で漁期(4月25日から3月31日まで)と操業禁止海域が定められている。

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漁具

刺し網1:刺し網一式です。

刺し網2:目合いは1尺2寸とかなり大きめです。

刺し網3:刺し網の上方となる沈子(ちんしかた)方です。

刺し網4:下方側の浮子方(あばかた)です。

操業

出港:朝5時。替わり網を積んで漁場へと出航します。

投網1:漁場に着き、投網開始。雪の利尻富士がきれいです。

投網2:網が全て入り、アンカー投入。

揚網機:この大きなドラムを使って網を揚げます。

揚網1:約1週間留め置きした網を巻き揚げます。

揚網2:ゆっくりと巻いていきます。

揚網:カスベと他の混獲魚が揚がってきました。

漁獲物:漁獲されたメガネカスベ。

混獲物1:大きなアンコウも揚がりました。

混獲魚2:ミズダコも揚がってきました。

帰港:甲板を片付けながら帰港です。

陸揚げ

陸揚げ1:トラックに網・カスベ等を積み込みます。

陸揚げ2:積み込んだ後は作業場へ向かい選別作業に移ります。

運搬:作業所へ網を搬入します。

刺し網:明日の操業に備えて、この後、網をたきます。

加工・出荷
漁獲したメガネカスベは付加価値を高めるため食用部分の羽(鰭)を切り取り皮を剥ぎます。カスベを板に張り付け、マキリ、やっとこ(大型ペンチ)を使います

剥き作業1:マキリ(漁業用ナイフ)でX字状に皮に切り込みを入れます。

剥き作業2:やっとこで皮を挟んで上部から引き剥がします。

剥き作業3:腹側もマキリで切り込みを入れます。

剥き作業4:同様にやっとこで羽の上部から皮を剥ぎます。

剥き作業5:左側も同様に剥ぎます。

剥き作業6:最後は一気に剥ぎ取ります。

剥き作業7:羽、ほっぺ(頭部の両側の肉)、しっぽ、内蔵と切り分けます。

製品:一尾ずつ、きれいに皮を剥ぎ出荷です。

協力:宗谷総合振興局管内/鬼脇漁業協同組合(現 利尻漁業協同組合 鬼脇支所)
取材:利尻地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日