水産研究本部

ヤリイカ:やりいか棒受け網漁業(火光を利用する敷き網)

ヤリイカ

漁業の情報

漁船規模

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域渡島、檜山、後志、留萌、宗谷 振興局管内
取材地渡島総合振興局管内松前町
漁場水深10~30メートル、岩礁地帯
漁具網(四つ手網):約20メートル四方、目合8節(43ミリメートル)、材質=アミラン3~5号
重り:材質=鉄・鉛、重さ15~30キログラム(網の大きさと潮の速さで調整)
けた:材質=竹・檜・プラスティック、長さ7~9メートル、巻き揚げ用ロープ:9~10ミリメートル
漁期3~5月
2~5トン
出荷形態鮮魚、活魚

対象魚の情報

標準和名ヤリイカ
英名spear loliginid squid
科目ツツイカ目ヤリイカ科
学名Loligo(Heterololigo) bleekeri Keferstein
俗名、地方名ミズイカ、ゴウイカ
混獲魚アイナメ、ボラ、ホッケ、カレイ類、タコ、マス
道内主産地日本海沿岸、津軽海峡周辺

漁業のすがた

スルメイカで用いられている擬餌針を使用した釣りでも獲れますが、大部分が底建網等の定置網や火光(集魚灯)を利用した敷き網(通称電光敷き網)で漁獲されています。
電光敷き網はヤリイカが光に集まる習性を利用した漁法です。アンカーで船を固定し、約20メートルの四つ手網を船の下に沈めて、魚探や目視でヤリイカの来遊を待ちます。ヤリイカが網の上を通過する時に網の四隅を一気に油圧、電動ドラムで巻き揚げて一網打尽にすくい採ります。
 

増殖と管理

ヤリイカの来遊シーズンになると、定置網等に産卵が良く見られ、時化後の浜に打ち寄せられていたことから資源の保護対策が指摘されていました。そのため、安定的に産卵させふ化条件の向上を図る増殖対策の一環として産卵礁の設置が進められています。

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漁具模型

模型1:網の状態を模型で示しました。重りが下がっています。

模型2:船の横から見たものです。船の下に網が敷かれています。

模型3:船首側から見た状態です。

操業

出港:夕方6時頃に出港していきます。

投網1:漁場には出港後20分位で到着します。船尾側のアンカーで船を固定します。

投網2:船首側もアンカーで固定します。

投網3:けたと呼ばれる棒を船尾側から張り出します。

投網4:同じように船首側からも張り出します

投網5:船首側の左右と船尾側の左右に4本張り出します。

投網6:船倉に海水を入れます。

投網7:四つ手網と呼ばれる敷き網を入れていきます。

投網8:最後に重りをけたの先端から下げて網の敷設を終了します。

集魚灯点灯:集魚灯をつけます。辺りは暗くなってきました。

ソナーの画面:船の下にヤリイカが回遊してくるのを、スキャニングソナーを見ながら待ちます。

魚群探知機画面:反応が有りました。船の下にヤリイカの群れが来たようです。

揚網1:網の四隅を一気に電動ドラムで巻き揚げていきます。

揚網2:網が徐々に揚がってきました。

揚網3:ヤリイカは網に入っているのでしょうか。

揚網4:ヤリイカが見えてきました。

揚網5:網が巻き揚がりました。ここからは手で網を手繰り寄せていきます。

揚網6:網の中をヤリイカが逃げ回っています。

揚網7:網を絞り込んでいきます。

揚網8:ヤリイカを取り込みます。

揚網9:直接手で触らないようにヤリイカを集めていきます。

漁獲物:新鮮なヤリイカが漁獲できましました。

収容1:急いで水槽に収容します。

収容2:水槽に収容された元気なヤリイカです。この一連の作業を朝方まで続けます。

出荷

陸揚げ1:今回は水槽に収容しきれないほど大漁でした。帰港して陸揚げの準備です。

陸揚げ2:水槽から魚箱に収容します。

出荷1:船から荷捌き所まではリフトで運びます。

出荷2:漁獲されたヤリイカは決められたサイズに仕分けします。

出荷3:下に氷を敷いた発泡に大きさ別に収容します。

出荷4:素早く仕分けを行っていきます。

出荷5:仕分けが全て終了しました。

出荷6:蓋を閉めて名前を記入して出荷されます。

協力:渡島総合振興局管内/松前さくら漁業協同組合 松前ヤリイカ電光網部会
取材:渡島西部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日