Q&A? ウニ一夜漬けの作り方について教えてください

ウニの塩辛は、これまで長期間の貯蔵を目的としており、塩分量は10~18パーセントの製品が多く見られましたが、最近では、塩分が少なくて水分の多い食品が好まれる傾向にあります。
これらの消費動向に対応してウニの一夜漬けが各地で生産されています。市販されているウニの一夜漬けの化学成分を調べてみると、右図のように、水分は43~63パーセントであり57パーセント前後が多く、塩分は2.5~9.5パーセントであり3.5~6.5パーセントの製品が多いことがわかります。
ウニの一夜漬けの製法は、冷却した15パーセント塩水や飽和塩水に短時間(8~30分間)ひたして漬ける方法と、原料に対して10パーセント程度の食塩を用いウニをはさんで漬ける方法が行われていますが、今回は、塩分の浸透量の調節が比較的容易な15パーセント食塩水を用いる製法を紹介します。
ウニの一夜漬けの製造工程
原料は、エゾバフンウニやキタムラサキウニのむき身を用い、製造工程は次の通りです。
原料→むき身→洗浄→漬け込み→水切り→びん詰め→熟成→製品
原料→むき身→洗浄→漬け込み→水切り→びん詰め→熟成→製品
むき身は、2~3度以下に冷却した3パーセント塩水へ入れ、静かにゆり動かしながら内臓や殻の破片を除いて洗浄します。その後、直射日光をさけて5度の条件で30分間水切りします。
漬け込みに用いる15パーセント食塩水は、あらかじめ加熱殺菌し、2~3度以下まで冷却しておきます。むき身1キログラムに対して15パーセントの食塩水1リットルを用い、1~2度ゆるやかに攪はんしながら、20~30分間漬け込みます。
漬け込みが終了したら、ざるに入れ、ガーゼや晒し布をかけて低温室(3~5度)で1時間以上水切りし、びんに詰めます。
びん詰めは、ウニをつぶさないようにして行います。また、肉詰量の1/3をびんに詰めるたびに70パーセントのエチルアルコールを噴霧します。
肉詰めが終了したら、ウニとアルコールや食塩をなじませるため、冷暗所(5~8度)で7~10日間熟成させたあと-30~-40度で凍結貯蔵します。
製品の歩留まりは、むき身に対して約74パーセントであり、ウニの一夜漬けの化学成分は前ページの表に示した通りです。
漬け込みに用いる15パーセント食塩水は、あらかじめ加熱殺菌し、2~3度以下まで冷却しておきます。むき身1キログラムに対して15パーセントの食塩水1リットルを用い、1~2度ゆるやかに攪はんしながら、20~30分間漬け込みます。
漬け込みが終了したら、ざるに入れ、ガーゼや晒し布をかけて低温室(3~5度)で1時間以上水切りし、びんに詰めます。
びん詰めは、ウニをつぶさないようにして行います。また、肉詰量の1/3をびんに詰めるたびに70パーセントのエチルアルコールを噴霧します。
肉詰めが終了したら、ウニとアルコールや食塩をなじませるため、冷暗所(5~8度)で7~10日間熟成させたあと-30~-40度で凍結貯蔵します。
製品の歩留まりは、むき身に対して約74パーセントであり、ウニの一夜漬けの化学成分は前ページの表に示した通りです。
貯蔵性
ウニの一夜漬けは、低塩で水分が多く貯蔵性より食味に重点を置いた食品です。そのため、長期間、貯蔵する場合は、冷凍しなければなりません。なお冷凍貯蔵中の「えぐ味」の生成を防止するためには、-30~-40度に貯蔵する必要があります。また、解凍した製品は、5度以下で冷蔵し、7~10日以内に食べ終えるようにします。(稚内水試)