ウニ移殖の留意事項について
成長や生殖巣の発達の悪いウニの身入りや品質をよくするため、餌料海藻の豊富な海域にウニを移殖する事業は、現在北海道の漁協の75パーセント以上で実施されています。ここでは漁獲に効果的に結び付けるための移殖の方法について述べます。
1:移殖ウニの採取は慎重に
移殖作業中にウニの殻や棘(とげ)を痛めると、移殖後食べた餌のエネルギーがその修復に向けられるため身入りが悪くなります。このため、移殖ウニの採取は潜水あるいはウニ篭等で行い、桁による採取はなるべく控えなければなりません。また、採取袋にウニを詰めすぎるとお互いの棘により、ウニの口の周辺部や肛門など柔らかい部分を痛めるので注意する必要があるでしょう。また、移殖したウニが乾燥あるいは凍結により、海面に漂っている状態であるならば生き残りは期待できません。このため、移殖ウニの採取から移殖場所への放流までを速やかに行うとともに海水をかけたり、蓄用篭を用意し海中に吊るすことも必要です。
さらに、ウニは淡水に弱いため移殖作業はなるべく雨の日は避ける必要があるでしょう。
さらに、ウニは淡水に弱いため移殖作業はなるべく雨の日は避ける必要があるでしょう。
2:放流は天候と放流量を計算して
ウニは管足というゴムチューブのような器官によって基質に付着して波浪から身を守っています。特にキタムラサキウニ(ノナ)は付着力が強く、移殖ウニの採取時に管足がちぎれてしまうことがあります。管足のちぎれたウニは付着力が弱いために、なるべく移植は時化の来ないような日を選定する必要があります。
移殖場所は、潮間帯以深の海藻類の多いところや流れ藻の溜るところが適しています。漂砂や淡水の影響があるところは避けなければなりません。移殖密度は海藻類の生育量によって決めなければなりません。ウニの優良漁場では、ウニの生育量の5~7倍の海藻が生息しています。このことから移殖量を換算することができます。例えば、海藻の生育量が1キログラム/平米の場合、移殖量は約140~200グラム/平米(殻長5センチメートルのウニで3~4個体/平米)となります。
移殖場所は、潮間帯以深の海藻類の多いところや流れ藻の溜るところが適しています。漂砂や淡水の影響があるところは避けなければなりません。移殖密度は海藻類の生育量によって決めなければなりません。ウニの優良漁場では、ウニの生育量の5~7倍の海藻が生息しています。このことから移殖量を換算することができます。例えば、海藻の生育量が1キログラム/平米の場合、移殖量は約140~200グラム/平米(殻長5センチメートルのウニで3~4個体/平米)となります。
3:移殖対象ウニの資源の実態をつかむ
継続して移殖事業を実施していくためには、移殖対象となるウニがどの範囲にどのくらい生息しているか、さらにその年齢構成など資源の実態を把握しておくことが必要です。岩手県では移殖対象ウニ資源を永続的に維持していく方策として、水深10~20メートルの採取海域を区画分けし輪採移殖を実施していく方策として、水深10~20メートルの採取海域を区画分けし輪採移殖を実施しています。(中央水試)
昆布と健康について
近年、食生活が多様化し、これまで不足がちであった良質タンパク質など栄養のバランスがとられるようになってきました。さらに機能性食品ブームなどで知られるように健康にも一層関心が持たれるようになりました。しかし、こうした時代であるからこそ、昔からよく利用され、機能性食品(機能性食品検討会は、「特定保健用食品」という名称で呼んでいる)の元祖ともいわれる昆布はもっと見直されても良いと思います。
「日本の味」として、古くから親しまれた昆布は、私達の健康の維持に役立つ種々の効用があります。
乾燥前の昆布の表面をさわると、ヌルヌルした粘りがありますが、これにはアルギン酸とフコダインという物質が含まれています。この成分の主な効用は、
「日本の味」として、古くから親しまれた昆布は、私達の健康の維持に役立つ種々の効用があります。
乾燥前の昆布の表面をさわると、ヌルヌルした粘りがありますが、これにはアルギン酸とフコダインという物質が含まれています。この成分の主な効用は、
- コレステロールの体外排出作用
- 発癌性のある放射性カドミウム、ストロンチウムなどの貴金属の消化管内吸収を抑制し、除去する
- 整腸作用
- ナトリウムを体外に排出するため高血圧によい
- 動脈軟化の防止
- このほか昆布には、甲上腺ホルモンの形成に欠かせないヨードが多量に含まれており、その供給源としても貴重な存在です。
- 昆布の中の脂質中に微量に含まれるフコステロールは、血中コレステロールの効果作用や血圧調整など行う。
- アミノ酸の一種であるラミニンは血圧の降下作用がある。