水産研究本部

試験研究は今 No.79「水産試験場加工部門製品開発成果発表会」(1991年10月4日)

水産試験場加工部門製品開発成果発表会

水産試験場加工部門製品開発成果発表会の様子
  9月13日、札幌市の道庁赤レンガ3号会議室で水産試験場加工部門製品開発成果発表会が、一般入場者250名、関係者、報道機関を併せますと約300名の出席のもと開発されました。 最初に中央水試、川村場長が「水産試験場の仕事を多くの方々に理解してもらうとともに、その試験研究の成果が産業に生かされるようにと、この成果発表会を開催しました」と挨拶しました。

  つづいて、「エクストルーダーによる食品開発」「カラスガレイの利用」「ウマヅラハギの利用」の三課題の講演が行われました。

  また、各種試作品の展示、試食会、パネル展示、ビデオ放映も、この講演会と同時に行われ、こちらの方も大盛況でした。特に、試食会には10代から50代までの女性、男性二百数十名が参加し、普段、ほかでは食べることのできない珍味?をロにして、その評価をアンケート用紙に記入していました。たいへん多くの方に参加してもらい、ありがとうございました。この場をかりてお礼を申し上げます。

  アンケート集計結果の一部をご紹介したいと思います。試食品は10種類、評価は、形態、味・香り、食感(歯ごたえなど)の三つで、5段階で採点してもらいました(5点が最良)。
カラスガレイのソフトくん製
【カラスガレイのソフトくん製】
評点は形態、味・香りは3.7点で、年代、性別に関わりなく好まれていました。食感は3.5点で、もう少し硬い方がよいという意見が多くありました。
ウマズラハギの蒲鉾
【ウマヅラハギのくん製】
形態は3.5点と比較的高い評点でしたが、昧・香り、食感は3.0、3.2点と低い評価でした。味に特徴がなく、硬すぎるという評価がみられました。

【ウマズラハギの蒲鉾】

形態、味・香り、食感とも3.4点で、年代による差は小さく、女性の評価が比較的高いという特徴がありました。塩辛さと食感の面でいくつかの指摘がありました。

【キンコの松前漬け】

評点は平均3.9点と試食中最も高い評価を得ていました。年齢、性別では30歳代と男性の評価が比較的低いのが目につきました。味については、塩辛いという評価が多数ありました。

【キュウリウオの調味乾燥品】

形態、味・香り、食感とも3.6点と比較的高い評価でした。特に女性と若年層が高い評価を与えていました。

【エクストルーダ利用によるビーフジャーキタイプ】

評点は平均3.6点で、年代や性別で差はありませんでした。硬さについては「もう少し硬い方が」と「もう少し柔らかい方が」に意見が大きく分かれていました。

【エクストルーダー利用によるコンブ入りスナック】

評点は平均3.1点で、少し低い評価でしたが、年齢が高いほど評点は高い傾向にありました。塩味が足りない、歯につきやすいという評価が地較的多くありました。

【アカボヤの調味乾製品】

評点は平均3.3点と少し低い評価でしたが、若年層と女性は比較的高い評価を与えていました。ホヤの風味が足りない、歯に付くという評価が目立ちました。

【ウロコメガレイの調味乾燥品】

形態の評価は3.4点と比較的良かったのですが、味・香り、食感は3.1、3.0点と少し低い評価でした。硬すぎるという評価が多く、これが味・香りにも影響したものと思われました。
ホタテゴナードのソーセージ
【ホタテゴナード(生殖巣)のソーセージ】
形態は3.7点と良い評価を得ていましたが、味・香り、食感は少し低い評価でした。
しかし、若年層と女性は比較的良い評価をつけていました。食感については「もそもそする」という評価が多くみられました。
水産試験場では、このような機会を今後も設けようと考えておりますので、よろしくお願いします。(中央水産試験場)