サラガイ産卵期調査


今回の調査によって、苫小牧と静内海域におけるサラガイの産卵期が明らかになりました。比較のために他の地域の産卵期を調べてみましたが、サラガイに関する資料は非常に少なく、道南の知内で行われた1例のみでした。その結果を見れば、サラガイの産卵期は9~10月であり、胆振、日高沿岸よりも遅くなってます。また、知内のサラガイは雄では殻長50~55ミリメートル、雌では殻長65~70ミリメートルで初めで成熟し、さらにこの大きさになるまでには雄で約6年、雌で約8年かかることから、サラガイは産卵するようになるまで非常に時間のかかる貝であることが伺えます。したがって、一度資源状態が悪化すれば、再び回復するまでに長い年月を要すると考えられますので、今後は安定的に資源を保持できるレベルの漁獲量を算出するための研究を行う必要があるでしょう。(函館水試 室蘭支場 桜井 泉)
「見て・さわって・考えて」1300人

水産試験場からは、加工試作品と主に北海道でみられる貝の標本の展示、そして試食品としてエクストルーダーによるサケのビーフジャーキータイプとコンブスナック、ホタテゴナードのソーセージ、キュウリウオの調味乾製品、アカボヤの調味乾製品そしてすでに市販化されている厚岸漁業協同組合の海鮮めんを来場された皆さんに提供しました。この中で好評だったのが、海鮮めん、ホタテゴナードのソーセージ、サケのビーフジャーキータイプで、海鮮めんは札幌にも売ってないのだろうか、他の試作品についても製品化しないのかなど、うれしい間い合わせがありました。
終わってみれば、入場者数は公開講座始まって以来の1300人を記録、日頃実験室で調査研究を行っている研究者も、この日ばかりは来場者への説明や即売場の売子におおわらわでうれしい悲鳴を上げていました。この日皆様からいただいたアンケートも600件以上になりました。このアンケートの結果は、現在集計中ですが、来年度以降のこの種の催しに生かして生きたいと思います。ご協力ありがとうございました。