アンコウの漁模様について

まずは簡単にアンコウがどんな魚であるかについて触れておきます。体の形は頭が大きく、胴と尾の部分が細くなっています。表面はつるつるしていますが、表皮はだぶついており、お世辞にも美しい姿とはいえません。また、背びれが釣り竿状に変形していて、これを使って餌食にする魚を誘引すると言われています。そのために英語ではアングラーフィッシュ(魚釣りをする魚)などと訳されています。主に魚を餌としており、底曳網に漁獲されてからも網の中で他の魚を食べるほど貧欲です。分布は南方まで広がっており、東シナ海などでも漁獲されています。北海道では日本海に多く分布していて、主に刺し網で漁獲されています。
それでは、本題の今後の漁模様の予測に入りたいと思います。
図1に余市郡漁協の昭和56年から平成3年までのアンコウ水揚げ量を示しました。アンコウの水揚げが非常に良い年と悪い年があることに気づかれたでしょう。

平成元年から3年にかけては2つ目の山に当たり、ちょうど平成元年が山の頂上になっています。そして、平成2年と3年が下がっていくほうのすそ野になっています。漁業者の皆さんには申し訳ありませんが、このままいくと平成4年はあまり期待できません。このことを裏付けるもう一つの理由があります。図2をみて下さい。これは平成元年と平成2年に水揚げされたアンコウの大きさを示したものです。アンコウには夏季と冬季の2回の盛漁期がありますが、2つの時期で漁獲される魚の大きさが違うために時期別に図を描いてみることにしました。ここでは時期の違いによる魚の大きさではなく、年による魚の大きさを較べてみて下さい。平成2年の方が元年よりも魚が大きくなっています。とくに、平成元年の夏季では1~3キログラムのもので全体の80パーセント以上を、また平成2年の夏季には2~4キログラムのものが全体の60パーセント以上を占めています。このことからわかることは、近年の好漁が、ある年に生まれた魚達によって支えられているということです。したがって、この魚達が大きくなって漁獲されたり、寿命で死んでしまうと資源量が減少してしまうことになるのです。平成2年、3年と水揚げ量が減少傾向にあるのも、このことが原因しているようです。これらの理由で、平成4年にはさらに減少すると予想したわけです。暗いことばかりではおもしろくないので、今後の展望とこれからの対処に話を変えることにします。
資源量の大きな年がどうしてできるかはよくわかっていませんが、一般的には産卵する親の数が多いとか子供の生き残りが良かったことが考えられます。親が多いことが原因とすれば、今回の親から生み出された子供達で再び資源が豊富になるはずです。また、環境がうまく作用すれば子供の生き残りが良くなる年が現れることも充分可能なのです。それではその時のアンコウ資源の利用方法を考えてみましょう。
先ほどアンコウには1年に2回の盛漁期があることをお話しましたが、単価(円/キログラム)は冬季が夏季の3~5倍も高くなります。これは、魚の大きさに関係していますが、鍋料理としての需要にも大きく影響されているようです。また、平成元年の夏季に漁獲されたアンコウの80パーセント以上が1~3キログラムであることをお話ししましたが、アンコウは体長60センチメートル、体重では4キログラム前後で成熟することが報告されています。そうすると、これらの小さなアンコウは未成魚ということになります。これでは、子供の数を増やすことの妨げになってしまうだけです。もうおわかりだと思いますが、アンコウが再び増えた時には、夏季の漁獲を極力控えて、冬季に獲るようにすることが大切です。
今回、漁獲が増え始めた昭和63年は前年の約3.5倍の水揚量がありました。増加の兆しはわかるはずです。平成元年の余市郡漁協のアンコウ水揚金額は1億円以上でした。これだけの魚をうまく利用しない手はありません。
上手に資源を利用してください。
先ほどアンコウには1年に2回の盛漁期があることをお話しましたが、単価(円/キログラム)は冬季が夏季の3~5倍も高くなります。これは、魚の大きさに関係していますが、鍋料理としての需要にも大きく影響されているようです。また、平成元年の夏季に漁獲されたアンコウの80パーセント以上が1~3キログラムであることをお話ししましたが、アンコウは体長60センチメートル、体重では4キログラム前後で成熟することが報告されています。そうすると、これらの小さなアンコウは未成魚ということになります。これでは、子供の数を増やすことの妨げになってしまうだけです。もうおわかりだと思いますが、アンコウが再び増えた時には、夏季の漁獲を極力控えて、冬季に獲るようにすることが大切です。
今回、漁獲が増え始めた昭和63年は前年の約3.5倍の水揚量がありました。増加の兆しはわかるはずです。平成元年の余市郡漁協のアンコウ水揚金額は1億円以上でした。これだけの魚をうまく利用しない手はありません。
上手に資源を利用してください。