森とみどりのQ&A(環境保全・治山)
環境保全/治山
Q1.コンクリート被覆法面の緑化に適したツタ・ツル類にはどんなものがあるか?
A1.北海道に自生するツル類は生育形態から大きく次の4種類に分けられます。コンクリート面に付着することができるのは、吸盤や気根で付着するタイプのものです。金網などの登攀補助資材を併用すれば、ツルや巻きひげで巻きつくタイプのツル類も導入できます。
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ツルで巻きつく | 巻きひげで巻きつく | 吸盤や気根で付着する | |
クズ ツルウメモドキ サルナシ マタタビ ミヤママタタビ チョウセンゴミシ マツブサ(道南) クマヤナギ(道南) ミツバアケビ(道南) |
ヤマブドウ ノブドウ エビヅル(道南) サンカクヅル(道南) |
ツルアジサイ イワガラミ ツタウルシ ツルマサキ(常緑) ツタ(ナツヅタ) |
Q2.採石跡地やズリ山の緑化に用いるには、どんな樹種、植栽方法がよいか?
A2.採石跡地やズリ山のように土壌養分が乏しい場合には、窒素固定能力のあるハンノキ類(ケヤマハンノキ、ミヤマハンノキ、ヒメヤシャブシなど)やマメ科(エゾヤマハギなど)が適しています。また、細根による土壌の緊縛力を高めるために、ハンノキ類のねせ植えやヤナギの埋枝工も多く用いられます。
Q3.土壌侵食防止剤の主成分は何か?
A3.ポリ酢酸ビニル、アスファルト乳剤、ゴムラテックス、アクリル系高分子などさまざまな種類がありますが、従来からよく使われているのは、ポリ酢酸ビニル系の製品です。
Q4.海岸斜面への植栽に適した樹種にはどんなものがあるか?
A4.樹木の耐塩風性は次のようにグレード区分されます。
塩風に非常に強い | ハマナス |
塩風に強い | カシワ、耐塩風性ミズナラ(道北海岸産)、モンタナマツ、アキグミ、 エゾノコリンゴ |
弱い塩風には耐えられる | ハイネズ、トドマツ、アカエゾマツ、イタヤカエデ、ミズナラ(内陸産)、 ヤマグワ、ギンドロ |
Q5.漁港に植栽した樹木が枯死したがどのような原因が考えられるか?
A5.海岸近くで植栽した樹木が枯死する一番の原因は、冬期間の強風による塩風害です。塩風害は、適切な樹種選定と防風柵等の設置によって軽減できます。海岸など条件が厳しい場所では、排水性のよい土壌条件や適切な植栽方法なども生存に大きな影響を与えます。