森とみどりのQ&A(緑化樹・樹種特性)
緑化樹/樹種特性
Q2.アロニア・メラノカルパ(メラノカルパナナカマド)の樹種特性を知りたい。
Q7.帯広周辺に適したサクラで、エゾヤマザクラ以外ではどのような種類があるか?
Q9.道東地域で育つ八重咲きのサクラにはどのようなものがあるか?
Q10.本道に適したグランドカバーにはどのようなものがあるか?
Q17.緑化樹のタネや苗木を外国から輸入したいが、輸入規制はあるのか?
Q22.チョウセンゴミシはモクレン科とマツブサ科のどちらが正しいのか?
Q27.チシマザクラを盆栽のように鉢植えにして、咲かせることができるか?
Q28.生垣を作ろうと考えていますが、早く生垣になる樹種はありますか?
Q29.1.オニグルミの下は、ほかの植物が生えていなかったり、また葉を揉んで川に流すと魚が浮いてくることがあると言われていますが?
2.オニグルミの葉を触っても毒ではないのでしょうか?
Q31.道内の常緑広葉樹が、落葉せずに冬を越せる秘密は何ですか。
Q33.エゾヤマザクラより遅く咲くサクラは、あるのでしょうか?
Q34.1.コクワは、家庭で栽培できますか?
2.花が咲くまで、コクワとブルーベリーではどちらが時間がかかりますか?
Q36.庭にゴヨウツツジが咲いているけれど、北海道では咲くのが珍しいのでしょうか?
なお、利用可能な樹種としてハイネズ、ツタ、スイカズラ、ツルマサキ、ヤブコウジ、ノブドウ、ガンコウラン、ツルシキミ、ヒメゴヨウイチゴなどがあります。
A12.エゾノコリンゴとズミはともにリンゴ属(Malus)で、道内に自生し、両種が混じって生えているところも見られます。両種の違いは以下の通りですが、とくに葉に注目されると良いでしょう。勢いのある枝の葉や根元から出てくる小さな幹の葉に裂けた葉が見られます。
エゾノコリンゴ | ズミ | |
つぼみ | 白~淡紅色 | 濃紅色、開くと白色 |
葉 | 長楕円形 | 長楕円形の葉と3~5に中程まで裂ける葉がある |
新葉 | 緑色 | やや赤みを帯びる |
果室 | 通常4~5 | 通常3~4 |
ちなみに、CRAB APPLEには、“意地悪な人,気むずかし屋、つむじまがりの人”という意味もありますので、英会話で使うときにはご注意を‥。
A17.植物の病害虫が外国から侵入することを防ぐため、貨物、携帯品、郵便物などにより輸入される全ての植物について植物検疫が行われています。
植物の輸入に当たっては、輸出国政府機関が発行した植物検査証明書の添付、輸出国で栽培地検査を要する植物、輸入できる港・空港などが法律で定められています。
輸入される植物などは輸入禁止品、輸入検査品、検査不要品の3つに区分けされます。
- 輸入禁止品…わが国に未発生で世界的に被害の大きい病害虫が発生する地域から、その病害虫の寄主植物や、病害虫そのもの、土は輸入が禁止されています。
- 輸入検査品…輸入禁止品に該当しない植物です。検査の対象となる植物は、苗木・観賞用植物・切花・球根・種子・果実・野菜・穀類・豆類・木材・香辛料原料・漢方薬原料などきわめて広範囲にわたります。
- 検査不要品…植物であっても製材や製茶など高度に加工されたものについては、検査品に該当しないものがあります。
検査は植物の種類に応じて行い、重要な病害虫が付着する恐れのある植物は、より精密な検査が行われます。検査の結果、検疫病害虫が発見されると、消毒・選別・除去・廃棄などが必要となります。
更に知りたい方は、農林水産省植物防疫所へお問い合わせ下さい。
◎ 植物防疫所へのお問い合わせ先
横浜植物防疫所 045-211-7152~4、029-855-7832
札幌支所 011-852-1809
新千歳空港出張所 0123-24-6154
一方、春に植えると、秋までには根を広く深く伸ばすことができ、雪害を受けづらく、冬期間も水分補給が可能となります。
これらのことから、移植の適期は、特に2m以上の苗木の場合などは、基本的に春といえます。ただ、苗高1m以下の小さな苗で、しかも雪に埋もれるような場所では、秋でも可能です。
2.オニグルミの葉を触っても毒ではないのでしょうか?
1.オニグルミは生育阻害物質をだして、他の植物が周辺や下に生えてこないようにする性質があります。
2.オニグルミの毒性は果実を包んでいる外側の緑色の皮や葉にあるといわれていますが、その毒性は触るとかぶれるもので、触るとかなり危険というものではありません。葉は、薬草として煎じたものを皮膚病、水虫、湿疹に局所的に外用(部分浴)する場合もあります。
2.花が咲くまで、コクワとブルーベリーではどちらが時間がかかりますか?
1.栽培は可能ですが、ツルが長く張るのであまり小さな庭などには向きません。
2.コクワの挿し木苗では、6~7年かかりますが、ブルーベリーの挿し木苗では一般に3~4年程度で結実します(品種にもよります)。
1.秋に葉の色が変わる仕組みは大きく2種類あります。変化する葉の色は、赤色、黄色、褐色に分類されます。この仕組みは色素であるクロロフィル、アントシアニン、カロチノイド、タンニンの消長で説明されています。何れの紅葉も葉の色の変化はクロロフィルの分解から始まります。その後、紅葉は赤い色素(アントシアニン)が合成されることにより発色します。黄色はカロチノイドの色です。褐色は葉緑素が分解した後に残るタンニン性の物質の色です。北海道の樹種で紅葉の奇麗なものは、ヤマモミジ、ツタウルシなど。黄葉はイチョウ、シラカンバなど。褐色はミズナラ、ブナなどです。
2.美しい紅葉の条件としては「昼夜の気温の差が大きい」「夏が暑く日照時間が長い」「夏に充分な雨が降る」「秋は湿気が少なく乾燥している」などが挙げられます。
A38.ササの資源量の詳細な調査は,1983年に林業試験場北海道支場(現 独立行政法人森林総合研究所北海道支所)がおこなったものが詳しく,その資料“北海道ササ分布図”は一般に公開されています。
この報告書の中では,北海道に分布するササの面積は,全道面積850万haの60%を占め,森林地域(560万ha)のみを対象にすると,分布面積は89%を占めると報告されています。
また北海道にはタケノコを採るチシマザサや伝統的な飯寿司の仕込みには欠かせないクマイザサなど,多種のササが自生していますが,ササ類の学術的な分類は完成していません。分類の指標となる形態的特徴は同一の個体の中でも変異が大きく,この理由がササ類の分類を困難にしています。このことから,北海道に自生するササの分類には,便宜的に次の2つの方法が用いられています。
ある分類方法では,形態的な特徴を詳細に観察して学術的な分類法に基づいて,北海道のササを“チシマザサ”“クマイザサ”“ミヤコザサ”“スズタケ”の4群に分類しています。この大別は“○○ササのグループ”のように近縁種を一括りにした分類法です。
別の分類方法は,背丈(稈長)で分類する簡易な方法です。この方法では “小型ササ”“中型ササ”“大型ササ”の3群に分類しています。
これら2つの分類方法を並べると,下の表に示す関係になります。この中でスズタケは太平洋側の限られた地域にだけ自生することから,北海道の代表的なササはミヤコザサ,クマイザサ,チシマザサといえます。
大別名 | 稈長 | 主な分布域 | 植生面積* | |
小型ササ | ミヤコザサ | 1m以下 | 平野部~丘陵地帯,少雪乾燥地帯 (主に太平洋側) | 12.3% |
中型ササ | クマイザサ | 1~2m | 全道,多雪地帯 | 51.7% |
スズタケ | 1~2m | 平野部~丘陵地帯,少雪乾燥地帯 (主に太平洋側) | 0.5% | |
大型ササ | チシマザサ | 2m以上 | 山岳高地,多雪地帯 | 17.4% |
注:表の作成には北海道ササ分布図(1983)を参考にしました。 *:植生面積は森林面積に対する比率で表しました。また複数のササが混生する面積は除きました。 |
参考資料:
1.林業試験場北海道支場(現 独立行政法人森林総合研究所北海道支所);北海道ササ分布図,1983
2.伊藤浩司;笹,さっぽろ林友,No138~No144,1969
3.北海道林務部;北海道ササ資源調査概要。林務部森林企画課,1~9,1962
1.開花は5月中旬以降にはじまる。また,大半は6月中に開花を終えるが,だらだらと乱れた開花を続けて僅かながら9月頃にも開花が見られる場合がある。
2.開花は日当たりの良い場所に多く起こる傾向がある。
3.開花するササの割合はササが生えている面積の1%以下で,開花したササにタネができる割合は開花したササの面積の1~10%である。
4.発芽能力のあるタネは6月中旬以降に収穫時期を迎える。
5.クマイザサの開花群落の平均的な大きさは,150m2である。
6.開花は前年度の開花場所に隣接して起こる連続的で規則性のある現象であり,この連続的な開花現象の多くは同じ場所で約3年間は続く。