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林業試験場

森とみどりのQ&A(緑化樹・樹種特性)

緑化樹/樹種特性

Q1.ツノハシバミの生垣を作りたいが、南空知で生育可能か?

Q2.アロニア・メラノカルパ(メラノカルパナナカマド)の樹種特性を知りたい。

Q3.ルブリフォリアバラの樹種特性を知りたい。

Q4.北海道に自生しているクロモジについて知りたい。

Q5.道北地方で育つサクラ類にどのようなものがあるか?

Q6.苫小牧周辺に適したサクラの種類は?

Q7.帯広周辺に適したサクラで、エゾヤマザクラ以外ではどのような種類があるか?

Q8.道内でソメイヨシノが生育可能な地域を知りたい。

Q9.道東地域で育つ八重咲きのサクラにはどのようなものがあるか?

Q10.本道に適したグランドカバーにはどのようなものがあるか?

Q11.ロウバイは札幌で生育可能か?

Q12.エゾノコリンゴとズミの見分け方

Q13.北海道に自生するマタタビ属の種類と分布を知りたい。

Q14.「黄実のナナカマド」というのは、どんなナナカマド?

Q15.白い実のナナカマドがあると聞いたが実在するのか?

Q16.クラブアップルの学名

Q17.緑化樹のタネや苗木を外国から輸入したいが、輸入規制はあるのか?

Q18.塩風に強いはずのハマナスに塩風害が出た。

Q19.アカエゾマツはどのような樹木ですか?

Q20.ヒッポファエの生育特性について知りたい。

Q21.ナナカマドの果実はなぜ赤くなるのか?

Q22.チョウセンゴミシはモクレン科とマツブサ科のどちらが正しいのか?

Q23.チョウセンゴミシの薬理作用を知りたい。

Q24.キハダ(シコロ)の薬理作用を知りたい。

Q25.サハリンでサクラは育ちますか?

Q26.サクラの移植時期はいつだろう?

Q27.チシマザクラを盆栽のように鉢植えにして、咲かせることができるか?

Q28.生垣を作ろうと考えていますが、早く生垣になる樹種はありますか?

Q29.1.オニグルミの下は、ほかの植物が生えていなかったり、また葉を揉んで川に流すと魚が浮いてくることがあると言われていますが?
2.オニグルミの葉を触っても毒ではないのでしょうか?

Q30.チシマザクラの寿命はどれぐらいでしょうか?

Q31.道内の常緑広葉樹が、落葉せずに冬を越せる秘密は何ですか。

Q32.コクワの花がたくさん咲いたが実がつかない。

Q33.エゾヤマザクラより遅く咲くサクラは、あるのでしょうか?

Q34.1.コクワは、家庭で栽培できますか?
2.花が咲くまで、コクワとブルーベリーではどちらが時間がかかりますか?

Q35.ユリノキは北海道に生育していますか?

Q36.庭にゴヨウツツジが咲いているけれど、北海道では咲くのが珍しいのでしょうか?

Q37.1.紅葉の仕組みと2.鮮やかになる環境要因を教えて下さい。

Q38.北海道のササの種類や資源量について教えて下さい。

Q39.ササの開花について教えてください。

Q1.ツノハシバミの生垣を作りたいが、南空知で生育可能か?
A1.ツノハシバミは北海道の日本海側に生える落葉低木です。林業試験場でも生育良好で、生垣の見本も作ってあります

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Q2.アロニア・メラノカルパ(メラノカルパナナカマド)の樹種特性を知りたい。
A2.北アメリカ原産の落葉樹で、高さ3mほどになります。枝は下から分岐し、ほうき状に密生します。花は5月下旬~6月上旬頃咲き、径1cmほどの白色で、多数集まって付きます。秋にナナカマドに似た黒く熟した果実を付けます。ロシアの極東地方やサハリンでは栽培され、果実はジャムなどに利用されています。分類上もナナカマドに近いため、ロシアの通訳者は「黒実のナナカマド」と訳することがあります。耐寒性があり、道内でも生育可能です。

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Q3.ルブリフォリアバラの樹種特性を知りたい。
A3.ヨーロッパ中南部の高原に自生する低木です。花は6月に開花し、鮮紅色をしています。花の大きさは5cmほどです。葉は長さ2~3.5cmほどの小さな葉が7~9枚集まって1枚の大きな葉を作っています。色はやや紅色を帯びた青緑色をしているのが特徴です。道内では各地に植えられております。

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Q4.北海道に自生しているクロモジについて知りたい。
A4.道内に自生しているのはクロモジの変種オオバクロモジです。主に渡島半島の南部の山地の沢沿いなどに多く見られる低木です。雌雄異株で、春先葉が出るころに小さな黄色の花を付けます。果実は秋に黒く熟します。枝は和菓子などの楊枝として用いられます。

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Q5.道北地方で育つサクラ類にどのようなものがあるか?
A5.エゾヤマザクラ、ミネザクラおよびその変種のチシマザクラ、それからカスミザクラ、ミヤマザクラ、シウリザクラがありますが、鑑賞価値などからエゾヤマザクラとミネザクラ(チシマザクラ)が無難でしょう。

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Q6.苫小牧周辺に適したサクラの種類は?
A6.エゾヤマザクラ、ミネザクラ(含むチシマザクラ)、カスミザクラ、ミヤマザクラが良いでしょう。また、サトザクラ類やソメイヨシノの植栽は避けた方が無難でしょう。

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Q7.帯広周辺に適したサクラで、エゾヤマザクラ以外ではどのような種類があるか?
A7.ミネザクラ(チシマザクラ)、カスミザクラ、ミヤマザクラがあります。一部にはシダレザクラやサトザクラも見られますが、冬の寒さを考えると避けた方が無難でしょう。

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Q8.道内でソメイヨシノが生育可能な地域を知りたい。
A8.北海道では函館市付近ではよく育っています。札幌市ではあまり多くは見かけませんが、育っています。美唄市東明公園では多数植えられており、生育も良好です。しかし同じ美唄市でも林業試験場周辺では生育は良くありません。また、美唄以北ではほとんどが植えられておりません。このようなことから、南空知以南で生育が可能と思われますが、良好な生育を期待するのであれば、札幌市内と道南地方と思われます。

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Q9.道東地域で育つ八重咲きのサクラにはどのようなものがあるか?
A9.道東地方は寒冷ですので、一部で育っていますが、全般に八重咲きのサクラの生育はかなり難しいと思われます。しかし、釧路地方で育成され品種登録された「クシロヤエ」がありますので、これであれば生育可能と思われます。

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Q10.本道に適したグランドカバーにはどのようなものがあるか?
A10.現在使われている樹種には、フッキソウ、イブキジャコウソウ、ツタ、サツキ、コトネアスター(ヤナギバシャリントウ)、セイヨウビャクシン、ヒペリカム類、クサツゲなどがあります。また、最近は多くの草本も使われるようになってきました。ヒメツルニチニチソウ、ツルニチニチソウ、セダム・アルブム、アルメリア・ブルガリスなどです。
なお、利用可能な樹種としてハイネズ、ツタ、スイカズラ、ツルマサキ、ヤブコウジ、ノブドウ、ガンコウラン、ツルシキミ、ヒメゴヨウイチゴなどがあります。

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Q11.ロウバイは札幌で生育可能か?
A11.ロウバイはオウバイ科の樹木で、原産地は中国です。本州では植えられていますが、札幌市内で植えられているのを見たことがありません。耐寒性があまりないので、生育は難しいと思われます。

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Q12.エゾノコリンゴとズミの見分け方

A12.エゾノコリンゴズミはともにリンゴ属(Malus)で、道内に自生し、両種が混じって生えているところも見られます。両種の違いは以下の通りですが、とくに葉に注目されると良いでしょう。勢いのある枝の葉や根元から出てくる小さな幹の葉に裂けた葉が見られます。

 エゾノコリンゴズミ
つぼみ白~淡紅色濃紅色、開くと白色
長楕円形長楕円形の葉と3~5に中程まで裂ける葉がある
新葉緑色やや赤みを帯びる
果室通常4~5通常3~4

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Q13.北海道に自生するマタタビ属の種類と分布を知りたい。
A13.道内に自生するマタタビ属は、サルナシ(コクワ)、マタタビ、ミヤママタタビの3種です。いずれもほぼ全道的に分布していますが、マタタビは道央以南に、ミヤママタタビは山地や北地に多く見られます。

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Q14.「黄実のナナカマド」というのは、どんなナナカマド?
A14.ナナカマド属の木は、世界中に80種以上もあります。外国産のナナカマドには、赤い実のほかに、黄色、オレンジ色、ピンク色の実を着けるものがあり、「黄実のナナカマド」も含まれています。黄色い実を着けるナナカマドには、園芸品種として“JOSEPH ROCK”などがあります。

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Q15.白い実のナナカマドがあると聞いたが実在するのか?
A15.外国産のナナカマドも含めると、実の色は、赤色のほかにも、黄色、オレンジ色、ピンク色のものがあります。さらに、これらの実の色には、濃淡があり、色の淡い実は白色に見えます。白い実のナナカマドには、カシミールナナカマド(Sorbus cashimiriana Hedl.)などがあります。

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Q16.クラブアップルの学名
A16.クラブアップルは、英名CRAB APPLEと綴り、バラ(Rosaceae)科リンゴ(Malus)属の樹木の総称です。Malusは、ギリシャ名のmelon(リンゴ)に由来しています。花の色には、白色、ピンク色、赤色のものがあり、果実は、赤、栗色(えび茶色)、黄色、オレンジ色、緑色のものがあります。
 ちなみに、CRAB APPLEには、“意地悪な人,気むずかし屋、つむじまがりの人”という意味もありますので、英会話で使うときにはご注意を‥。

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Q17.緑化樹のタネや苗木を外国から輸入したいが、輸入規制はあるのか?

A17.植物の病害虫が外国から侵入することを防ぐため、貨物、携帯品、郵便物などにより輸入される全ての植物について植物検疫が行われています。
 植物の輸入に当たっては、輸出国政府機関が発行した植物検査証明書の添付、輸出国で栽培地検査を要する植物、輸入できる港・空港などが法律で定められています。
 輸入される植物などは輸入禁止品、輸入検査品、検査不要品の3つに区分けされます。

  • 輸入禁止品…わが国に未発生で世界的に被害の大きい病害虫が発生する地域から、その病害虫の寄主植物や、病害虫そのもの、土は輸入が禁止されています。
  • 輸入検査品…輸入禁止品に該当しない植物です。検査の対象となる植物は、苗木・観賞用植物・切花・球根・種子・果実・野菜・穀類・豆類・木材・香辛料原料・漢方薬原料などきわめて広範囲にわたります。
  • 検査不要品…植物であっても製材や製茶など高度に加工されたものについては、検査品に該当しないものがあります。

検査は植物の種類に応じて行い、重要な病害虫が付着する恐れのある植物は、より精密な検査が行われます。検査の結果、検疫病害虫が発見されると、消毒・選 別・除去・廃棄などが必要となります。
更に知りたい方は、農林水産省植物防疫所へお問い合わせ下さい。
◎ 植物防疫所へのお問い合わせ先
  横浜植物防疫所  045-211-7152~4、029-855-7832
  札幌支所     011-852-1809
  新千歳空港出張所 0123-24-6154

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Q18.塩風に強いはずのハマナスに塩風害が出た。なぜ?
A18.北海道の海岸に自生しているハマナスは塩風に強いものです。しかし最近は他のバラ類と交配した、花の美しい園芸用の品種が開発され、なかには塩風に耐性の低いものもあります。海岸に植栽する場合は、園芸用の品種は避けるべきです。

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Q19.アカエゾマツはどのような樹木ですか?
A19.アカエゾマツは北海道の代表的な針葉樹で、エゾマツとともに「北海道の木」に指定されています。また、材質が優れ、楽器や家具の材料など用途が広く、特にピアノの響版として有名な樹種です。さらに、多雪地帯で被害を受けにくいことから、今までトドマツを植えていた多雪地帯にアカエゾマツが替わりに殖栽されるようになりました。そのため、造林面積が増えてきている樹種だともいえます。

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Q20.ヒッポファエの生育特性について知りたい。
A20.ヒッポファエは、栽培には土壌を選びませんが、日当たりが良く、水はけの良い環境を好み、極端な暑さを嫌います。しかし、冬期間はマイナス40℃という気象条件でも生存が可能であり、塩風にも強いことから、北海道では海岸近くの緑化材料としても適しています。ただし雪には弱く、積雪で枝が容易に折れるので、多雪地帯では冬囲いが必要です。

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Q21.ナナカマドの果実はなぜ赤くなるのか?
A21.秋になると、ナナカマドの果実の表面には、アントシアニンという赤い色素がつくられます。この色素によって、果実が赤くなります。

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Q22.チョウセンゴミシは図鑑を見るとモクレン科と書かれたものとマツブサ科と書かれたものがあるが、どちらが正しいのか?
A22.チョウセンゴミシはマツブサ科に属する、つる性の木本植物です。

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Q23.チョウセンゴミシの薬理作用を知りたい。
A23.チョウセンゴミシの果実には、咳止め、下痢止め、滋養強壮薬などの薬理作用があります。

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Q24.キハダ(シコロ)の薬理作用を知りたい。
A24.キハダの内皮には有効成分としてベルベリンが含まれており、古くから民間薬や漢方薬として用いられています。この内皮を乾燥させたものは黄檗(おうばく)という生薬名で呼ばれ、健胃整腸薬に利用されています。漢方では解熱、収斂(しゅうれん)薬として胸部の炎症に用いられています。

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Q25.サハリンでサクラは育ちますか?
A25.チシマザクラやエゾノウワミズザクラ、シウリザクラは、サハリンにも分布しています。

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Q26.サクラの移植時期はいつだろう?
A26.春または秋です。ただし、秋植えの場合は、根が切断した状態で植えられ、しかも根端がほとんど伸びないまま冬を過ごさなければなりません。その間、寒風により細い枝から水分が抜ける一方、細根が少なくなっているため十分な水分補給ができません。そのため、樹勢が弱る可能性が高くなります。
一方、春に植えると、秋までには根を広く深く伸ばすことができ、雪害を受けづらく、冬期間も水分補給が可能となります。
これらのことから、移植の適期は、特に2m以上の苗木の場合などは、基本的に春といえます。ただ、苗高1m以下の小さな苗で、しかも雪に埋もれるような場所では、秋でも可能です。

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Q27.チシマザクラを盆栽のように鉢植えにして、咲かせることができるか?
A27.チシマザクラは50cmくらいの高さで花を付けるので、鉢植えで咲かせることができます。

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Q28.生垣を作ろうと考えていますが、早く生垣になる樹種はありますか? また、大きくならない樹木はありますか?
A28.サンゴミズキの仲間は植栽して3~4年で形の良い生垣になります。また、大きくならない樹木には、いろいろな種類がありますがツツジ類やコニファー類は積雪の被害を受けやすいので、毎年冬囲いが必要です。アロニアメラノカルパとかもう少し大きくなる樹木もありますが、雪害予防のため、首の高さから下の枝は切り取る必要があります。

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Q29.1.オニグルミの下は、ほかの植物が生えていなかったり、また葉を揉んで川に流すと魚が浮いてくることがあると言われていますが?
2.オニグルミの葉を触っても毒ではないのでしょうか?
A29.
1.オニグルミは生育阻害物質をだして、他の植物が周辺や下に生えてこないようにする性質があります。
2.オニグルミの毒性は果実を包んでいる外側の緑色の皮や葉にあるといわれていますが、その毒性は触るとかぶれるもので、触るとかなり危険というものではありません。葉は、薬草として煎じたものを皮膚病、水虫、湿疹に局所的に外用(部分浴)する場合もあります。

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Q30.チシマザクラの寿命はどれぐらいでしょうか?
A30.チシマザクラの寿命は、およそ150年と一般に言われています。

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Q31.道内にも、ツルマサキ、マサキ、アオキなどの常緑広葉樹があります。落葉せずに冬を越せる秘密は何ですか。
A31.道内には、ツルマサキ、マサキ、ツルツゲ、アカミノイヌツゲ、ハイイヌツゲ、ヒメアオキなどの常緑広葉樹が自生していますが、ほとんど背の低い灌木やつる性で、分布が道南に限られるものもあります。これらの常緑広葉樹が冬を越せるのは、積雪などにより雪の下になったりして寒さなどを免れているおかげです。北海道内の土壌が凍結する場所では、常緑樹は強い風で葉から水分が奪われ乾燥し枯れることがあります。

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Q32.コクワの木を植えています。花がたくさん咲いたが実がつかない。なぜでしょう?
A32.花がたくさん咲くことから、雄の木しかないと思われます。コクワには雄の木と雌の木があるので、雌の木を購入して植えると良いでしょう。苗木が園芸屋さんにない場合は、インターネットなどの通信販売で入手できます。

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Q33.エゾヤマザクラより遅く咲くサクラは、あるのでしょうか?
A33.カスミザクラはエゾヤマザクラよりも1週間~10日間ぐらい遅く咲きます。また、サトザクラ類も1週間以上遅く咲きます。

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Q34.1.コクワは、家庭で栽培できますか?
2.花が咲くまで、コクワとブルーベリーではどちらが時間がかかりますか?
A34.
1.栽培は可能ですが、ツルが長く張るのであまり小さな庭などには向きません。
2.コクワの挿し木苗では、6~7年かかりますが、ブルーベリーの挿し木苗では一般に3~4年程度で結実します(品種にもよります)。

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Q35.ユリノキの植栽を考えています。ユリノキは北海道に生育していますか? また、いつごろ植栽すると良いのでしょうか?
A35.ユリノキは北海道には、自生していない樹木です。北アメリカから来た植物です。道内では深川市あたりまで生育が良好という調査結果があります。植栽は4月下旬~5月上旬が理想的です。9月下旬以降の秋植栽も出来ますが、冬は根が伸びないので越冬時にダメージを受けやすく、春には手直しが必要です。

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Q36.庭にゴヨウツツジが咲いているけれど、北海道では咲くのが珍しいのでしょうか?
A36.ゴヨウツツジは道内には自生しておらず、街路や公園などにも植えられていませんが、家庭の庭などに植えられることがあります。とくに珍しいという訳ではありません。

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Q37.1.紅葉の仕組みと2.鮮やかになる環境要因を教えて下さい。
A37.
1.秋に葉の色が変わる仕組みは大きく2種類あります。変化する葉の色は、赤色、黄色、褐色に分類されます。この仕組みは色素であるクロロフィル、アントシアニン、カロチノイド、タンニンの消長で説明されています。何れの紅葉も葉の色の変化はクロロフィルの分解から始まります。その後、紅葉は赤い色素(アントシアニン)が合成されることにより発色します。黄色はカロチノイドの色です。褐色は葉緑素が分解した後に残るタンニン性の物質の色です。北海道の樹種で紅葉の奇麗なものは、ヤマモミジ、ツタウルシなど。黄葉はイチョウ、シラカンバなど。褐色はミズナラ、ブナなどです。
2.美しい紅葉の条件としては「昼夜の気温の差が大きい」「夏が暑く日照時間が長い」「夏に充分な雨が降る」「秋は湿気が少なく乾燥している」などが挙げられます。

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Q38.北海道のササの種類や資源量について教えて下さい。

A38.ササの資源量の詳細な調査は,1983年に林業試験場北海道支場(現 独立行政法人森林総合研究所北海道支所)がおこなったものが詳しく,その資料“北海道ササ分布図”は一般に公開されています。
 この報告書の中では,北海道に分布するササの面積は,全道面積850万haの60%を占め,森林地域(560万ha)のみを対象にすると,分布面積は89%を占めると報告されています。
 また北海道にはタケノコを採るチシマザサや伝統的な飯寿司の仕込みには欠かせないクマイザサなど,多種のササが自生していますが,ササ類の学術的な分類は完成していません。分類の指標となる形態的特徴は同一の個体の中でも変異が大きく,この理由がササ類の分類を困難にしています。このことから,北海道に自生するササの分類には,便宜的に次の2つの方法が用いられています。
 ある分類方法では,形態的な特徴を詳細に観察して学術的な分類法に基づいて,北海道のササを“チシマザサ”“クマイザサ”“ミヤコザサ”“スズタケ”の4群に分類しています。この大別は“○○ササのグループ”のように近縁種を一括りにした分類法です。
別の分類方法は,背丈(稈長)で分類する簡易な方法です。この方法では “小型ササ”“中型ササ”“大型ササ”の3群に分類しています。
これら2つの分類方法を並べると,下の表に示す関係になります。この中でスズタケは太平洋側の限られた地域にだけ自生することから,北海道の代表的なササはミヤコザサ,クマイザサ,チシマザサといえます。

大別名稈長主な分布域植生面積*
小型ササミヤコザサ1m以下平野部~丘陵地帯,少雪乾燥地帯
(主に太平洋側)
12.3%
中型ササクマイザサ1~2m全道,多雪地帯51.7%
スズタケ1~2m平野部~丘陵地帯,少雪乾燥地帯
(主に太平洋側)
0.5%
大型ササチシマザサ2m以上山岳高地,多雪地帯17.4%
注:表の作成には北海道ササ分布図(1983)を参考にしました。
*:植生面積は森林面積に対する比率で表しました。また複数のササが混生する面積は除きました。
北海道に自生するササと分類

参考資料:
 1.林業試験場北海道支場(現 独立行政法人森林総合研究所北海道支所);北海道ササ分布図,1983
 2.伊藤浩司;笹,さっぽろ林友,No138~No144,1969
 3.北海道林務部;北海道ササ資源調査概要。林務部森林企画課,1~9,1962

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Q39.ササの開花について教えてください。
A39.ササの開花は珍しく“30年に一度”とか“60年に一度”とも言われますが,実際の開花周期は確かではありません。しかしながら,開花は,“毎年”“どこか”で見つけることができる現象です。これまでクマイザサを対象に調査した結果では,次のことがわかりました。
1.開花は5月中旬以降にはじまる。また,大半は6月中に開花を終えるが,だらだらと乱れた開花を続けて僅かながら9月頃にも開花が見られる場合がある。
2.開花は日当たりの良い場所に多く起こる傾向がある。
3.開花するササの割合はササが生えている面積の1%以下で,開花したササにタネができる割合は開花したササの面積の1~10%である。
4.発芽能力のあるタネは6月中旬以降に収穫時期を迎える。
5.クマイザサの開花群落の平均的な大きさは,150m2である。
6.開花は前年度の開花場所に隣接して起こる連続的で規則性のある現象であり,この連続的な開花現象の多くは同じ場所で約3年間は続く。

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