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林業試験場

ケラ

ケラ
被害の特徴
樹 種 苗畑の稚苗(トウヒ、カラマツ、マツ、落葉樹の稚苗)。
部 位 根。
時 期 春~秋。
状 態 苗木の根がなくなる。土中の浅いところにトンネルを掘るので、土の表面が細長く盛り上がる。
幼虫・成虫 体長最大30mm。黄土色、ビロードのように短い軟毛を密生する。前脚は強大。

和名  ケラ

学名  Gryllotalpa fossor

分類  直翅目(バッタ目)Orthoptera、ケラ科Gryllotalpidae


形態  上記は文献1943に基づく。

寄主  トウヒ・カラマツ・マツ・落葉樹の稚苗、農作物(文献1943)。

生態  地中でトンネルを掘って生活する;生活環は気候により異なるようであるが、温帯・暖帯地域においては年1回発生、雌成虫は5月頃から地下15cmくらいの所に楕円形の部屋を作り、中に200~300卵を産む;この部屋の口は地上に開く;卵期間は3週間から1ヶ月間で、孵化した幼虫は2齢になるまで部屋の中に止まっているが、その後分散して様々な植物の根や昆虫などの動物を食べて生長する;10月頃に多くは4齢または5齢になり、地中深くもぐって越冬する;翌春4~5月頃に成虫になる:成虫は8月頃夜間に鳴き、よく照明に飛来する;湿気の多い場所を好む(文献1943)。

分布  北海道・本州・四国・九州、朝鮮半島、中国、台湾、フィリピン、ジャワ、インド、オーストラリア、ニュージーランド、ハワイ(文献1943)。

被害  苗圃の1~2年生稚苗の被害が最も多く、根を食べて枯死させる;播種床のように稚苗が密生する場所では大きな被害を受けることがある(文献1943)。

防除  土の盛り上がっている箇所を点検し、見つけて捕殺する;枝葉やワラなどを埋めむしろで覆っておくと集まるので、捕殺する(文献1943)。


文 献
[1943] 松下眞幸, 1943. 森林害蟲學. 410pp. 冨山房, 東京. (形態、生態、被害、防除、過去の文献;なお、上記引用部分の出典は確認していない)

2010/3/31