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林業試験場

ナミアゲハ

ナミアゲハ

写真1 中齢幼虫、体長20mm。美唄、庭のサンショウ。2001/8/13。

写真2 老齢幼虫、体長25mm。写真1と同じ個体群。2001/8/15。

被害の特徴
樹 種 サンショウなどミカン科樹木。
部 位 葉。
時 期 春~秋(幼虫加害時期)。
状 態 葉が食べらる、なくなる。葉や枝上に幼虫がいる。被害木の下に虫糞がある。
幼虫 体長最大約5cm(写真1)。小さな時は鳥の糞のような色彩、大きくなると緑色。

和名  ナミアゲハ

学名 命名者  Papilio xuthus Linnaeus

分類  チョウ目(鱗翅目)Lepidoptera、アゲハチョウ科Papilionidae


寄主  ミカン科樹木。北海道ではサンショウに多い。

生態  年数世代。蛹越冬。雌成虫は若葉などに産卵する。卵は丸く黄色。幼虫は枝先の若い葉を好んで食べる。北海道では夏以降に発生が多いようである。

分布  北海道・本州・四国・九州・沖縄、アムール、朝鮮半島、台湾、中国。

被害と防除  庭のサンショウでは毎年のように発生し、成長が著しく衰えることがある。1993年に江別市の苗畑で”アゲハ類”によるキハダの被害記録(文献1994)があるが、正体不明である。
 幼虫はたいてい葉表におり、目に付きやすい。小鳥の糞のようなものが付いていたら、幼虫なので取り除く。触るといやな臭いが付くため、気になる人はゴム手袋をする。チョウの好きな人は少し残しておく。


文献
[1986] 村岡実, 1986. アゲハ. 山口昭・大竹昭郎(編集), 果樹の病害虫, 診断と防除: 161-163. 全国農村教育協会, 東京. (柑橘での生態、被害、防除)
[1994] 福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂, 1994. 平成5年度に北海道で発生した森林昆虫. 北方林業, 46: 291-294.

2001/10/6